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スキのありすぎる妖精サマと私  作者: 姫宮煌輝
12/13

12スキだらけの寝起き

 起きた時には、もう外はすっかり暗くなっていて、時計を見ると、そろそろ日付が変わろうかという時間だった。


 明日は学校が無い週の土曜日だから、多少夜更かしはできる。でも、まさかこんなに長く寝ていたとは思わなかった。


「んっ……」

「あっ、おはようございます、カナ」

「…………おはよう、妖精サマ」


 妖精サマは既に起きていた。

 まるで想いを馳せるように、窓辺で星空を眺めていた。

 半透明の美しい羽が月の光に照らされて、銀色に淡く光っていた。


「カナ……」

「なんでしょう?」

「ごめんさない」


 上体を起こした私の膝の部分に飛んできた妖精サマが、膝をついて謝ってくる。


「ごめんさない。私の行いが軽率でした。……カナに甘えてしまっていましたの。ごめんさない」


 頭を下げ、声を震わせながら謝ってくる。


「私こそごめんさない」

「ぇ……?」

「妖精サマ――――ううん、フィスも大変だったよね」

「なんで、わたくしの、名前を……?」

「私には何でもお見通し。……だから、フィスがどんは気持ちでいたのか、どんなに寂しかったのか。分かってあげないといけなかった。ごめんさない」


 私も、妖精サマ――――フィスに頭を下げる。


「カナ……。ありがとう、大好きですわ♪」

「フィス、私も。大好き♪」


 こうして私たちは、仲直りをしてすっかり仲良くなれたのでした。

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