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魔法実習の為に街の外に出ます!

 家庭教師のトーリ先生から勉強を教えてもらうようになって2ヶ月程経ったある日の事。

「ラルフ様、よく頑張りましたね。文字も覚えましたし、ノートもちゃんと活用して書き取れるようになりました」

 先生のほめて伸ばす作戦が効いたのか、文字だけでなく人の話も一応は聞けるようになった。落ち着きの無さは完全には無くなってはいないものの、短時間なら集中出来るようにもなったし、注意に耳を傾けられるようにもなった。授業以外にも兄のように構って遊んでくれる先生に懐いたのもあるのだろう。

「へへっ。なにかごほうびとかくれてもいいんだぜ」

 嬉しそうな顔をしつつ、それを誤魔化そうとする辺りが可愛い兄である。

「それなんですけどね。魔法を実際に使ってみたくないですか?」

「えっ! いいのか!? あぶないからためすのもダメっていってたのに!」

 期待に満ちた声で兄が応える。ユーリも兄の横で目を輝かせていた。魔法とは何か、どうやったら使えるのか簡単に話は聞いていたものの。実際に使うのはそう簡単では無いし危ないからまだダメだ、と言われていたからだ。特に兄の適性は「火」なので、下手に試して制御出来なくなれば危険だと聞いた。周囲だけでなく本人も危険な事もあるらしい。暴走して爆発するとか、火ダルマになるとか考えると確かに怖い。多分、大袈裟に言っているとは思うけれど過去にあった事でもあるとか。

「お庭や街の中で試すのは暴走すると危険ですので、街の外に行こうかと思います。旦那様に聞いて了承を得られたらですが、多分大丈夫でしょう」

「やった! おれもまほうつかえるっ!」

「やったぁ! まほー!」

 楽しそうに説明したトーリ先生にラルフもユーリも目を輝かせながら歓喜の声を上げた。

 今日行くのか、すぐに行きたいと興奮気味の子ども達を宥めるのに苦戦する大人達であった。


 翌日の午前中、勉強の時間に街の外に出る事になった。トーリ先生とラルフ、と一緒にユーリも連れて行ってもらえる事になった。メイドのマーサも一緒だ。家の敷地の外に出た記憶がないユーリは大興奮で、昨夜は中々寝れない程だった。


 ユーリは前世で高校生だった記憶はあるものの、子どもの身体ならではのバランスの悪さや発達する途中である事だけで子どもらしさを演じてはいない。

 発音も口が小さいのか舌が回らないのか特に「サ行」が難しいだけで、実は本人は早くスラスラ話せるようになりたいと思っている。

 周囲に大事にされていると実感する事で安心して甘えられているのも子どもらしさになっているのかもしれない。前世では大人に頼られた記憶はあっても、甘えた記憶はない。

 たまに、高校生だったのにと恥ずかしくなる事もあるユーリだったが。身体は子どもなので逆に自然だと思う事にしていた。

 大人達から見ると、聞き分けが良く理解も早く中身だけならラルフよりも年上に見えると評価されている事は本人だけが知らない。


 街の外、森に行くのには馬車に乗った。家は街の外れの方なので街を囲う壁を越えるて森まで30分位で着くらしい。

 家の庭から馬車に乗り、街の中を抜けて外壁の門を越えて平原から街道に入るのも全てが珍しかった。

 ユーリは目をキラキラと輝かせて外を見ていた。西洋風の石造りの建物も、街行く人々も、石積みで出来た外壁もファンタジーの世界だと実感出来てワクワクした。

 ユーリよりは外に出ているはずのラルフもはしゃいで声を上げている。

 そんな子ども達を不安に思ったのか説教される羽目になる。外に出ても危ない事をしない、マーサから離れない、勝手にどこかに行かない、と真剣な顔をしたマーサに念入りに言い聞かされた。

 ラルフも同様にトーリから説教されている。守れないなら即座に帰ると言われては聞くしかないと思う。

「さて、説教ばかりでは嫌になりますよね。これから行く森について少しお話をしましょうか。街から一番近いその森は薬草の森と呼ばれています。薬草となる魔草と普通の植物の違いは教えましたね」

「えっと、マソをきゅうしゅうできてクスリになるクサ!」

「そうですね。私達、人間が魔法を使えるのも魔素を体内に取り込めて溜める事が出来るからです。植物も魔素が吸収出来るものが魔草です。魔物と動物の違いも、魔素が取り込めるかどうかで違うのです。時々、普通の動物にも突然変異で魔素が取り込めるものに変化出来る事もあります。魔草の中には魔物のように危険なものもありますが、この森はそこまでの魔素はありません。なので、風邪薬や喉の痛みに効くような珍しくはないけど有用な薬草が採取出来る森になります。魔物も弱いものしかいません」

「なら、あんぜんだっ!」

 危険な植物も魔物もいなさそうなら安全なんじゃないかと思ってラルフが言うとトーリ先生は無言で笑顔を浮かべた。これはヤバイ、と内心で焦るユーリに気付かずに「じゃあダイジョーブだぁ」と気を抜くラルフ。

「⋯⋯森は街とは違った危険があります。自然なので何があるか分かりません。危険な魔物が山から降りて来る可能性もあれば、毒がある植物もあります。弱そうに見えても小さくても魔物は魔物です。決っっして大人から離れないように! 迷子になる事もあるんですよ。二度と帰れない、なんて事にならないように気をつけましょうね」


 結局、目的の森に着くまで説教される事になった子ども達だった。家に戻ると言い出すと困るので大人しく聞くしかない。外の爽やかな陽気とは裏腹に、重苦しい空気に耐えるのだった。 


 

何とか頑張って続きは書こうと思っていますが。

書き溜めていないので、ボチボチになるんじゃないかなと。

小心者なので、感想欄は閉じていますが読んでくれてる方がもしいたらありがとうございます♪

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