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名も無き将軍の物語り  作者: 縞栗鼠
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黄金騎士とは人徳の顕現者なり。

黄金騎士を先頭にした長い隊列が荒野を行く。


隣国の侵攻を見事、払い除けた黄金騎士への信頼は国民から絶対の信頼を得ていた。


後続の騎士団の一人が伝令のため彼の隣に走り寄って来た。


『黄金騎士様、敵の将軍を捕らえました!』


縄目を掛けられ馬の背に乗せられた敵将が黄金騎士の前へ連れてこられた。


敵将は終始、無言で黄金騎士を見ていた。


騎士団の一人が敵将を手荒く馬から引きづり下ろした。


彼は剣の鞘で、強かに敵将の背中を叩いた。


その様子を見ていた黄金騎士は右手を上げて、それを制した。


『手荒な真似は止めよ!!』


『戦は終わったのだ。』


黄金騎士は白馬から降りて敵将の側に近付き剣を抜いた。


騎士団の表情は硬直して成り行きを見詰めていた。


敵将は余裕の笑顔で、微動だせず、その場に鎮座し目を閉じて最後の時を待った。


黄金騎士は司の剣を縄目に掛けて断ち切った。


『行きなさい。』


『自分の国へ戻るがよい。』


騎士団の一人が黄金騎士に駆け寄り訊ねた。


『よいのですか……このまま、この者を逃してしまって』


『また、我が国を攻めて来るやもしれませんぞ!』


黄金騎士は敵将に幾らかの金を持たせて馬を用意させた。


敵将は馬を走らせながら幾度か足を止め黄金騎士の方を見た。


『貴方の人徳は敵の中でも広くあまねく伝えられるでしょう!!』


『黄金騎士とは人徳の顕現者なり!!』



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