八十三章 一つと二つ
第八十三章 一つと二つ
「こんな状況で確認したいことか。色々と考えたり、調べたり。どこまでもルーネベリは学者気質だな」とアラは微かに笑った。
ルーネベリは誉められているのかはよくわからず苦笑いしながら赤い髪を撫であげた。
「あぁ、アラ。こんな時に悪いな。でも、確認は大事なことだ。どこから始まって、どこで過程を経て、どこで終わるのか。どこか一つが欠けていても物事というものは成り立たないんだ」
「私にはわからないことを、ルーネベリにはわかったんだろう。友のためだ。何をするにしても、最後までどこへでも付き合おう」
「ありがとう」
ルーネベリはアラにそう言ってから、真実の剣を持ったままその場に屈んで、目の前で明後日の方向をぼんやりと眺めながら過去に思いを耽りぶつぶつと呟いている白い髪の生物に話しかけた。
「なぁ、バイランはどこにいるんだ。教えてくれ」
「ーーあの人さえ、振り向いてくれたら……。あの人さえ見つけられていたら……」
ルーネベリの呼びかけに聞こえていないのだろう、白い髪の生物はまだ独り言を呟いていた。
「教えてくれ」と再度ルーネベリが言ったが、その呼びかけには応じなかった。
アラが「ルーネベリ」と呟いたが、ルーネベリは諦めずに言った。
「バイランがどこにいるのかを教えてくれ。教えてくれたら、『あの人』のことを教えるから」
ルーネベリが「あの人」と行ったとき、白髪の生物はびくりと身体を動かして大きく反応してルーネベリの方を見て言った。
「ーーほんとうに?」
「あぁ、本当だ。バイランの居場所を教えてくれるなら、『あの人』のことを教える。情報を交換しよう」と、ルーネベリ。後ろでアラが言った。
「ルーネベリ、そんなことを言って大丈夫か?」
ルーネベリは振り返り頷いた。
「大丈夫。俺は本当に知っているんだ。心配しないでくれ」
アラは「そうか」と小さく言った。
ルーネベリは気を取り直して白い髪の生物に言った。
「バイランはどこにいる?いや、聞き方を変える。ここにいない者たちはどこにいるんだ?」
「あっちにいる」
白い髪の生物は懐からぬめっとした手を持ちあげて、神殿とは真逆の方角を指差した。
「あっちか?」とルーネベリはその方角を見た。
白い髪の生物は頷いた。
「集落を作って暮らしている」
「悪神の世界で……この世界で暮らしているのか?」とアラは驚いた顔をした。
「暮らしている」と白い髪の生物は繰り返し言った。
ルーネベリは言った。
「あの方角に向かえば、彼らの集落に辿りつけるんだな?」
白い髪の生物が頷いたので、ルーネベリは「ありがとう」と礼を言った。
白い髪の生物はルーネベリの腕をぬめっとした冷たい手で掴んでだ。
「あの人のことを教えて……」
「あぁ、もちろん。お前の知りたい『あの人』の何が知りたい?」
「あの人……、あの人……。あの人はどこにいる?」
ルーネベリは目を閉じた。
「残念だがーー『あの人』はもういないんだ」
「もう、いない?」
白い髪の生物は悲しそうに首を傾げた。
「あぁ、いないんだ。もう生きていないんだ。お前は一体、いつからこのビュア・デアにいるのか覚えているか?」
白い髪の生物は少し戸惑った後、首を横に振った。ルーネベリは言った。
「生物に与えられた時間は有限だ。その限られた時間を過ぎれば、生きてはいられないんだ。いつから、このビュア・デアにいて。どこから来たのかを思い出すんだ。そうすれば、きっと答えはわかるはずだ」
「あぁ……。あぁ……」
白い髪の生物はぬめっとした手をルーネベリから離して、頭を抱えて狼狽えた。
