後日2
王宮の図書館で本を読もうと登城した。見知った侍女達に挨拶をし、通うのも段々慣れてきた。
前はどこを歩いても知らない貴族が寄ってきたり、令嬢が絡んできたり、本当に時間を取られ毎日苛立っていた。しかしある時頂いたブレスレットのおかげで目立たず暮らしていけていてとても快適。地味になった私には誰も気付かない。ラインハルト様とルーベルト様のおかげだ。もう1度呪ってもらわなくて済んだのだ。
すぐに図書館へ向かおうと思ったが、来ているのが後からバレたら大変面倒くさい。先に伝えておこうと思い、ラインハルト様のところに寄ると来客対応中で忙しいらしい。珍しい。いつも駆け寄ってくるのに。
じゃまた来ますと従者の方に伝え歩いていく。道中でふと庭を見るとラインハルト様が可愛らしい女の子をエスコートし歩いている。庭を見ながら楽しく談笑をしていた。見目麗しい姿が2人よく似合っている。来客ってあの令嬢なのか…もやっとした気分になり思わず早足で図書館へ向かう。
んー大好きな本がすすまない。さっきの光景が忘れられない。ラインハルト様は王子様だし、可愛らしい令嬢をエスコートする事なんていくらでもあるし!でもあの令嬢にも優しく笑いかけていた。あぁ…と落ち込む。何故こんなに苛立つんだろう。
気にせず本を読もう!と決めてもやはりダメだった。魔術本なのに…。それなら気晴らしに魔術師団室へ行こうと決め立ち上がる。魔術を見ればこんな気も晴れるだろう。
ルーベルト様居てるかな話を聞いてほしいなーって、もやもやした気分で廊下を歩いていく。バタバタとラインハルト様が走ってきた。髪が少し乱れていて可愛らしい。
「すれ違わなくて良かった。来てるって聞いて急いで来たんだ。もう図書館は終わったの?」っていつもの優しい笑顔。
「魔術師団室に行こうと思って…」
「そうなんだ。送るよ。」
ラインハルト様がエスコートしよう手を取るが、私は思わず手を払ってしまった。
「あ、ごめんなさい…。」
手を払ってしまった事を謝る。涙が出てくる。先程の令嬢が頭に浮かんでしまって手を取るのが嫌だった。
ディー泣かないで?どうしたの??そんなに嫌だった?!とラインハルト様が慌てている。
違うんです。嫌じゃない。と泣きながら伝えるが涙が止まらない。私の涙を指で拭ってくれ、ゆっくりでいいから教えて?と優しく言ってくれた。
背中を撫でてくれて待ってくれる。ラインハルト様はいつだって優しい。
先程令嬢をエスコートしてるのを見て不快だった、同じ扱いが嫌だと感じて思わず手を払ってしまったと伝える。ラインハルト様が手で顔を押さえながら座り込んでしまった。どうしました?!と慌てて私も屈む。びっくりして涙が止まる。
「もう何なの。ディーが可愛すぎる…////ヤキモチを妬いてくれたの?」
「え?ヤキモチ?…そうなのかも。気になって本が読めなくなってしまって…。これがヤキモチなのかな。」
ヤキモチと言われストンと胸に落ち納得してしまった。初めての事すぎてわからなかったみたいだ。
私を殺す気?と真っ赤になったラインハルト様が立ち上がる。そっと私の手を取り私を立ち上がらせてくれる。
「先程の令嬢はただのお客さんで、兄様に頼まれてたから仕方なくエスコートしてたんだ。おかげでディーが来てくれた時に会えなくて最悪だよ。こうやって私が自ら手を取りたいのはディーだけだよ。」
「本当に私だけ?」
「当たり前だよ。この手を取るためにどれだけ頑張ったか。私の心を動かすのは、ずっとディーだけ。」
「私も。こんなに動かされたのはラインハルト様だけ。大好きです。」
もう本当ディーは私を殺そうとしてるでしょって口に手を当て顔を真っ赤にしながらラインハルト様が言う。クスクスっとお互い微笑み合いギュッと手を繋ぎ歩く。私はラインハルト様が好きだ。初めて芽生えたこの気持ちを大事にしていこうと心に決めた。これからはもう少し会いに行く時間を増やそう。私を見て嬉しそうに微笑むラインハルト様を想像するだけで気持ちが晴れやかになる。
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