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第二章


第二章



「うーん、西日がきついわねぇ」


「ですね、でも気持ちいいです」


 風に飛ばされそうになる帽子を押さえ、目を細めながら、呟く。

 私がやってきたのは、うちの庭と世界の狭間にある次元世界。大地母神おかあさまが私のために作ってくれた、一つの箱庭世界だった。


「私の『農園』の調子はどうかなー」


 そうここは私の農園世界。太陽はお祖父様に作ってもらったし、月はお祖母様に作ってもらった。水はトレーネスタのお墨付きだし、実に素晴らしい世界だ。

 私はここで農場をやっている。広さにして、見渡して向こうの山まで行って更にその山から見える、その全て。その全てが耕され、放牧され、実りを湛えている。


 これだけの広さを、一神で個人農園として持ってる神はそうはいない。


 管理しきれるか? ですって? 私を誰だと思っておいでですか。


「おおー、豊穣の女神さんだっぺ、よくぞおいでくんしたァ」


 もちろん、人の手を借りています。


「はーい、いつもありがとうございます。今日はいつものように小麦粉と卵、牛乳にそれから牛を貰いに来ましたー」


 手を振って答えると、農作業中の人たちが次々と手を振って返す。

 彼らこそ、我らが精鋭。一生涯を農業に従事し、素晴らしい作物を育て続けてきた農業の英雄たちである。まさに豊穣の女神わたしに召されるに相応しい。


「鶏は要るだかー?」


「ブドウももうじき収穫の季節でさぁ」


「豊穣の女神様のおかげで、今年も大豊作だっぺよぉ」


 私は道行く人達に挨拶をしながら、収穫物を分けていただく。途中から、馬車に乗せてもらえた。


「本当に、素晴らしい世界ですね。ウィートさんみたいに、優しくて、暖かくて……」


 リックくんの言葉に私ははにかみながら。


「そこまで言ってもらうと。まぁ、あるけど、私もこの世界は好きよ」


 そこに、ほっかむりを被った農業の英霊が声をかける。


「おお、ウィートさんでないですかぁ。お久しう」


 なにか言いかけた、リックくんを尻目に私は手を振りながら。


「お久しぶりです。皆さんが元気なようで安心ですー」


「ええ、うちの旦那も刈り入れが忙しくって。これもウィートさんのおかげですよぉ」


「そりゃもう、ここは天国のような場所ですからのぅ」


「実際、天国なんだよ、アンタ」


「ありゃ、そうだったか」


 ほっかむりを掻いてる農民の方に笑いかける私。

この世界は、端から端まで行けば春から冬まで取れない作物はなく、山の恵みも豊かで常に何かの収穫を行なっている。


 毎年、ここが大豊作なのは私の魔法の力と、皆さんの力のおかげなのだが、その魔法の源となる信仰心を毎日捧げてくれるのは彼らそのものだ。

 ここは、そういう完全な自給自足でできている、完璧で回っていて、そして外の世界を少し優しくする、そんな世界だった。



「牛はこの子が良さそうですね。ちょうど良い感じです」


 牛舎でひと通り牛さんに挨拶をして、一頭選ばせていただく。

 これからいただく命ですから、できるだけ美味しくいただかなくては。ちなみに『農園』では家畜はみんな志願制である。

 食べられる覚悟、むしろ情熱を持った牛さんだけが、ここで美味しく育っていってるのだ。それを無碍には出来ようはずも無い。


「では、そのように。女神さんがまた来るまでに切り分けておくだァよ」


「よろしくお願いします。じゃあ、リックくん行こうか」


 農民の方に挨拶をし、私は、別の場所へ向かう。今回農園に来たのは、別の目当てもあるからだ。


「わぁ、随分とまた、実りに実ってるわねぇ」


 そこは、虫も動物も植物もわんさかと揃っており。季節も春から冬まで一式揃ってるようなそんな農園だった。

 ここは『私の農園』この世で一つだけの、私だけの畑だ。


「まずは、到着したことだし、ヤシの実でもいただきますか、という訳でおねがい」


 と言うわけで、一言言ってヤシの木にお願いすると、快く一つ落としてくれる。そいつを空中でキャッチすると、流れるような手刀でそれをカット。