「お前が思い出している記憶は遠い昔の出来事だ。遠い過去を思い出して苦しんでいるんだ。でも、今現在のお前のことはわかるか?」
「うぁ……。はぁ……」
ルーネベリは憐れむように目を細めて、白い髪の生物の頭に手を置いた。
「本当は心のどこかでわかっているんだろう?ビュア・デアに来た時にはもうお前の身体はもう存在していなかったんだ。限られた時間を終えているのに、それでも存在しつづけている。何のためだと思う?」
「あぁ……、あぁ……。何のため……」
ルーネベリは微笑み言った。
「お前たち自身のためだ。執拗に残る想いに苦しんでいるお前自身を救いたかったはずだ。時が流れて、『あの人』はお前にとってすでに重要じゃなかったんだ。記憶に縋るばかりで、本来の『あの人』のことなど忘れている時の方が多かったんじゃないのか。
俺はビュア・デアを悪神の世界だとは思えない。行き場のないお前たちをーーお前たちだけじゃない。行き場のない神たちもまた、このビュア・デアへ向かわせて居場所を与えたんだ。このビュア・デアはお前たち自身を守るために存在しているんだ。お前たちに考えるための時間を与えてくれていたんだ」
「守る……?考える……?」
白い髪の生物から手を離したルーネベリは、生物の前に真実の剣を差し出して見せた。
「選ぶんだ。ここでこのまま終わってしまった遠い過去を思いながら苦しみながら存在しつづけるか、このビュア・デアを出て、執着心を捨てて新しい一歩を進むのか。選ぶんだ」
「選ぶ……。選ぶ……」
白い髪の生物は美しく輝くプラチナの真実の剣を見つめてぬめっとした腕を震わせながら伸ばしたが。剣に手が届く場所まで伸ばして、真実の剣は掴めなかった。
ルーネベリは言った。
「怖いかもしれないが、真実を選べ。後戻りせずに、前へ進むんだ。どこへ行くのかは俺にもわからないが、少しの間だけだが、俺が手を貸してやるから。ここを出てお前だけの道を行くんだ」
「わたしだけの道?」
「あぁ、お前の道はまだ先につづいているんだ。このビュア・デアを出て行った者たちと同じように。行く場所がどこかにあるんだ」
「この世界を出られる?」
「あぁ、出られる。お前の気持ち次第で、出ることができるんだ。この世界から出たくはないのか?」
白い髪の生物は通り抜けた真実の剣の下にあるルーネベリの手をぎゅっと握り掴んだ。
「ーーもし、まだ許されるなら。ここから出して。もう苦しいだけなのは嫌だ。もう同じことばかり、嫌なんだ。あの人に心を奪われたことを理由にして、自分で何もかも手放して何もかも失ってしまった。ーーここから出して。ほんとうはもうここに居たくない。もう自分自身を許したい」
先ほどまで辿々しかった口調が、しっかりとしていた。
「わかった。よく今まで頑張ったな」
ルーネベリは真実の剣ごと白い髪の生物の手を掴んだ。真実の剣の刃は光っていた。白い髪の生物が掴めなかったが、ルーネベリが掴んだ真実の剣は白い髪の生物の手に食い込んでいた。そして、剣が食い込んだところから光の球がふわふわと舞いあがった。光が舞がるたびに、白い髪の生物の姿は薄れていった。ほんの一瞬の出来事だった。
《ーーありがとう》と白い髪の生物の声がどこか遠くの方で聞こえて消えていった。白い髪の生物がいなくなった後、ルーネベリは言った。
「いいや、いいんだ。俺はそのためにここに残っているんだからな。俺は、俺でようやく自分自身の疑問に対する答えを得ることができたんだ。俺の方もこの出会いを感謝している。行くべき場所へ、無事に向かってくれ……俺はただそれを願うだけだ」
