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私は幸せをこの手に掴みたい  作者: シラス
一章 始まりの島
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3話「サーラ村」

今日は2話分更新です。男主人公の方は村を出る少し前までお待ちくださいm(_ _)m

 

 森を抜けた私達は何事もなく無事に村に到着した。


「着きました!ここがわたしが住んでいるサーラ村です!」

「おぉ、やっぱ森が近いだけあって自然がいっぱいだし空気が澄んでてなんか落ち着くねぇ」


 なんかおばあさんみたいになってしまった。だが、この自然を見てそうならない人はいないと思う。


「はい!わたしの大好きな村です!」

 

 確かに、ここを好きになるのもわかる。竹で出来た家なんて初めて見た。やっぱり日本では見られそうにない景色だ。

 

 それから私達はまずニーナちゃんの家に行くことになった。


「ニーナちゃんの家かぁすごい気になる!どんなところなんだろ」


 そう言った私にニーナちゃんが丁寧に答えてくれた。


「わたしの家はもう少し奥にあります。家は他の人の家とあまり変わらないですよ。今は母と暮らしています。父は仕事であまり家にいません」


 そこまで聞いてないよって所まで丁寧に答えてくれた。それにしても2人暮らしか。



「そっか、仕事じゃ仕方ないね。それにしてもニーナちゃんのお母さんかぁ、きっと美人さんだろうなぁ」

「はい!お母さんは美人さんです!」


 ニーナちゃんが興奮気味にそう言った。


「ふふっニーナちゃんがこんなに可愛いもんね〜」

 

 と言いながら私はニーナちゃんの頭をなでなでした。


「そ、そそそそそんなかわいいなんて、そんなことは!」


 ニーナちゃん、耳まで真っ赤にしながら否定しても可愛さが増すだけだよ。


「もう!からかわないでください!」

「からかってはないんだけど、ほんとにごめんね?」


からかったつもりはなかったがニーナちゃんがぷりぷり怒ってしまったので謝った。


「むぅ、わかりました。今回だけです!」

「ありがとう」

「いえ、あ、あそこにあるのがわたしの家です!」


 どうやらまた話してる間に着いたみたい。家の近くまで来るとニーナちゃんは小走りになり家のドアを勢いよく開けた。


「ただいま!」

「あら、ニーナおかえりなさい」

「お母さんただいま!」


 そのやり取りを見ていた私は開いた口が塞がらなかった、なんていうかやっぱりすごい美人さんでした。そしてあのそこに存在しているだけで己を主張してくる2つの丘、意味がわからない。どうしたらそんなに大きくなるんですか…。


「あら?そちらの方は?」


 私の方に向いたニーナちゃんのお母さん、向いただけのはず、なのにすごい揺れた…。


 くそぉ私だって普通サイズはあるんだからな!


「?」


 何も喋らない私を疑問に思ったようで小さく首を傾げた。このお母さん無防備すぎる気がする。


「あ、ごめんなさい。私はミライと言います、ニーナちゃんとはお花畑でお会いして」


 私はお花畑で目覚めたことやニーナちゃんとの出会いからのことなどを簡単に説明した。


「そう、あのお花畑で…大変でしたね…そういえば自己紹介がまだでしたね。私はシーナと言います」

「確かにびっくりしましたけど、ニーナちゃんが助けてくれたのでそれほど大変だったわけでも」


 と突然シーナさんは満面の笑みを浮かべて私の後ろを見た。すごく怖い


「ニーナ」


 まるで地獄の底から声が聞こてたかと思うほど低い声でシーナさんはニーナちゃんを呼びその声に反応してニーナちゃんの方が大きく震えた。


「は…はい」


完全に縮こまったニーナちゃんが小さく声を出す。


「あなた、一人でお花畑に行ったの?」

「えっと…その…」


おそらくあの花畑には行かないよう言われているのだろう。それを1人で行ったニーナちゃんの行動を私がシーナさんに暴露してしまったようだ。


「1人で、行ったの?」

「ぅ…はぃ」


シュンとしてしまったニーナちゃんを見ると何故か私までシュンとしてしまう。なんかごめんなさい。


「私はいつも言ってるはずよね、お花畑に行くときは1人では行くなって」

 

ニーナちゃんは涙目になりながら無言で頷く、よく涙目で抑えてると思う、私はちびりそう。


「なんで、1人でお花畑に行ったの?」

「いけ…ばなのはな…とりに…」

「それは1人で取りにいかなくてはいけないもの?」

「…うぅん」


 シーナさんの質問にニーナちゃんは首を力なく横にふる。


「そうよね、じゃあなんで1人でいったの?危なかったかもしれないのよ?」

「まもの…どかは…ずずっ みないがら…ぐずっだいじょうぶだどおもっでぇ…」


 ついに泣き出してしまったニーナちゃん。嗚咽で上手く喋れていなかった。でも今、私に出来ることはないだろう。静かに行く末を見守ることにした。


「それでも万が一があるかもしれないのよ?」

「ご…なざぃ」

「聞こえない」

「ごめんなざい!」

「まったくもう、あんまり心配させないでね。寿命が縮まるかと思ったわ」


 そう言ってニーナちゃんを抱き寄せるシーナさん。顔は見えないが本当に安心したというような雰囲気を出している。


「ぐずっうぇぇぇぇぇぇんごめんなざぃぃぃぃ」

「よしよし、今度からお花畑に行くときはちゃんと言わなきゃダメよ?」

「ゔんっ」


抱きしめ頭を撫でられている中で、ニーナちゃんは小さく頷いた。


ニーナ「よんでっ…ぐださりっうぅ…ありがどうございましだぁぁぁぁ」

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