12スキだらけの寝起き
起きた時には、もう外はすっかり暗くなっていて、時計を見ると、そろそろ日付が変わろうかという時間だった。
明日は学校が無い週の土曜日だから、多少夜更かしはできる。でも、まさかこんなに長く寝ていたとは思わなかった。
「んっ……」
「あっ、おはようございます、カナ」
「…………おはよう、妖精サマ」
妖精サマは既に起きていた。
まるで想いを馳せるように、窓辺で星空を眺めていた。
半透明の美しい羽が月の光に照らされて、銀色に淡く光っていた。
「カナ……」
「なんでしょう?」
「ごめんさない」
上体を起こした私の膝の部分に飛んできた妖精サマが、膝をついて謝ってくる。
「ごめんさない。私の行いが軽率でした。……カナに甘えてしまっていましたの。ごめんさない」
頭を下げ、声を震わせながら謝ってくる。
「私こそごめんさない」
「ぇ……?」
「妖精サマ――――ううん、フィスも大変だったよね」
「なんで、わたくしの、名前を……?」
「私には何でもお見通し。……だから、フィスがどんは気持ちでいたのか、どんなに寂しかったのか。分かってあげないといけなかった。ごめんさない」
私も、妖精サマ――――フィスに頭を下げる。
「カナ……。ありがとう、大好きですわ♪」
「フィス、私も。大好き♪」
こうして私たちは、仲直りをしてすっかり仲良くなれたのでした。