 不自然な絵のようにも思えるが、私は女神様である、その辺は甘く見ないで貰いたい。


「んぐっんぐっ……ぷはーっ、甘いっ。ほいっ、リックくん」


 リックくんは受け取ると、残りを飲んでいく。


「ココナッツって普通は青臭いし、薄いんだけど、ここのは美味しいんですよね」


「そりゃもう、木が違いますから。うちのは特別製よ♪」


 次にその辺に植わっている、柿を一つ手に取るとんぐんぐと、齧っていく。

 ワシワシした食感と、皮のちょっとした渋み、それから果肉の甘さが味わえる。ちなみに柿はとても珍しい植物で、わざわざ四百二十四号さんに頂いた古い木である。

 そろそろ新しい木も植えてみようかしら、渋柿を干した干し柿というものにも興味があるし。これまた四百二十四号さんの情報である、流石おじいちゃんの知恵。


「ん、これがまた、良い感じに熟れてるわね。」


 更に、野菜に、また果物にと、だいたい私の間食の九割は、ここで行われている。……だから痩せないのだ。とか思ったあなたは、だいたい殺す。


「……?」


 首を傾げるリックくん。


「平和の女神としてありえない妄言はこの辺にしておいて、と。じゃーん」


 私は持ってきたカゴから、プチプチュの実を取り出した。そう、例の渋いやつだ。やんややんやとリックくんからの拍手もある。


「さてと甘い木はできるかしらー?」


 プチプチュの実はだいたい、二年から三年で実をつける。私が魔法を使えば、この場でパッと木にすることも出来るのだけど……。


「それは風情がないわよねー、しばらく植えておこうかしら」


「この場で試さないんですか?」


「うん、少し植えておいて、様子を見ようかな、と」


 とりあえず青いつぶを一つ植え、おまじないをかける。これだけでもかなりの成長が期待できる。

 ちなみに、プチプチュの種は実のつぶの中にある。大抵の人は、そのまま飲み込んでしまうわけだけど。


「……と、言うより、あの種を吐き出せる器用な人が信じられない」


 大きさで言うと、いちごの種位のものなのだ。それを噛み潰さずにつぶを割って、取り出す。うん、流石に無理。


「そう思ったら、なんか食べたくなってきた。そうだ、牛乳貰って砂糖かけていちごミルクを作っちゃおう」


 また太るとか言うな。




 さて満腹のお腹を抱えて、大量の食料を背負って戻ってくると、もう夕方。夕食のことを考えると、そろそろ仕込み始めてもいい頃合いだけど……。


「その前に遠見の魔導球でも見ておこうかな」


 と言って宿の壁の前に設置してある水晶球に魔力を込める。すると、ぱっと壁に水晶球の中が転写されて、映像が流れだす。これは発明神様の大発明だ。

 ちょっとお値段は張るが、最近では、一家に一台とさえ言われている。


「さてと、今仕事してる人たちはどうなってるかな」


 これぞ叡智の結晶、遠見の魔導球。どんなに離れた世界でも様子が見れる、優れもの中の優れものなのだ。何分全知全能ではない身、こういうものがあると本当に有難い。


「その前に今日のニュースは……あ、黄の三千五百五十六番世界無くなったんだ。破壊神が破壊したのかぁ、新しい神とかまた住みだすのかな、こっちに」


 何分、このヴァマーズは世界を無くした神様にとっては、寄り合い所みたいなものなのだ。もっとも現役で世界経営してる、戦勝神ファルユーバーみたいのもいると言えばいるんだけど。


「アレも地元じゃ、随分戦争とか起こって荒稼ぎしてるって話なんだけどなぁ。何の因果で勇者派遣業なんかやりだしたんだか……」


 ソファーに寝転がって、テーブルの上にある板状のものを手に取る。え、これが何かって? ふふふ、知らぬなら教えてあげましょう。

 これは、リモートコントローラー、略してリモコンと言う便利な装置なのだ。


「……ありゃ、反応薄い。ぽちぽち」


 こうやってポチポチボタンを押すと、離れたところから魔導球をコントロールできるのです。


「ポチポチ……映像悪いなぁ。これは、業者呼ばないと駄目かも」


 大魔王は……お、倒れたみたいです。結果としてにはうちの勇者さん達も活躍していて、これは伝説残るかも。こうやってよその世界から信仰心を集める仕事、正直、ちょっと惨めです。


