城塞都市を目指す黄金騎士と吟遊詩人。②
森を抜け広い丘陵へと出た黄金騎士の一行。
長老団の一人が馬を走らせ、辺りを、ひととおり見回して戻って来た。
『起伏のある、この土地柄に詳しい者はおらぬか?』
大男が前に出て長老に語り掛けた。
『ワシは以前、ここで野蛮王の一党とたたかったことがある!』
『ここを通る時は辺りに十分、気を配らねーと痛い目に合うぞ!』
長老は大男に隊列の先導をするよう促した。
『お主は、この地方に詳しいようだから先を進み我らを城塞都市へ導いてくれ!』
大男は遠くに見える一本の大木に視線を送り手を振った。
『あの大木が目印だ!』
『あそこまで進めば、遠くの方に河を挟んで城塞都市が見えてくるはずだ!』
その言葉を聞いた美しき乙女である吟遊詩人が小走りに馬を走らせて、黄金騎士前に出て来た。
『お待ちください……その道は危のうございます。』
『起伏が激しく、賊や敵の伏兵などが隠れるのに絶好の地理でごさいます。』
『ここは少し遠回りにはなりますが大きく迂回して河沿いを進まれるのが賢明でございます。』
黄金騎士は彼女の言葉を聞き入れ大きく迂回して河沿いの道を選択した。
『急がば回ることを覚えねばならない。』
黄金騎士の一行は進路を変更した。
野蛮王の暗殺団は、遠くからその様子を見て舌打ちをした。
『引き返すぞ!』