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灼熱の銀の球体  作者: 佐屋 有斐
第一部四巻「胡蝶舞う蔓畑」
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一章


「この世は朽ちてゆく花のようだ。あらゆるものに恵まれ、分別もなく吸い尽くした傲慢な花のなれの果てだ。根を侵食されても見て見ぬふりをし、強欲に利を求める。命の概念は壊れつづけ、無慈悲な者が嘆く者を捉える。

朽ちる花が散るとき、愚か者はもうここにはいない。その時を生きる者たちは過去が産んだ悲劇を忘れ、同じような花を育てるだけだ。真の絶望を知らなければ誰も心ひとつ変えることはない。未来へ先送りした罪は、やがて取り返しのつかない惨事を引き起こす」



                    キエヌ=ボアジェ




 第一章 依頼書の山





 第三世界、アルケバルティアノ城下北東区の外れの古アパートの居間で、美しい白花のレリーフの椅子に座り込んでいた賢者ザーク・シュミレットは、テーブルや床から天井高くまで不安定にも山積みになった幾つもの依頼書たちに囲まれ、不機嫌な顔をしていた。

 飲んでいたはずの紅茶の入ったカップはいつの間にか書類に埋もれ、どこにいったのかもわからず。読みかけの本もどこにも見当たらない。部屋中、白い書類の山々に占拠され、身動きができるのはシュミレットの座っている椅子の周りのわずかなスペースのみだった。どうしてこうなったのだろうか……。

 シュミレットはけして怠けていたわけではなかった。早朝から依頼書に一枚一枚目を通していたので、昼過ぎにはすべて片付くはずだったのだが。どうして山積みの書類が一向に減らないのかというと、助手のルーネベリ・L・パブロがアルケバルティアノ城から次から次へと書類を運んでくるせいだった。

 ルーネベリは時術式をつかわず、わざわざ城まで足を運び、大量の書類を荷車で運んできては、また城へと戻り。アパートへ書類の山を持ち帰ってくるのだ。ルーネベリが扉を開け閉めするたびに山積みの書類が崩れるので、書類が散乱し、箪笥の下にまで書類が潜り込んでいた。何がどうなっているのかもわからないまま、足の踏み場だけが少しずつなくなっていったのだ。

 さすがの賢者様も嫌気がさしてきて、四十一回目にアパートの扉を開けて部屋に入って来たルーネベリに言った。

「君は僕に何か不満でもあるのかい」

「いいえ、今のところは特にありませんが?」

 崩れた書類の山に、運んできた新たな書類をのせてルーネベリは首を傾げた。まったく悪びれる様子もないので、シュミレットは言った。

「君は良い性格をしているよ。僕に嫌がらせをするにはとても最適な方法を考え出すのだから」

「嫌がらせだなんて、先生。これでも少なくしてもらったほうなんですよ。時術式を使っていれば、この部屋にある書類の倍の量を送ってきたでしょうからね。面倒でしたけど、俺が直接城に行って書類をもらってくることにしたんです。荷車に積める量なんて知れていますから」

 ルーネベリはそう言うと、扉を開けて外に出ようとした。きっと、またアルケバルティアノ城に行くつもりなのだろう。シュミレットは慌てて椅子から立ちあがった。床の書類を踏みつけ、周囲の山積みの書類をいくつか倒してしまったが、気にするわけでもなくシュミレットはルーネベリに向かって言った。

「待ちなさい。また城に行くつもりかい。もう結構だよ。やめなさい。君も疲れただろう」

 シュミレットを振り返り、ルーネベリは言った。

「まぁ、さすがにこう何度も行き来するのは疲れますが……。ですけど、先生。また取りに戻ると事務の人に言ってきたんですよ。戻らないと、失礼ですよ」

「かまわないよ。どうせ、僕に書類を押し付けているのは、七老者たちなのだろうから」

「七老者?」

「どうやって手をまわしたのかは知らないけれど、去年、僕が理の世界に行ったことを知ったのだろう。彼らは僕に遠まわしに釘を刺しているのだよ。正式な招待がない限りは理の世界に行くなとでもいいたいのだろうね」

