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朝露と夕暮れの狂想曲  作者: 暇人、都築
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タイムトリップ②

「あーあ…派手にやられちゃったねぇ」

女は壊れたモニターと倒れている女を交互に見る。

「鈍器も処理されちゃってる…」

男は周りに武器はないか探し、結論を述べた。ふと、女が何かひらめいた様に叫んだ。


「あっもしかして!!」


「「楔…!!」」


全ての歯車は順風満帆に回転している。




Love&________


「TTC」…ーーーー Time Travel Control

時間飛翔取締連合

「時間飛翔」を使用し時代を飛ぶ者達を

異時代違法能力者と見なして処罰、

そして「時代の牢獄」と呼ばれる所に葬る。


TTCに見つかれば、「時代の牢獄」から逃れられない。「時代の牢獄」は「時間飛翔」が使えず、外部からは侵入不可尚且つ「時間逆再生」をしてもこの場所にしか辿り着かないという。


時間系能力を使えるのは「楔家」だけ。

だからこの連合は「対楔家用連合」だ。

「世界四大能力勢力家」である「楔家」、

美郷(みさと)家」、「フィアリア家」、

「ユーリオ家」にはそれぞれ対抗する連合がある。

そして使える能力の系統も違う。

例えば楔家は「時間系能力」を操るが

美郷家では「心理系能力」しか操れない、など。フィアリア家は「破滅系能力」、ユーリオ家は「知識系能力」を操る。

ずっとこの四大能力勢力家は交友関係。


しかしそれは…ある事を起こす為だけに。



×××××× ××××××

「わぁっ!!池袋だー!」

池袋に、僕らがいる。

すごく、はしゃぐ侑樹を連れて。


暗転暗転


バサァッ


「?!おにい…祐也ッ?!」

「大丈夫、僕は此処にいる。」


カッカッ…

「あーあ、勘付かれちゃったぁ。」

女の声が聞こえる。

姿がぱっと現される。

紅い目をした…少年が。

「さすが楔の人間。でもねぇ、僕は君らを

堕とさなきゃいけないんだけどねッ?!」


振りかざされる鎌。

「美華…ッ!!」

思わず言ってしまった本当の名前。

妹はヒュッとかわし、

「何がお望みで、アウリッシュ。」

アウリッシュと呼ばれた少年は

「そうだねぇ…君らを時代の牢獄へ堕とす事かなぁ?!」


「「人形劇(ピグマリオン)」はっつどぉ!!」

「祐…ッ!!」


え?これは何?

あ…美華がいる。

「うふふふふ…だぁいすき、××…」

ゾワッ

手は血塗れ、僕は鳥肌を立たせる。

「ねぇ、大好きでしょう、私の事…」

可笑しい、美華はこんな話し方しない。

もう少しで手が触れる。

手が触れた瞬間堕ちるのは分かっていた。

僕はもう堕ちる事しかーーー


バリィィィィンッッ

何…だ?

真っ白な空間。壊れてく美華。

手は何かを突き放した様な形をとっている。

…成る程、そう言う事か。

突き放せば、能力が開放されるのか。


「「和文狂歌」、解除…!!」

何時の間にか袴を着ている。

周りには和歌や物語の文字が浮き出ている。

掌に文字を集める。

ギュッと握って


パァンッ


突き放した。


世界はまた暗転した世界になる。


「どう…して?!君は能力を使えないはず…

!!」

アウリッシュは叫んだ。

続いて何時の間にか傷塗れの美華が叫ぶ。

「違う…、「封印」が解けたんだ…。

3歳の頃の「封印」が…。」


私達は3歳の頃、「能力封印」をされた。

父親が、「これ以上「絶対服従」を受け継がせたくない」と言って。

楔家は一人っ子でなければいけない。

兄弟や双子の場合、「絶対服従」を使う可能性が高いからだ。

しかし私の場合、母が気付いた危機によって

父も止むを得ず封印を解除、「時間飛翔」を受け継がせ4歳から修行を励んだ。

でも、祐也は…××は封印を解除されなかった。父曰く「最短でも20年は能力を封印される」はず、だった。



でも、まさか…。


×××××× ××××××

「美華から離れろッ!!」

スッ バンッ

何連発も攻撃を放つ祐也にもそろそろ体力の限界が来ていた。

「うぐっ……「通常銃撃(スタンダード)」!!」

攻撃をまともに受けるアウリッシュは

通常銃撃を使い、反撃に出るが、


「「狂喜乱舞」!!」

狂おしく舞う桜で返り討ちに遭うだけ。

「祐也ッ!!もうやめて!!」

そんな声などかき消される。

もう、私には抑えられないーーー!!!


ふと、思い出した。

双子の私達は、「相対能力」といい、

お互いが相対する能力を発動すればお互いに能力が抑えられる。(=相殺)

ちなみにその逆もあり、「合成能力」と呼ばれる。

今使うべきは「相対能力」。

祐也は「文化系能力者」と言う事が判明した。その反対…つまり私は「理数系能力者」。

だから、「理数系能力」を発動すれば、

抑えられる。


「「能力小数化」…!」

そう叫ぶと同時に攻撃しかけていた祐也が

弾き飛ばされる。

「?!」

アウリッシュは「能力小数化」により

通常銃撃(スタンダード)」の能力が

無効化された。


「どうして止めるんだい?僕は君らを堕とすのに!!」

「祐也が倒れるからだよ。祐也が倒れるくらいなら、私が殺るさ…!!」


ズキン…ッ


刹那、


少年は瞳を紅く染まらせーーー


禁断に手を染めた。


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