#12 オンナと初めてイタス時の感じならいいけどな
#12
サラクに感謝しながら、明日に備えて寝ることにする。
「おやすみ……」
カナタはベッドに横になり、目を閉じた。
翌日、いつもより早く起床したカナタは、素早く身支度と装備を整えると、いつもなら学生寮の食堂で食べる朝食を昨日買い置きしておいたもので済ませる。
もう一度、装備に不備がないかどうか再度確認してから、部屋を出て、集合場所に向かう。
「おっ、カナタ、おはよう」
途中で合流したのはこのバイトを哨戒してくれたサラクだ。サラクもいつもよりも気合が入っているように見える。
「サラク、今日はありがとな」
「なんの、なんの、そのかわりまたおいしい情報を教えてくれよな」
「いよいよダンジョンの中に入れるんだな、夢のようだよ」
「それは俺も一緒だ、どんな感じなんだろ、オンナと初めてイタス時の感じならいいけどな」
「だったら、もっと話が広がっているだろうが」
Sエクス総合技術大学に在籍していても2回生まではダンジョン内部の様子はあまり解説してくれない。
これはカナタの推測であるが、あまり早くダンジョンの全貌を知ってしまうと、そのえげつなさに学生が卒業まで学業を継続出来ずに逃げ出してしまう、からなのでは?、と思う。
「それはそうとカナタ、スペースハンマーは間に合ったのか?」
「うん、心配かけたけど、ほらこの通り」
カナタは新たに準備したスペースハンマーをサラクの前で振り回す。カナタは万が一のために予備として購入しておいたスペースハンマーを持ってきている。
「良かったよ、それなら問題ないな」
カナタとサラクは軽口を叩きながら、指定された正門前に到着する。そこには既に何組かのグループが待機している。
「あれ、けっこう集まっているな」
カナタは驚いた声を上げる。
「やっぱりみんなダンジョンに興味津々なんだな」