「でも生まれた時には世界なかったし、こればっかりはしょうがないかなぁ」


 国家宗教に認定されたり、それこそ世界の半分に信仰されたりなんて、味わってみたいのは山々だけど。

 信仰の方向を間違って性格がねじ曲がったり、はたまたそれがきっかけで泥沼の戦争が起こったりなんて悪い噂も聞くからなぁ。


「まぁ考えててもしょうがないか、稼ご稼ご……って、うわ! 三百七号さん大ピンチじゃないの! 危なっ!」


 画面の向こうでは、傷だらけの三百七号さんがいた。たくさんの悪魔に囲まれていて、どうやら敵はかなり手強いらしい。


「これは……祈ってあげないと」



 眼の前に広がるは雪原、遠くには魔王城。そして、見下ろす雪は赤く染まる。

 俺は、相当参っていた。


「いやあ悪魔第四天王が一人ゼルファーか、凄まじい槍捌きだ。なるほどね、どうも俺の剣じゃ敵いそうにないな」


 目の前には、多数の悪魔の軍勢、おまけに俺の右腕は千切れ、もう使い物になりそうもない。左腕に持った剣も、もう上がりそうにない。


「人間、貴様はよくやった。だが残念ながら得意の剣も使えまい」


 豪奢な衣装を身に纏った、犬のような悪魔は五月蝿く吠えている。


「葉巻を吸うくらいは出来るさ。あと俺は、ヒューバートって名前があるんだ、覚えておいてもらうと助かるね。まぁ、もうじき死んで貰うんだけど」


 葉巻を咥えたままヘヘッと笑ってみせると、犬の戦士は一歩前に出た。


「減らず口を、ならば苦しまぬよう、我が槍にて倒れよ。片腕を無くし、残る腕が一本では、我が槍は受けきれぬぞ」


「なぁに、腕が一本千切れただけだ。まだなんの問題もない。虫だってまだ生き生きしてる頃だぜ」


 俺は地面に剣を投げ捨てる。


「勝負を捨て、諦めたか。参るぞ」


 槍を持った犬が迫る。俺は、左手で眼帯を外す。


「よく見なよ、滅多に見れない代物だ、俺の『雷の魔眼』は――!」


「ぬおっ!?」


 俺の目から数百の雷が迸る。稲光は周囲を照らし尽くし、周りの雑魚どもは勿論、ゼルファーとやらもたじろぐ威力だ。

 俺は、左手で剣を拾うと、その剣に雷気を纏わせゼルファーに一気に跳びかかる。


 その時、奇跡が起こった。


「貴様っ!? ……腕が!」


 真新しい、右腕が生えていた。血を失った俺の身体に、活力が湧いてきた。


「ヘヘッ! どうやら心配症の女神様の加護らしい。ワン公、喰らいなっ!!」


 両腕で、その心の臓を一気に貫く。――勝負は一瞬で付いた。


「馬鹿――な」


 ドサリと、倒れる悪魔を見下ろし、俺は剣に付いた血を払う。


「まだ、まだ戦えるぜ……俺はよ、見てな女神様」


 悪魔の墓標の代わりに葉巻を投げ捨てる。俺は一人、また雪原を歩き出した。




「ふぅ。信頼はしてるんですけど、三百七号さんの行く所っていつもギリギリなんですよねぇ」


 私は胸を押さえて、呟く。これ以上は心臓に悪いし、多分彼なら勝つだろう。そう思ってチャンネルを変える。


「あら、これって……」


 それはわりと、興味を引くニュースだった。



 さて店は一番の賑わい、夕食時である。今度は準備も万端、仕込みも上々であるため、一切の抜かりはない。


「さぁ、ピッケにポッケ、今日は働くわよー!」


『いえっさー!』


 ウェイトレスにウェイター姿の二人もビシっと決まっている。ちなみにお手伝い妖精ブラウニーは、洋服をコンプすることを一番の喜びとしているのだ。

 分厚い肉を、強火で焼いていく。ジュー! っとまずは強火で外をカリカリに焼くのがコツの一つだ。

 そして、さすがに分厚すぎるので、今度は低めの温度のオーブンで、じっくりと焼いていく。脂が滴りいい匂いがしてくる。


 じゅる。


「いや、私の食事はまだまだ後だし、間食したばっかりだし」


 涎を拭きつつ焼きあがったお肉に、特製のメートルドテルバターを、たっぷりと。横に人参のグラッセを添えて、出来上がりだ。


「ほら、サラ。ご注文通りのステーキよ。特大の大盛りにしておいてあげたわ、たんと喰らって大きくなりなさいな」


 直々に、お肉ドーン! お野菜ドーン! ついでにライスもドーン!! と置いてあげる。半分嫌味も混じってるので、まぁ残しても、許しておまかないにでもいたしましょうか。


