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朝露と夕暮れの狂想曲  作者: 暇人、都築
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文化系能力②

よく分からない単語などが出てきたら、

気軽にメッセージで聞いてください。

「ねぇ、高句麗コグリョー。」

「何?新羅シルラ。」


「転生しても・・・一緒にいようね。」

「・・・うん。」


二人は肩を寄せ合い、瞳を閉じたまま口を歪ませた。


・・・それが、元凶だった。


 


off line


店員が過ぎ去るのをルカは見届け、

タイミングを見計らって会話を続けた。


「…と言う訳だ。だから、美華を責めないであげて。彼女は…君の為を思ってこうしたんだ。」


美華はもう精神的に追い込まれてしまった様で、失神を起こしていた。

「…で、アリア。お前はどうして堕としたがるんだ?」

アリアは震えながら打ち明けた。

それは、ただ仕事だからでは無く、

全て全て佐緒里の為だったのだ。


「「時代の牢獄」は…安全だから。」

そう答え、理由を説明し始める。

「僕だって…見たんだよ。君が消えてく姿

。」


それはなんて残酷で、卑劣な話。


「僕は夢に出てきた「干渉扉」を渡ってここの時代へきた。…行く途中でね、花畑を見つけたんだ。」

それはとても綺麗な花畑だった…。

後で調べたら、「記憶の花畑」と呼ばれる、

本来なら人間は踏み込んではいけない領域だった。


そんな花畑で、とても綺麗な青い薔薇と、

中心部分が真っ白でそこからだんだん透明にグラデーションしている百合の花を見つけたんだ。

・・・綺麗なものって、欲しくなるでしょ?

だから僕はその花を摘み取って持って帰ろうとしたんだ。


「持って帰ったら、二人は喜ぶかな?」

…なんて、呟いて、帰ろうとした。

するといきなり、目の前が白黒と点滅して、


…見てしまったんだ。君が・・・佐緒里君が、


「「もしも」、楔 佐緒里と楔 美華が2011年に留まり続けた場合の未来」を―――!!


 ×××××× ××××××

そこで僕は初めて見た。

佐緒里君と、美華さんの顔を。

・・・初めて見た筈なのに、

何処かで逢った事のある様な気がして、涙が止まらなかった。


すると「記憶メモリアル画面スクリーン」の中から一人の青年が現れたんだ。

名前はマルセイユという。


マルセイユは僕にこう言った。

「君はいつまで泣いているんだ?泣いている暇があるのなら・・・

友人を救う方法を考え出し、行動するんだ。」と。


マルセイユは「未来予測攻撃」という能力を持った、「人間型能力装置(ヒューマノイド

サイシステム)」と呼ばれるものだ。

分かりやすく言えば超能力を持った、人間型の精霊。


その「精霊」と契約することによって、

契約者は精霊の持つ能力を使えるようになり

、そして自身の第五感の奥底に隠された超能力を引き出して発揮することもできる。


そして僕は「未来予測攻撃」と、「人形劇ピグマリオン」の能力を覚醒させた。

「記憶の花畑」で、修行を積んだ。

…でも、君を助ける方法が分からなかった。


どれだけ強くなろうとも、方法が分からなければ無意味。


だから僕はマルセイユと共に「干渉扉」を渡ってこの時代へ行って・・・

未来の事について勉強したんだ。

君を救える唯一の方法。

…それが、「TTCへ加盟し、「時代の牢獄」への追放」だった。


「時代の牢獄」は時間系能力を使って脱出する事ができない。

という事は、時間を戻す事、一年全てをやり直す事も出来ない。

それは「時代の牢獄」へ追放されたらその人の存在が「消える」から。

君らの存在が一時的に消えれば・・・

・・・あんな思いをするはずが無いと、僕の自己判断で君を突き放した。

そして、2016年が過ぎたら、君らを解放しようと思ったんだ。

そうして、帰してあげれば、君らは本来とは「違う」未来を過ごせる・・・。


「それが・・・理由です・・・。」

アリアは雫をぽたぽたと落として、そう答えた。

不意に、誰かの口が開いた。

「・・・どうして、そこまでするんですか。

確かに、僕らは2016年、殺されます。それは「重大な事」となっています。

・・・美華は確かに重大な存在です。でも・・・僕の存在は重大では有りません。

美華を助けてくれて有難ありがと御座ございます。

だけど、何も僕まで助けなくて良かった・・・。僕はそこまで重大な存在じゃ

バチンッ・・・


誰かの平手が飛ぶ。

「っツ……。・・・!!」


その手の主は―――――


「重大だから・・・助けてくれたんだよ!!

・・・本当に重大じゃないのは私なの!!

私のせいで、佐緒里は・・・」



――――――・・・消えてしまったから・・・!!



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