「あぁ、そうだったんですか。いつもより異様に書類の量が多いなとは思っていたんですが。賢者様も大変ですね」

「知らなかったとはいえ、君の嫌がらせも相当だよ。僕のカップと本を後で探しておいてください。この部屋のどこかに埋もれているはずだから」

「わかりました」

 大人しく頷いたルーネベリは、ふと思うことがあり腕を組んだ。

「七老者というと、確か貴族と元議員で構成された七人の……」

「第三世界で政治の実権を握っている老人たちだよ。七老者の下には二百人の議員たちがいて、議員の出す提案を可決するか否決するのかは七老者たちが判断する」

「女王陛下に仕える賢者よりも、彼らの方が上になるんですか?」

「上下関係はないよ。僕ら三大賢者と彼らは役割が全く異なるからね。ただ、統治女王は就任した時、七老者を選ぶ権限があってね。女王と七老者は密接な関係があるのだよ。いわゆる、派閥というものだろうね。賢者はどの派閥にも属さないからね、彼らは僕らが出しゃばらないようにと、あらゆる方法を使って僕らに圧力をかけてくるのだよ。迷惑な話だよ」

 シュミレットは目線を落とし、山積みの書類の中から適当な書類を一枚手に取った。依頼書の題名には【時計の捜索依頼】と書いてあったシュミレットはルーネベリに依頼書を見せつけて、言った。

「見てごらん。こんな依頼書をよく通したものだとは思わないかい。賢者を便利屋か何かと勘違いしているよ、まったく。一般的な紛失物は、時術師を呼んで過去再現するべきだと僕がわざわざ返信しなければならないのかい。どうかしているよ!」

 憤慨するシュミレットを見て、ルーネベリは思わず笑ってしまった。

 書類を荷車に積んで運ぶという作業に没頭していたため、肝心の依頼書の中身などまったく読んでいなかったが、シュミレットの言うとおり、普段はアルケバルティアノ城の事務員たちが省いてくれるような依頼書まで含まれている。いくら故意ではなかったとはいえ、結果として、七老者と呼ばれる政治権力の中心にいる者たちのいやがらせの手助けをせっせとルーネベリもしてしまったわけだ。なんだか悪い事をしてしまった気がして、ルーネベリは赤い髪を掻きながら部屋中を見まわした。

 書類の山や、山が崩れて散乱する書類で部屋は覆い尽くされ、めちゃくちゃだった。これらをすべて整理し、一枚一枚読みきるには、あと何日かかることだろうだろう。いくら読むのが早いといっても、シュミレットの憂鬱な気持ちもわからなくはなかった。

 当のシュミレットは部屋で唯一、書類の置かれていない白いレリーフの椅子に座り直し、むくれ面で腕を組んでいた。ルーネベリは少し考え、言った。

「すみませんでした、先生。アルケバルティアノ城にはもう行きませんよ。でも、いやがらせを受けたくないというこっちの理由で書類を取りに行かないのは事務員の方々に申し訳ないので、何か口実を作りましょう」

「口実?」

「えぇ。いつものように、依頼を受けに他の世界へ行くんですよ。依頼をこなしながら幾つかの世界を周っていれば、あっという間に数カ月は経っているでしょう。数カ月間、城に出向かなければ、さすがに事務員方もやりすぎたとわかるでしょうからね。こちらは仕事をしているわけですから、恰好もつきます。とりあえず、何か適当な依頼書を見つけましょう」

 シュミレットは腕を組んだまま首を傾げ、にやりと口元だけ綻ばした。

「結局、いつもやり方じゃないか」

「しょうがないじゃないですか。他にいい案がないんですから。だいたい、元を正せば、先生が悪いんですよ。毎回、先生がこまめに書類を受け取りに行ってくださらないから、助手の俺がしょっちゅう呼び出されるんですよ。いっそのこと、ユノウ先生やエントロー先生のようにアルケバルティアノ城にある魔術師の部屋に住まわれたらよかったんですよ。女王の塔の左隣にある一つの塔まるまる先生が所有しているんですから。そこに住まわれて助手を沢山……」