「うわ、サラこれ食べるの?」


 リックくんも驚きのご様子だ。


「……それ全部食べて、太らない?」


 それ、言っちゃ駄目、男の子の口から言っちゃ駄目。まぁ、多分全部食べたら間違い無く太るだろう、物量な意味で。そもそもの重量があるのだし。


「……二人で食べるの」


 ほら、おかしな方向に転んだ。


「いや、僕の分もう来てるし」


 そりゃそうだ、あの縦だか横だか分からないステーキを焼くよりは、リックくんのメニューを出すほうが早い。


「リックのはハンバーグステーキでしょ! シェアして半分ずつ食べるの!」


「ってか、半分でも食べきれないよ! ってか! 目が怖いよ!」


 そこで肉にザクッとフォーク付き入れて、サラが一言。


「ほら、あーん」


「いや! しないし! って言うか! それ全部だし!」


「ただいまー。お、なんか七百七十七号豪快なもん食ってるな。俺もそれ一つ。いやぁ、魔王との戦いで血を流して流して、とにかく血肉になるもん食いてぇ」


 がちゃりと扉を開けて入って来たのは、さっきまでピンチに陥ってた勇者三百七号さんだ。割とボロボロだが、何とか勝てたらしい。


「おかえりなさい! お疲れ様です。よく頑張りましたね、途中もうダメかと思っちゃいました」


 咥え煙草のまま勇者三百七号さんは眼帯を掻きながら。


「いやぁ、結局二~三年戦ってきたよ。四天王がなんでか合計六人いてさ」


 ちなみに、あちらとこちらの世界間では時間の流れは、割りと曖昧に違う。魔導球は要らない所はカットして、いいところだけ流すのだ。

 ちなみに、年も割と曖昧にとる。


 七百七十七号くんや七百七十八号ちゃんが、普通に年をとってるのに、四百二十四号さんは変わらないままお爺さんだし。

 ってか、三百七号さんって実際には四百二十四号さんより年上だし。

 この辺、老齢で強かった四百二十四号さんや壮年で召された三百七号さんとか、若くして自分の世界を失った二人とか差が出てくるのである。


「そうなんですか、大変でしたね。御飯たくさん作りますから食べてくださいね」


 私は、エプロンを直しながら厨房へ向かう。


「だから! 噛み切れる噛み切れない以前にまず口に入んなっ……おぶっ!」


 あ、まだやってた。




「あーうー」


 結局半分以上食べることになって、満腹でカウンターに突っ伏してる勇者七百七十七号くんがいる。食べ過ぎた牛肉というのは、苦しい。しかもしばらく、苦しい。


「ご愁傷様なことで」


 その目の前に、胃薬とお水を出しながら――もっとも今はそれすら入らないだろうけど――言う。七百七十八号ちゃんの方も、割と撃沈気味である。無理するから。


「それに比べて……勇者三百七号さん、健啖ですね」


 例のセットを食べた上で、更に牛のワイン煮を頼み、酒を飲んでいる三百七号さん。正直ちょっと信じらんない。


「まぁ、ぶっちゃけあっちの世界メシマズだったからな。ウィートちゃんのメシがもう恋しくて恋しくて、それにここのワイン煮と『とっとき』のワインがまた合うんだ」


 そう言って、グラスにワインを傾ける三百七号さん……って。


「それまだ持ってたんですか!? 二年も三年も戦ってる間ずっと!?」


 私は、スツールを倒しながら立ち上がる。


「当たり前さ! こいつを勝利の美酒にするためだったらなんだってやるぜ。いやぁ、もう本当に今日は最高に良い日だなぁ、ヘヘッ」


 葡萄色のグラスを掲げながら言う、三百七号さんに私は呆れながら。


「本当に、もう……敵いませんね。よくもまぁお酒の瓶抱えたまま戦ってたこと」


「命より割と酒瓶重視で戦ってたからな。なぁに、それで死ぬようなら俺もそれまでの男さ。それに、ウィートちゃんを肴に酒を飲むって決めてたからな。そりゃいい酒はとっとかねぇと」


 そう言い三百七号さんは、グラスを傾ける。

 ほんっと、敵わないなぁ。

 そこで、カランコロンとドアベルが鳴る。


「夜分申し訳ございません、マショメーンです」


 丁寧に九十度お辞儀をしながら入ってきたのは、マッチョでメガネなオールバックの神父服であるマショメーンだった。


「隣のやつかぁ! やんのかコラァ!」


 血気盛んな六百十六号さんが立ち上がる。


「俺も隣のやつだよ! 文句あるなら表にでろ!」


 血気盛んな隣のビルの勇者さんたちも……って、なんでいるし!


「まぁまぁ、抑えて抑えて、と言うか、なんで皆さんいるんですか」


「いやまぁ、ウマそうなメシの匂いに誘われて……」


「うちの社食って、安いんだけどなんか物足りないんだよなぁ」


 などと言っている。マショメーンはそれをメモに取りながら。


「ふむ、そういう不満が出ているとは、後で検討しませんと」


 などと言っているし、何の用で来たんだ、こいつ。


「で、何の御用です? お食事でしたら今日は良い牛をさばきましたよ」


 こんなんでもお客様である。私は、全開の営業スマイルで答える。


「いえ、ワタクシはこう見えましても菜食主義でして。ほうれん草の水煮と、お酒はアクアビットをお願いします」


 私が、注文内容を出すと(なにしろ、手がかからない)彼は、座らず頭を下げてきた。


「昼間の件、申し訳ございません。ワタクシは主殿を止めはしたのですが、なにぶん腕力ではチワワにも劣る身。そのまま押し切られてしまいました。あ、これはお詫びの菓子折りです」