真実の剣を見下ろしたルーネベリに、アラが声をかけた。
「ルーネベリ」
ルーネベリは振り返らずに言った。
「どんなときも、すべて思い込みがきっかけだった。悪神の世界なら、悪が蔓延っているという思い込み。閉じ込められて出られないという思い込み。ーーそして、誰が誰であるべきかという思い込み」
アラは首を傾げた。
「誰が誰であるべき?」
「あぁ、そうだ。これはとても重要なことだ。そもそも真実には善悪など存在しない。真実、それは嘘偽りがない事実ということだ。でも、実際のところ、このビュア・デアは隠された偽りばかりだった。しかも、その偽りはレソフィアで起こったような悪意があって起こった出来事ではない。故意ではなく、そうなるべくしてそうなったとしか言いようがないことばかりが起こっていた」
「ルーネベリ……私に説明してもらっても」
「あぁ、アラ。いいんだ。最後にはわかるはずだから、このまま聞いておいてくれ」
アラが困ったように頷くと、ルーネベリは言いつづけた。
「俺は思い込んでいたんだ。俺たちの生まれ故郷である十三世界では生物は個として肉体と奇力体の二つが合わさり一つとなって存在していると考えられている。そして、これまで旅をしてきた世界でも、似たような思想であるということがわかった。つまり、これは多く世界で共通する考え方だということなんだ。これは恐らく大方、真実なのではないかと思う。ーーでは、俺が何を思い込んだかというと、神という存在も同じだと考えていたということだ」
アラは言った。
「それではいけないのか?」
ルーネベリは手を横に振った。
「いや、まったくもって良くない思い込みだったんだ。もし、神が俺たちと同じように肉体と奇力体の二つがあるとすれば、今現在の俺たちのように真実の女神は肉体を捕らえられても、奇力体のみでレソフィアから逃げることもできたはずだ。逃げることができれば、助けも呼べたはずだ。しかし、それはしなかった。つまり、それはレソフィアの庭で捕われていたのは真実の女神そのものであって逃げられず、肉体と奇力体という二つは存在していないということになる。ーーこれは、スタルセラティティタン、いや、フェザティアやアブロゼたちもそうだ。彼ら神々も姿を捨てれば、ビュア・デアから出ることができたはずだ。実際、デハルはそうしたからな。しかし、それらもしなかった」
アラは目線を右へ向けてから左へと向けて、それから言った。
「よくわからないが、どこか矛盾していないか?」
「そうなんだ、よく気づいてくれた!神には身体が一つしかないなら、神は姿を捨てることはできないはずだ。しかも、そのことは多くの神々も知っていたはずだ。でも、デハルは姿を犠牲にしてビュア・デアを出ている。この大きな矛盾が俺を含め多くの者たちがした思い込みだ」
アラは熱心に話すルーネベリに圧倒されて何も言えなかった。ルーネベリはそれでも話をつづけた。
「俺は、今さっきこの世界を出て行った白い髪の者を見て確信した。なによりも大きな思い違いをしたのは、デハル自身だったんだ。そして、そのデハル自身の悪意のない思い込みを大勢の者たちが信じて同じように思い込んだ。この世界にやってきた俺たちを含めてーー」
「ルーネベリ、何のことかわからないが。鳥肌が立ちそうだ」
「あぁ、アラ。俺にもよくわかる。俺自身、驚いて今にも震えそうだ。俺はようやく真実に辿り着いたんだ。なぜ、俺が選ばれたのか、なぜ俺が代わりをしなければならなかったのか。ほんとんどすべてがわかった」
ルーネベリは真実の剣を握りしめてアラに向かって深く頷いた。