 シュミレットは右手を横に振った。

「冗談じゃないよ。あの窮屈な城に住むだなんて僕には考えられないね。賢者に就任してから一度もあの部屋には行った事がないのだから、今さら、そんな話をされたくもないよ」

「えっ?就任されてから一度も部屋に行った事がないんですか。先生が賢者に就任されたのは、今から三百年以上も前の話ですよね。……ということは、三百年間ずっと、魔術師の部屋は空だったんですか」

 たいそうルーネベリが驚いてそう聞くと、シュミレットは頷いた。

「そうなるね。三百年前までは、前任の賢者ダビ様が使っていたけれど。僕は魔術師の部屋がどんな部屋なのかは知らない。興味すらないのだよ。だけど、君が魔術師の部屋に住みたいというなら許可してあげるよ。賢者が許可すれば、助手の君一人でも住めるはずだよ。なにも僕と暮らさなければならない理由はないのだから、依頼書の整理をしながら城で暮らすのもいいのではないかな」

 クスリと笑ったシュミレットに、ルーネベリは目を細めた。

「あなたね、それはいやがらせの仕返しですか?」

「失敬だな。仕返しなんてしていないよ。君が魔術師の城に関心があるようだから、言ったまでの事だよ。部屋の鍵は恐らく事務長が持っているんじゃないかな」

「もういいですよ、先生。早く書類を探しましょう」

 首を横に振り、床にしゃがみ込んだルーネベリは数十枚の書類を拾いあげてさっと目を通した。シュミレットはクスクス笑いながら、椅子の隣にあった比較的小さな書類の山から数枚書類を手に取り、依頼書の内容を読みだした。ルーネベリは言った。

「先生、どういった依頼がいいですか?」

「依頼を選ぶなら、僕としては去年や一昨年のような大事件でないほうが好ましいけれどね。あと、魔の世界でなければ、ますます良い」

 シュミレットの話を聞いた途端、ルーネベリは笑い出した。

「第五世界ですか。まぁ、たまにはいいじゃないですか。長時間足止めをくらったほうが、好都合です」

「君ね……」


 散乱した床の書類を掻きわけて、ルーネベリは第五世界絡みの依頼書を探した。目に飛び込んでくる依頼書の題名は実に奇妙なものばかりだった。

【魔術と奇術の混合実験の協力のお願い】、【髪の色を白銀色に変える方法を教えてください】、【模造羽商人の捜索依頼】、【占いのお願い】、【青い宝石のついたペンダントの紛失届け】、【恋人を調査してください】、【箱型魔道具の分解依頼】、【賢者様、時術師を捕える魔術式をご教授ください】、【透明になる魔術式の見解】、【突然変異した蔓畑の調査依頼】。

 ルーネベリは最後の依頼書、【突然変異した蔓畑の調査依頼】が気になり、書類を手にとってよくよく内容を読んだ後、顔をあげて言った。

「先生、これなんかどうですか」

「どれだい?」

 ルーネベリは仕方がなく書類を踏みつけて、シュミレットの座る椅子に近づいて依頼書をシュミレットに手渡した。

「これです。第八世界からの依頼のようですね」

「第八世界?食の世界からの依頼なんて珍しいね。世界の大半が農地と密林で占められ、ごく一部の地域に行楽地があるだけの世界だよ」

「どうやら、その世界の大半を占めている農地で問題が起っているようです。蔓畑の苗を植えて育てていると、蔓がまっすぐ伸びずに、柄が膨らんで妊婦のようになったようです」