 と言って、マショメーンさんはお菓子の神様がやってる店の焼き菓子折り詰めを出す。おお、これは珍しい。特別なお客さん用にこっそり仕舞っておこう。


「あんたも苦労してるんですね。まぁ、今はお客さんです、お座りなさいな」


 マショメーンが座ると、葉巻を咥えた三百七号さんが、席をずらして隣に座り。


「何があったが知らねぇが、まぁ飲みねぇ。ジャガイモ酒をストレートとはなかなか渋い飲み方をするな、あんたも」


 しかし、自分のワインは絶対にあげない三百七号さんである。


「ワタクシの世界……即ちファルユーバー様の世界は、主食はジャガイモばかりでして、酒もそういう風になっております。つい懐かしく思い、習慣で嗜んでいるのですが」


「あー、あんたは昼間の、出来れば顔を見せないでよねぇ。気分が悪くなるわ」


「サラも言ってあげなさんな。この人はこの人で苦労をしてるんだから」


「そうだぜ、大人ってーのは、だいたい苦労してるもんさ、さぁさ呑んで忘れちまいな」


 そう言って、アクアビットを二人のグラスに注ぐ三百七号さん、あなたは飲み過ぎである。第一気楽だし。そうやって、夜は更けていく。





 それからしばらく経った後。


「ベッドメイクが終わるまで待ってることなかったのに。私に合わせてたら遅くなるでしょう?」

 街はもう夜も更け、夜中に差し掛かろうという時刻だ。ちなみに、三百七号さんはまだマショメーンと呑んでるようだ。

 ちなみに、我が百葉亭にはお風呂がない。


 正しく言えば浴場はあるにはあるのだが、掃除の手間と男女間使用比率の問題、何よりお祖父様の火力で沸かしていたので今は休業中なのだ。

 こればかりは、四百二十四号さんは毎度のように残念がってる。


「私としても、お風呂くらいはゆっくりしたいですし。なによりリックくんは付いてきても一緒には入れませんよ?」


 今はそれなので皆公衆浴場を利用している。

 百葉亭の大浴場が営業中なら、とも思うがそもそも湯船が一つ。それも公衆浴場並みに大きなものと来ては、私一人の手ではどうしようもない。


「いいえ、別に、単にお腹がこなれるのを待っていただけですから」


 リックくんは、赤くなりながら片手を振る。もう片手には湯桶に石鹸や着替えなどを入れて持ち歩いていた。


「そうか、お祖父様といた頃が懐かしいわね。あの頃は、よく四人で入ったから」


 リックくんは、俯いて耳まで真っ赤にする。可愛いものである。しかし、私がお祖父様から百葉亭を受け継いで、まだほんの数年しか経ってないのだ。


 思い出とはいえ、まだ記憶には新しい。そして人の成長というのも早いものだ。




『勇者にしてください! どうしてもなりたいんです!!』


 そう言い、泣きじゃくるサラちゃんの手を引いて同じように涙を流しながら百葉亭の門戸を叩いたリックくんの姿を思い出す。あの時は、強い雨の日だった。


 二人共自分の世界を失い、しかし持って生まれた才能の高さを評価され、ヴァマーズへと至った二人。

 その時の二人が、何を思って、何が悔しくて泣いていたかは神である私には思いも寄らない。だけど、その姿に私もお祖父様も心を打たれたのだ。

 だから、私はその時にこの店を引き継ごうと思ったのだ。本当は、平和と豊穣の神として生まれてきた身。できることなら戦いを斡旋するなんて仕事は好みじゃない。

 元々は、私はお祖父様とお祖母様を手伝って、細々と生きていこうと思っていたのだ。


 だけど、私の目には、全てを失って。失った何かを手にするため、力が欲しいと思った人間が眩しく見えた。

 だから、私はお祖父様から店を受け継いだのだ。人間の――勇者の行末を見届けてみたい、と。



 そして今、旅立たんとする二人がここにいる。


「どうしたのよ、ニヤニヤと人を見ちゃって、気持ち悪い」


 サラちゃんは、大体の場面において素直でない。


「なんでこんなになっちゃったのかなぁ、と思ってねぇ。あの泣きべそが」


 金色の頭を、ワシワシと撫でくり回してやる。


「わっ、やめなさいよ! そんなこと考えてたの!? だから嫌よね、神様って無駄に年食ってるからって偉そうに」


 食って掛かる、サラちゃんをいなしつつ、フンと胸を張り。


「『偉そうに』じゃなくて、『偉い』のよ、実際に」


 そう威張ってみせる。そりゃ、このヴァマーズには女神は腐るほどいるけども、実際偉いものは偉いのである。


「偉いっていうか、凄いですよね。ベッドメイクも凄いスピードでこなしちゃうし」


 そう言ってきたのは、リックくん。先ほどの話を言っているのだろう。


「ああ言うのは慣れっちゃあ慣れよ。まぁ、お手伝い妖精さんに手伝って貰ってる部分もあるけど」


 シーツは今日洗いたて、干したてのものを夜に代えている。私の店は勇者さんが安住できる場所だ。できるだけ、衣食住は妥協せずに行きたい。


「まぁ人手不足は否めないけどね。お手伝いアルバイトでも雇おうかしら。あんまりお時給出せないのが厳しいところだけど」


