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お兄様が魔法適性検査をするそうです。

少し短いかなと思いつつ、キリがいいのでこの辺で。

 この世界には魔法があるらしい。

 絵本や家族の話などで見聞きしてはいても、実際に魔法を見た事はなかった。


「明日は教会に行くんだよ。ラルフの魔法適性検査をするからね。その後はお祝いをしよう」

 晩御飯時に、父が楽しそうに言うのを聞いてユーリは目を丸くした。

 魔法! 異世界っぽい! 検査って何? 検査を受けたら魔法が使えるの?? 


「まほー! すごいっ、にいちゃっ!」

 兄のラルフをキラキラした目で見つめながら言うと、ラルフは得意気な顔をした。

「5さいになったからな! まほうがつかえるようになったらみせてやるよ」

「あら、私はもう使えるからいつでも見せてあげるわ」

「ねぇちゃ! すごいっ! みたい!」


 楽しそうな子ども達に両親は頬を緩める。

「ラルフの魔法適正は何だろうな。生まれ持った気質が反映される事がほとんどだが」

「単純でじっとしていられない性質から考えると、エネルギーの塊である火じゃないかしら」

 父の言葉に被せるように姉のローザは語った。

「ほめてないよね、それ。ねーちゃんはつめたいところがそのまま、コオリだもんな。ヒだったらつよそうだからいいよ! マモノともたたかえるし!」

 コオリって「氷」かな?

 そういえば、夏場は冷凍庫がないはずなのに氷入りの飲み物が出て来ていたような。姉のおかげだったのかな。

「生まれ月で多い適正もあるから、本当に火かもしれないわよ。何でも良いし、授からない事はまずないとは思うけど。何があっても大事なうちの子ですからね。安心して楽しみにしましょうね」

 母が宥めてくれた事で姉と兄の言い争いは落ち着いた。元々、姉は思ったら何気なく口にしてしまうけどしつこくはないので兄が引いたら毎回喧嘩は終わるのだけど。ユーリには優しい姉なのに、兄には手厳しいのは何でなのだろう。


 前世でも、前世の方がこういう揉め事は多かったなと思い出す。やる事が多いので穏便に丸く済ませたい長女には理解不能だった。コミュニケーションだとしても、楽しい方向にいかないのは何故なのか。素を出して本音を言えるのは甘えなんだろうなと思いつつも前世同様理解出来なかった。今思うと、それだけ余裕がなかったのだろうとは思う。毎度、姉にやり込められて不貞腐れる兄の姿もまた可愛く思える余裕があるのは自分が後始末をしなくていいからだ。家事などのやらなければいけない事に追われてもない。


 家族の中で一番小さい3歳児は、そんな事を思いながらほのぼのと見守っていた。

 気持ちの上では姉や兄よりも落ち着いているという。そんな前世の弊害は本人だけが気付けないものなのかもしれない。

 



 

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