 シュミレットは受け取った依頼書の内容をさっと目で読みあげた。

「依頼主は農夫ユアン・ロガート。土地の所有者はローディア・シスケイル。……シスケイル?」

「やっぱり、先生も聞いたことがありますよね。俺も聞いたことがある名前だと思ったんですが、思い出せなくて」と、ルーネベリ。シュミレットは言った。

「シスケイルといえば、大昔の摂政バレオ・シスケイル。悪名高い貴族で、政治家キエヌ=ボアジェを処刑した張本人だよ。驚いたよ、元貴族の土地じゃないか」

「キエヌ=ボアジェですか。あの全世界共通液体通貨『キエヌ』を制定した、あの政治家ですか?」

「無駄な政策を繰り返し、個人の資産を増やそうとする政治家たちがいるなか、キエヌ=ボアジェは財産を売り払い、多くの者を援助した。類まれなる善良な政治家だったのだけれど、摂政バレオ・シスケイルの策略に嵌り、命を落とした。しかし、皮肉な事に、キエヌを処刑した事実は数千年後、シスケイル家を貶める結果になってしまったのだよ。キヌエ家はボアジェの死によって途絶えてしまったけれど。キヌエ家の援助を受けていた者たちの子孫が議員となり、女王陛下立ちあいのもとシスケイル家を過去の罪について裁判にかけたのだよ。数百年間も行われた裁判の末、財産の半分と貴族の地位を剥奪され、シスケイル家は没落してしまった」

「よくご存知ですね」

「キエヌ=ボアジェとバレオ・シスケイルに関する書物はすべて読んだよ。そうそう、ボアジェの弟、キヌエ=ラブルスは作家でね。ラブルスの書いた著書もなかなか面白かったよ。弟のラブルスは若くに亡くなってしまったから、著書は多くは残っていないけれど」

「そうなんですか」ルーネベリはそっけなくそう言った。大昔の政治家キエヌ=ボアジェの弟についてあまり興味が湧かなかったようだ。ルーネベリは話題を変えようと、「ところで」と言った。

「どうしますか。この依頼書にしますか?」

「そうだね。この依頼にしよう」

「わかりました。それじゃ、もう後何枚か依頼書を持って行きましょう」

 シュミレットは首を横に振った。

「どうせつまらない書類でも、すべてに目を通さなければならないのだから全部持って行こう。第八世界で受ける依頼をゆっくり決めればいいのだよ」

「持っていく?この書類の山を持っていくんですか」

「もちろん、このまま持っていくわけじゃないよ」

 指先をくるりとシュミレットがまわすと、一つの魔術式が空中に現れた。黄色く光る魔術式は小さな竜巻を発生させた。小さな竜巻が魔術式から離れた途端に、部屋にすっぽり収まる大きさまで成長した。

 ルーネベリは慌てて扉の取手に捕まり、頭を腕で覆った。

 竜巻の強い風をうけた書類がぱさぱさと音を出して揺れたかと思うと、宙に浮き、竜巻に吸い込まれていった。書類の山も床に散らばっていた書類までも皆竜巻に吸い込まれ。あっという間に、部屋中にあった大量の書類が竜巻に巻き込まれながらぐるぐるとまわっていた。

 風はカーテンや家具、シュミレットの黒髪、ルーネベリの爆発したような髪をも揺らしていた。つい先程まで書類の山に埋もれ姿が見えなかった一本足のテーブルの上で、冷めた紅茶のはいったカップが激しく揺れ、テーブルと青い布地の本を濡らしていた。

 ぱちんとシュミレットが指をはじくと、竜巻はみるみる小さくなり、書類も一緒に縮んでいった。やがて竜巻は消え、空中に飛びあがった小さな書類たちがひらひらと一列になって床へ向かって落下しはじめた。シュミレットはすぐに新たな魔術式を発動し、紅茶で濡れた青い本を掴んでぽいっと新たな魔術式の方へ投げた。

 不思議な事に、濡れたはずの青い本が魔術式を通り越して床に着地する頃には、新品同様のように綺麗になっていた。濡れてもおらず、傷一つなかった。一方、魔術式には術式にへばりつくように青い布地の切れ端が残されていた。魔術式は光ると、布地を大きな風呂敷のように変化させて、書類よりもずっと早く床に着地して、落ちてきた書類たちをすべて包込むと、瞬く間に一冊の本となった。通常ならばありえない事ばかりだった。

 椅子から立ちあがり、書類のなくなった床に落ちたたった二冊の本をシュミレットは手に取った。ルーネベリはその様子を見て、思わず言ってしまった。

「いつも、こうしてくださればいいのに……」

「何か言ったかい?」 

「いいえ、なんでもありません」

 シュミレットはクスリと笑い、ルーネベリの方へ歩いてきてこう言った。

「この書類は君が持っていてくれるかな。僕は読みかけの本を持っていくつもりだからね。さぁ、早急に連絡を取って、第八『食』の世界へ行こう」

 頷いたルーネベリは書類の束が収められた青い本を受け取ると、急いで部屋へ走った。リュックを取りに行ったのだ。シュミレットはコート掛けかけられた黒いマントを着込み、フードを被った。マントの隣にかけられていた黒い鞄に、青い読みかけの本を鞄にしまい。鞄を肩にぶらさけ、片眼鏡を整えた。