 人手不足とお金不足の二重苦は、本当に厳しい。

 それでも最近お祖父様から借りていたお金も、――開店資金、いつでも良いよとは言われていたけど、出来れば早くに返したかった――ようやく返済し終わったところなのだ。


 『これからだ!』ってところなのだ。


「あ、僕だったらいつでも――」


 言いかける、リックくんの肩に手を置いて。


「君には勇者の仕事があるでしょ? ヘタすると数年帰ってこれないんだから。まぁこっちだと数日なんだけど。それに明日は、リックくんも仕事があるわよ」


 リックくんは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして。


「え?」


 と言った。





「さっき言ってた、リックのお仕事ってなぁに? 私も付いて行っていい?」


 公衆浴場、私とサラは隣り合わせで喋っていた。時間帯が時間帯なせいか、他に客はなく、多少同じ客商売として経営が不安である。

 私は椅子に座って、シャワーから出るお湯で金髪の泡を流していく。髪が多いと、こういう時は大変だ。

 しかしこのシャワーというのは優れものだ。うちにもぜひ一つ欲しい、私専用にすればどんなに便利か。


「ダメに決まってるでしょー。あと、仕事の内容についてはヒミツ。明日を楽しみに待っていなさい」


 壁面には、エスポレオ火山の風景画が描かれている。どこの風習かは知らないが、火山を壁画にするのは、湯の神の間では流行っているらしい。


「そういうところ、ウィートはケチねー。やっぱりビンボーがたたってるのかしら。いっそビンボーの神とか名乗ってみない?」


 私は正面にかかった鏡を見つつ髪の水を切り、タオルで纏めながら。


「貧困の神とか、いないから。邪神でも聞いたこと無いから」


 言いつつ、横に向き直る。


「どれ、久しぶりに髪でも洗ってあげましょう。後で香油もつけてあげるわよ」


 わざわざ取り寄せているシャンプー――石鹸を水で溶いて、ハーブなどと混ぜたもの――を手にとり、私は言う。


「えー、香油だけでいいよー」


 全くこの子は猫か。


「ほらほら、言わない言わない。綺麗にしておかないと、男の子に好かれないわよ? 香油は貴方が好きなレモングラスのを使ってあげるから」


 私はもっぱら、シダーの香油を使うが。彼女はレモングラスを好むので、今回は持ち歩いている。


「ウィートが綺麗好きすぎるのよー。普通髪なんてひと月に一回洗えば良い方なのに、ウィートは毎日洗いたがるんだもの」


「良いじゃない、髪は磨けば磨くだけ綺麗になっていく物よ、扱いを間違えなければね。私にそのへんは任せておきなさい、お化粧の手本は出来ないけど」


 うちの家系は、代々は金色の髪で、私だけ少し赤みがかっているというところである。

 このへんは豊穣の神であるし、仕方がない。お祖母様は、とても綺麗なプラチナブロンドなのだが。


 そのせいか、とても髪を重んじる家風がある。


「サラももう良い年頃ね、今度髪飾りでも買いに行く?」


 シャンプーを泡立て、髪を梳くように洗いながら言う。サラの髪は、絹のように細かく肌触りが良い。洗ってるこちらとしても役得だ。


「うーん、服も見たいなぁ……最近芸術神様のお店ってどう?」


 ああ、あの神かぁ、私あの神苦手なんだよなぁ。


「あんまり行ってないけど、あそこって派手じゃない? 私は布買ってきて自分で縫うほうが好きだけど、サラの分も私が縫ってあげるし」


 ふと一瞬。サラが黙った。そんな気がした。そして一言。


「ウィートの服ってさぁ……ダサくない? おばはん臭いっていうか……うわっぷ!」


 思いっきり、シャワーを顔面からぶっかけてやる。そのまま頭を洗い流しに入る。


「けほ、こほ、口に入った。……自分のセンスの無さを、無視するのは……ウィートの良くない癖だと思う」


 シャワーの蛇口をキュキュっと締めつつ、私は呟く。


「う、ぐ……人が気にしてることを」


 まぁ確かに、控えめに見ても私のセンスはちょっと野暮ったいかもしれない。しかし、それをおばはん臭いと言われると、少々来るものがある。


「それに、下着は芸術神様の所で買ってるんでしょう? 見れば分かるもの、私もだいたいそこで買ってるし」


 痛い、そこも痛い。


「だって……基本私のサイズ置いてる所って、あそこにしか無いんだもの。下着なんて、縫い方わかんないし」


 だけど、私の成長したサイズに合わせて誂えたように置いてあるのが、気にかかる所でもある。そこも私があの神を苦手としている所でもある。……測らせてないのに。


「……それって、嫌味にも聞こえるんだけど」


 髪を洗い終わったサラは、じとりと半眼で睨んでくる。ついつい、サラの肢体を眺めてしまった。サラの目つきが、更に悪くなり。


「リックー! 今日のウィートはねー。ピンクのふりふりレースだよー」


 あ、壁の向こう側からガタン! と何かコケる音がした。……って!