ルーネベリとアラが話をしていた頃、オルシエは大剣を手にしながら目の前で繰り広げられている戦いを眺めていた。
リカ・ネディとバッナスホートの素早い剣の流れは美しいとしか言えないほど綺麗なものだった。二本の剣が時折閃光となってピカッと光るほか、ビュンビュンと風を切る鋭い音までも聞こえてきていた。
バッナスホートがどこまで手を抜いていたのかを知りオルシエは内心手が届かない歯痒さに苦しさを感じていた。
明らかに二人の剣技は卓越した剣術だった。バッナスホートが剣をリカ・ネディに向けると、すぐさまリカ・ネディがかわしながらもバッナスホートに向けて攻撃を仕掛けるが。バッナスホートは身を翻してすぐに応戦する。その動作を幾度となく繰り返しているだけだったが、まるで剣舞を舞っているかのように美しかった。
伴奏など一切ないというのに、そのうち二人はテンポ良く互いの剣の実力を見せつけ合うように、飛んだり、跳ねたりしながら剣を打ち合いはじめた。ほとんど実力は同じなのではないかと思われるほど二人の息はぴったりだった。
ところが、途中からリカ・ネディは剣を振り下ろす速度を徐々に早めていった。キン、カン、カンーーと剣の鳴る音が変わった。バッナスホートはそのうちリカ・ネディの剣を受ける一方となっていた。リカ・ネディは超絶的な速さで剣を押しては引いて、全身で攻撃の構えをとっては、バッナスホートを後退させた。バッナスホートが攻撃を仕掛けようにも、既にリカ・ネディのペースで戦いは動いていた。
遂に耐えきれなくなったバッナスホートが息絶え絶えに地面に転がった。
「ーーはぁはぁ」
最後に防ぎれず腕に切り傷を負ったが、奇力体のため自然と治癒していったが。息も少しずつ整っていった。明らかにバッナスホートは追い詰められていた。
「はぁ。兄貴、みっともねぇな」と仁王立ちしたリカ・ネディがニタニタと笑っていた。リカ・ネディの手には剣が握られていた。その剣は鋭く繊細な銀色の光を四方に放つ美しい剣だった。
バッナスホートは自身の手に握られた名剣ヴァラオスとそっくりのその剣を見て目を細めた。
「……何をした?」
リカ・ネディは面白そうに笑いながら四方に光を放つ自身の持つ剣をじっくりと眺めながら言った。
「兄貴、驚いたよな?兄貴しか持ってねぇはずの剣がもう一本あるんだからなぁ。どこまで見ても瓜二つ、同じだ」
「そんなわけがない……。名剣ヴァラオスは剛の世界の覇者にのみ与えられる由緒ある剣だ。お前の持つそれは偽物だ」
リカ・ネディはさらに笑って言った。
「兄貴、これは本物だ。上から剣の先まで本物だ。兄貴が言ったこの珍妙な剣はな、どんな姿にもなる剣だ。俺はこれを見つけたとき、必ず手に入れようと思ったんだよなぁ。兄貴を驚かせて、そんな顔をさせるためにーー」
バッナスホートの方へリカ・ネディは指を差した。バッナスホートは舌打ちして、即時に立ちあがり、リカ・ネディに向けて名剣ヴァラオスを叩きつけようとした。しかし、リカ・ネディはニヤリと口元を綻ばせてバッナスホートの手を上から叩き、剣が地面に落ちていった。
「ーーうっ」
バッナスホートは手首を抑えながら地面に崩れ落ちた。深く手首を痛めたようだ。リカ・ネディとバッナスホートの戦いを見ていたオルシエがリカ・ネディに近づいて言った。
「勝負あったな」
「なぁ?俺が言った通りになっただろうぉ」
「どういうことだ。お前は何をした?」と崩れ落ちたバッナスホートがリか・ネディを睨みあげて言った。