 ルーネベリが旅支度をすませ、リュックを片手に部屋から出てくると、二人はアパートを後にし、アルケバルティアノ城へと向かった。

 アルケバルティアノ城、女王の塔から城の土台である円柱状の執務室郡へ四方にくだる曲線状の建物。そこは空間移動室だった。第四世界から第十五世界まで各世界へ空間移動できる部屋があり。複数の時術師に管理されたこの施設は、一度に百人以上を一斉に空間移動させることができ、時術式を使用できない者たちにとっては非常に重宝されていた。

 商人や第三世界へ観光にきた者たち、政治家や学者。竜族。奇術師に魔術師。十三世界のありとあらゆる者たちが執務室群から女王の塔へ空間移動し、女王の塔の「謁見の間」の前にある「女王の広場」から空間移動室十四室のある曲線状の四方の建物へと移動する。

 シュミレットとルーネベリは女王の広場から北西の方角にある曲線状の建物の方へ歩いた。北西の建物には、第七世界から第九世界の三つの世界へ通じる空間移動室が三室あるのだ。

 しばらく歩いてゆくと、正面にゆるやかな下りの階段が見えてきた。その階段を二十段ほどおりると、すぐ左手にとても大きな扉が見えてきた。人々の出入りの激しいこの部屋は、第九世界「物」の世界行きの空間移動室だ。第九世界は商業の世界であり、十三世界きっての大きな娯楽街のある華やかな世界でもある。色とりどりの宝石のついたアクセリーと艶やかな衣服、うっとりするような甘く芳しい香水で着飾った若い娘たちが楽しげに第九世界行きの部屋に入って行く様を見ていると第九世界管理者エルアの営む大劇場で行われている舞台を観に行くのだろうというのがすぐにわかった。

 第九世界は演劇も有名であり、ハンサムな俳優や美しい女優を目当てに劇場に通う者も少なくはないが。劇場を訪れる一番の目的は、やはり素敵な出会いだろうか。長い幕間に、観客たちは劇場の談話室に集まり、新しい友人を紹介し合うのが古くからの習わしだった。もしも、第三世界の社交界に属する者に出会う事があれば、演劇後の晩餐会に誘われ、社交界の仲間入りを果たすということもありうる。幸運に終わるか、不運に終わるかは定かではないが。演劇を観に行くだけで、夢に溢れた一夜が過ごせるのだ。 

 誘惑に満ちた第九世界へ通じる空間移動室を通り過ぎ、シュミレットとルーネベリはさらに階段をくだり。「第八世界行き」と看板の書かれた部屋へ入っていった。










< 登場人物 >



ザーク・シュミレット …… 三大賢者の一人 魔術師

ルーネベリ・L・パブロ …… 賢者の助手 学者


ヴァレーラ …… 第八「食」世界の管理者 植物博士

ユアン・ロガート …… シスケイル家の土地を借りている農夫

ローディア・シスケイル …… 農地の所有者


ジョラム・ヨナソン …… ルーネベリの親友 植物学者 

ドロイア・イーフェス …… ヨナソンの助手 植物学者


ラス・アトゥール …… レストラン経営者

カイラ・コルス …… ウェイトレス 

ネルシア・ストフェル …… ウェイトレス

リーナン・ハディー …… ウェイトレス



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挿絵(By みてみん) 


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2014年12月20日より


第四巻「胡蝶舞う蔓畑」を連載開始しました!


今回の舞台は第八世界。「食」にまつわる世界です。

前の三巻にくらべ比較的短い話ですが、楽しんで読んでいただけるよう工夫していきたいと思います。


次回もどうぞ最後までお読みくださいますように、よろしくお願いします。



                             佐屋 有斐

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