「何言ってるのよ! そういうあんたは水色に青のチェック! それと合わせて水色のキャミソールにリボンのワンポイントでしょ!」


 今度はサラの方が顔を真っ赤にし。


「なんてこと言うのよ! この中年神おばはん! いっそ揉んでやろうか、その余分な脂肪の塊!」


 ガン! とぶつけるような音が聞こえるのを無視し、私は反論する。


中年神おばはん呼ぶな! ええい、こっちが揉んでやるわよ! そのあるかどうか分かんない平たいものを!」


「平たいとか言うなー! ちゃんとあるもん! 育ってるもん!」


「なら見せてもらいましょうか! その育ってる証拠とやらを!」


 全裸で始まる、格闘戦。湯の神の迷惑も考えず、どたばたとキャットファイトが始まるのであった。




 広い湯船は、大変ありがたいことに湯の神様による天然温泉である。これが、また効くのだ。主に肩こりに。


「……さっきは、悪かったわよ」


 湯船の縁に肘をつきつつ、サラが言う。その顔は真っ赤だ、決して湯あたりしたのではなく。先程までのキャットファイトが原因であろう。


「うん、私も大神気なかったと思ってる」


 私だって真っ赤だ、気恥ずかしさで。だって今のを全部聞かれてたと思うとねぇ。

 しかもリックのことを好きだと思ってるサラにとっては、致命傷であろう。私も同じ立場だったら、この場から逃げ出して投身自殺くらいしたい気分である。

 気分は、崖。


 二人だけの広い空間。声がよく響く気がする。


「……おっぱいって、大きいとお湯に浮くのね……ところでさ」


 彼女は、気まずそうに一言口にする。


「……隣、人の気配、ある?」


 顔に手を当てながら、一世一代の恥。と言わんばかりの表情で。


「……番台やってる湯の神様に、見てきて貰った方が良いかも」


 少なくとも、動いてる人の気配は無い。

 ただちょっと、血の臭いがした。



「リックくん、ケガ大丈夫? 回復魔法ヒールかけよっか?」


 少々遅れて出てきたリックくんは、額に包帯を巻いていた。


「あ、あらひがかけふよ」


 牛乳瓶を咥えたまま、サラが駆け寄る。ちなみにその牛乳は、実はうちから卸したものである。これは良い副収入となっている。


「いや、大丈夫。ちょっと打っただけだから」


 ケガした箇所が気になるのか、赤くなりつつもポリポリと額を掻く、リックくん。


「そう? 無理しないで言ってね。明日はお仕事もあるんだし。そう言えば、身体はちゃんと洗った?」


 くん、と彼の頭を嗅いで見る。大丈夫、石鹸の香りだ。ちょっと血の臭いがするけど。


「わっ!」


 慌ててリックくんが飛び跳ねると、サラにぶつかった。


「わわっ」


 慌てふためいて、更につんのめる。


「おっと、危ない」


 それを支えてあげると、リックくんは。


「うひゃあっ」


 と、情けない声を出して、硬直した。


「おーい、大丈夫? リックくん」


 こりゃ、静心魔法でもいるか? と思った矢先。


「はっはひっ、大丈夫です!」


 とバネ仕掛けの人形のように、直立不動に立ち上がった。


「……」


 サラも頬を上気させつつ、目を背ける。


「? ……まぁ帰ろうか、もう夜中だし」


 この辺り、たまにこの二人は分からなくなることがある。これが、思春期というやつであろうか。






 二人と一神で揃って、帰り道を歩く。夜道だというのに月明かりは眩しいくらいで、星々も輝いて見える。


「……このメンバーだけだとさ、昔をよく思い出すわね」


 私にとっては神生で大したことのない時間だけど、二人にとっては人生の大半だ。それを、二人と一神でよく過ごしてきたものだ。


「……そうですね。僕達には、大事な時間です」


 この数年間、二人はよく頑張ってきたものだ。勇者としての実力はもう申し分ない。


「ウィートにとっては、大したことない時間なんでしょ? 人間の昔なんて」


 途中で買ったアイスキャンディーを齧りながら――よく食べる子だ――サラは呟く。


「いえ私にとっても、この数年は長いものだったわよ。何しろ初めての事だらけで」


