聖別されし三人の黄金騎士は聖地に集い寄る
帝都………………
教皇の寝室。
『書記官よ……私は今宵も例の集いに行く。』
『支度は、できておるな。』
『はい。』
『教皇様……』
『既に裏昇降口に赤毛馬を待機させております。』
『くれぐれも、大枢機卿に、気取られぬよう後は頼んだぞ。』
『畏まりました……教皇様。』
そう書記官に言い残した彼は、となりの小部屋へと移りドアを閉めた。
それから月の装飾がなされた黄金騎士のサレットとマント、そして司のブレードをチェストから出し素早く装いを変えた。
城壁の外へ繋がる秘密の裏昇降口で赤毛の馬に股がり駆け出す彼の姿は
病に伏せる弱々しい教皇とは、ほど遠い雄々しい黄金騎士であった。
満月の夜、聖地へ赴く彼の心境は喜びに満てていた。
この世に三人、存在すると言う聖なる騎士が一つの場所に集まるのだ。
一人は農夫。
彼は大地を司り人々の心に真の愛を送り込む風の象徴の翼と呼ばれる。
一人は王。
彼は太陽のように雄々しく灼熱の熱で悪を一掃する光と呼ばれる。
一人は教皇。
彼は月のように穏やかであり、すぺての怒りと憎悪を鎮め闇の主と呼ばれる。
彼らは互いに顔も素性も知らないもの同士だが
天空の月より使わされた使者と約束の預言者により聖別されたものたちだった。
清らかな泉が湧く、幸福への路の終着点である鍛冶村へと運命の糸に引かれるように集い会う。