「俺自身は何もしてねぇよ。兄貴。兄貴は俺が兄貴より弱いと思っていたんだろうが。俺は兄貴の代わりに剛の世界で散々戦ってきたんだぜぇ。唯一勝てない理由は、兄貴の手に持っている名剣ヴァラオスだ」
「ヴァラオス?」
「兄貴が前の覇者から奪ったその剣はなぁ、特別な剣だ」
「そんなことは知っている」
「いいや、なんも知らねぇんだよ。この剣は、武道の覇者、王者を飾るための剣じゃねえんだ。由緒ある剣でもねぇんだ。
ーー同じ剣が二本あれば、単純な剣術や力の差で決する。俺は随分前から兄貴より実力は上だった。いつだって兄貴を引き摺り下ろすことができたんだよなぁ」
「俺がヴァラオスを持っていたからできなかったとでもいうのか?由緒ある剣ではないとお前は言った。何を隠している?」
「何にも隠してねぇよ。ただ、何も知らない兄貴はヴァラオスの正当な後継者じゃないってことだなぁ。本来の後継者なら、知っていて当たり前のことを兄貴は知らねぇんだ。そして、俺は知っている。ーーその剣の正当な後継者が俺だからだなぁ」
バッナスホートが鼻で笑った。
「お前が剣の所有者だと?」
「俺は正当に受け継いだ。兄貴が騙して深傷を負わした前の持ち主は、俺の実力を認めてヴァラオスを譲り渡してくれる予定だったんだよなぁ。兄貴が何もかもぶち壊してくれたけどなぁ」
「ぶち壊しただと?お前は俺に勝てた試しはなかっただろう。実力はいつも俺の方が上だった」
「そろそろ気づけよ。兄貴にはわざと手加減してやったんだよぉ。俺はリカ・ネディだ。それから、前の武道の覇者はホルウィス・ネディだ」
「そんなことは知っている。お前の遠い血族だった」
「あぁ、けど、兄貴は知らねぇだろ。ネディ家の先祖こそ、天秤の剣にはじめて最後まで残って偉大な剣を願った覇者だった。覇者の血を受け継いだ多くのネディ家の者は身体能力はずば抜けて高い奴も多くて。俺はその中でも群を抜いていたんだよなぁ。身体的能力、学習能力の高さ、その他諸々。俺は剣の天才っていうやつなんだよぉ」
「剣の天才だと名乗るなら、なぜ俺がヴァラオスを奪えなかった?」
「それはさっきから言ってるだろぉ。兄貴がぶち壊したせいだ。ヴァラオスに認められる試練を俺が受ける前に、兄貴が奪ったからだなぁ。俺は持てなかったからだ」
「俺は何もせずとも持てたぞ」と嘲笑うようにバッナスホートが言った。リカ・ネディは溜息をついた。
「そりゃそうだろよぉ。ルーネベリの持ってる剣と違って、それは誰でも持つことができるんだよぉ。けどなぁ、ヴァラオスは正当な所有者に試練を与えて、はじめて真の力を出す剣だ。正当な持ち主じゃない兄貴が持ったところで、ただのどこにでもある剣になるしかなかったんだよなぁ。可哀想な剣だ」
バッナスホートは癒されつつある手首を抑えたまま、絶句していた。リカ・ネディはヴァラオスとして変化させていた剣を元の短い棒切れに戻して、スボンのポケットに入れた後、地面に落ちているヴァラオス本体を拾いあげた。
「ようやく俺を認めてくれたなぁ。嬉しいなぁ」
「返せ」とバッナスホートが掠れた声で叫んだ。リカ・ネディは舌を出した。
「嫌なこった。兄貴は武道の覇者と名乗るには性格は凶悪だし。努力もなにもしねぇ。もし、兄貴が他人を思いやる善良な人間で、かつ剣の鍛錬に精進するような真面目な人間だったら、色々と違ってたのかも知れねぇけど。この剣は兄貴には分不相応だ。ーーこの剣は元々存在していた剣の代わりに作られた剣だ。赤々と燃える灼熱の美しい世界を彷彿とさせる、その剣の名は緋剣。ネディ家はその剣を手放して、ヴァラオスという覇者としての資質を問う剣を持つようになった。俺はようやくその資質をもつ人間になれたんだなぁ」