 月を眺めながら、色々と思い出す。


「お店の経営を引き受けて、最初はドジばっかりやって。サラは格闘技が得意だけど、魔法は中々覚えらんなくて。勇者さんは、皆頼りになって優しくて……」


 ここまで歩いてくるのも、長かったものだ。子供の頃が遠い記憶のようにも感じる。それくらい、長くて深い数年だった。そしてこれからも、だろう。


「僕は太陽神様と剣ばかりやってました。毎日の事だったけど、怪我いっぱいになりながら、必死にやって来たと思います」


 私は、静かに頷く。


「二人は才能が有るものね、私ももう二人は立派な勇者だと思うわ」


 二人はそれに頷いて、二人と一神また静かに歩いて行く。

 不意に、アイスキャンディーの棒を咥えたままのサラが言う。というか、行儀が悪い。


「ねぇ、ウィートってさ」


 私は、神妙に頷きながら。


「なに?」

 と答える。


「やっぱ、私服はださいよね。今もだけど」


 一瞬、吹き出しかけた。何を言うかと思ったらこの子は。


「……まだそれを言う? 良いのよ私はこのローブ好きで着てるんだから」


 確かに私のローブは少し茶掛かった白一色で、帯を締めているだけの、簡素なものである。しかしこのゆるふわ感が好みなのだ、私としては。


「でも下にネグリジェ着てたでしょ。あれを見せたら良いのに。ウィートって下に着てるものだけ良い物着るのよね」


 今度は、リックくんが吹き出した。


「ネグリジェだけで街が歩けるか!」


 反論する私に、サラはそれをサラリと受け流し。


「見せるとこあるんだから見せたら良いのに。それで、男の気も引いてみたら? そろそろ本当に良い歳なんだから」


 サラの言うことは最もである、私もそろそろ結婚を考え始めてもいい頃だ。だけど。


「私はまだまだ結婚しないから良いんです。少なくとも、あなた達に手がかからなくなって、店が軌道に乗るまでは、ね」


 うん、しばらくは、現状維持が良い、と、私はそう思う。

 そして二人と一神、お店の灯りへと戻っていく。



 深夜、灯りを落としたカウンターで、ランプだけを灯し、私は帳簿とにらめっこしていた。


「うーん、今月は勇者さんが頑張ってくれただけあって、なんとか黒字か」


 お店の方は、だんだん安定している。とは言いたいが、やはり今一番の問題は、つい先日真正面にできた勇者コンサルティングだ。


「……お陰で仕事取られてんのよねぇ。まぁ、向こうの勇者さんもこっちに食事に来たりしてるから、そこまで悪くなってないと言えばないけど」


 ちなみに向こうにも社食はあるらしいのだが、あまり味気がないらしい。ファルが聞いたら怒り出しそうな話ではある。


「ま、戦勝神にご飯のお話しても無駄か。というか、一体なんだって勇者派遣業なんかに乗り出したんだろう……確かに、向いてるといえば戦勝神のほうが向いてるんだけど」


 豊穣と平和の女神は、あんまり向いていないと思う。その辺、戦勝神は戦勝神の息吹もあるし、有利ではある。

 何気なくそろばんをちゃっちゃと弾いていると、お手伝い妖精さん達がやってきた。


「はーやーくー寝てください―」


 ポッケが、両手を振ってアピールする。


「早く寝ないと、お掃除できないの!」


 ピッケは腰に手を当てて威張る。


「ああ、もう随分な時間ね」


 掛け時計を眺めながら、呟く。夜中はお手伝い妖精さん達の時間だ。夜、私たちが寝静まってる間に、こっそり掃除をするのが習わしなのだ。


「と言うか、あなた達っていつ寝てるのかしら」


 ポッケはピシッッと敬礼し。


「三百六十五日ー、二十四時間年中むきゅー」


 ピッケは指を突きつけながら。


「ただし、食事休憩は頂きます」


「着替え時間は、お給料のうちー」


 なるほど、働き者さんである。


「……あ、そうだ! 倉庫に確か」


 良い事を思いつき、ガタンと立ち上がる。


「まだ寝ないのですかー」


「働き者だこと!」



 それはあなた達には言われたくないかも。


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