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5日ぶりの裏庭散策。

ブックマークありがとうございました♪

嬉しくて、頑張って続きを書こう! という気になりました。

リアクションも投稿した後の楽しみになっています☆

感謝です!

 客人が来てから今日で5日目になる。

 兄は勉強会後に客人との交流が上手くいかないと言って、昨日もその前も子ども部屋で遊ぶユーリの元に押しかけて来た。

 客人がいる間、部屋で大人しくしていようと素直に思っていたユーリは窮屈に感じ始めていた。


 兄が来なければ、本を読んだり折紙や字の練習をしたりと自由な時間だったのに。来てしまえば相手にしないと拗ねて逆に面倒な事になる。とはいえ、先生や家人に稽古と称して体力発散も出来ない兄の相手は正直大変だった。


 2日目に折紙で遊んだのをきっかけに、3日目は紙風船を作り、4日目は紙飛行機を作った。

 兄は機嫌良く、夕飯まで折紙を増産したり遊んだりしていた。

 けど、午後の兄が勉強会を終えた後から夕飯までとはいえ疲れる。楽しいといえなくはないけど、5歳男児と3歳女児では体力が違うのだ。そして相手をしないといけないのは正直疲れる。


 年下の妹と遊ぶ事に楽しみを覚えてしまったようなので、今日も子ども部屋にいたらまた来る気がする。

 という事で、今日は兄の突撃を避ける為に午後のお茶が終わった後に子ども部屋から出る事にした。

 客人に会わなくて済むように用心して部屋にこもっていただけで、部屋から出るなとは言われていない。

 客人は部屋に閉じ籠もっているというし、要は客間付近に近寄らなければいいのだ。

 そういう理由で、今日は久々に日課だった裏庭散策に出る事にした。


「おそとにいきたい!」とマーサに訴えると、少し考えてから了承してくれた。

「では、お客様の邪魔にならないように裏口から出ましょうか」

 裏口がある事すら知らなかったユーリはドキドキしながら家の中を歩いた。

 裏口はキッチンの奥にあった。キッチンを見るのも初めてだった。広いキッチンはホテルのもののように綺麗で、夕飯の支度をする為か料理長らしき中年男性と料理人らしい若い男性が二人いた。

「こんにちわ!」

 ユーリが笑顔で挨拶して手を振ると、驚いた顔をしつつも笑顔で手を振り返してくれた。嬉しそうな顔に幼児特権だなと思いつつ、良い人達だろう事が感じられてユーリも嬉しかった。ニコニコしながら裏口から出て裏庭に向かう。


「ちかーい!」

 外に出る時はいつもは正面玄関から出ていたけど、裏口から出た方が裏庭は近かった。いつもこのルートでいいのではないかと期待を込めた目でマーサを見上げると。

「お客様がいらっしゃる間だけですよ?」

 暗にダメだと釘を刺されてしまった。キッチンを通るのは確かに邪魔かもしれないので、大人しく頷いておいた。

 この機会にキッチンにも入れるようにならないかな、と考えた事はナイショだ。


 移動も楽しみつつ着いた裏庭で、ユーリはアヒルの突撃を受けた。

「うぇっ?」

 自分と同じ位の大きさのアヒルに素早く走り寄られて、何か分からない内に尻もちをついた。状況が分からないユーリは親アヒルに思い切りスリスリされていた。羽根でユーリを囲い込み、顔を全身に擦り寄せて来る。くすぐったく、勢いよく押すしクチバシが当たるのが少し痛い。

「ガァちゃん、これなくてごめんね。わすれてないよ?」

 宥めるようにユーリも撫でながら気持ちを伝えると、文句を言うようにガァと言う。何とか納得してくれた頃には、全身に白い抜けた白い羽毛がついていた。

 親アヒルが満足気に胸を張って離れた後、ピーピー鳴く雛達に囲まれた。

 出会った時はユーリの手のひらに乗る位に小さかったが、ぐんぐん成長して大きくなった。今ではユーリの半分位の身長になっている。毛色はまだ可愛い黄色で、成鳥になるのは1年位かかるらしい。とはいえ、ユーリが尻もちをついた状態だと同じ位の高さがある。

 顔と顔が合う状態で、8羽順番にピーピーと文句を言われた。

 迷子になった末っ子が兄や姉に怒られる感じだなと思いながら、謝る事にする。

「ごめんね」と言いながら、飼い主なのに

と釈然としないものを感じたが仕方がない。大人の人間に比べたら確かに小さいか、と何となく諦めの気分になった。

 前世は長女だったので、兄や姉が欲しかったと思う事もあったけど。いざ、一番小さい立場になると微妙な気分になるなと謝りながら思う。長子で長女という立場が長かった記憶があるので、自分に心配の必要はないのになという思いだ。自分で出来る、やりたい、と主張する幼児の気持ちを今更ながらに理解出来る気がした。可愛がられるのは嬉しいんだけど、複雑な気分なるものなんだなと。


「アヒル達が走って行くから何があったかと思ったらユーリ様が来ていたのか。好かれてますね!」

 雛達に取り囲まれてもみくちゃにされて困っていると、後ろからヒョイっと抱き上げるように助け出してくれたのは庭師のシンだった。助けてくれたので、笑いながら言われたのは許す事にする。

「最近、ユーリ様が来ないからコイツら元気がなかった位なんですよ」

 そう言いながら地面に立たせてくれたので、雛達を撫でてあげた。ピィピィと鳴きながら満足気に胸を張るのは親アヒルの真似をしているのか。ズルイ位に可愛い。


「まぁまぁ、羽毛だらけになりましたわね。ちょっと失礼しますね」

 アヒル達が落ち着くと、マーサはもみくちゃにされたユーリを整えてくれた。羽毛を取って、乱れた髪を撫でてくれる。

 アヒル達は落ち着いたのか地面に座っている。あれだけ騒いだら疲れもするだろう。

 ユーリも疲れたので、親アヒルの所まで歩いて行くともたれかかるように座った。雛達もそれを見ると寄って来るとヒザに乗ったりして座る。すっかり囲まれてしまった。鳥達の温かな羽毛と高めの体温に包まれていると眠くなって来た。

 起きてやらなければならない事もないか、と思って大人しく目を閉じた。

 アヒルに囲まれて寝る幼児の姿は最高に可愛くて、マーサとシンが身悶えていた事をユーリは知らない。子ども部屋にいないユーリを兄が探している事も。そして、庭にまで探しに来る事も。

 幸せな気分で眠りに落ちたのだった。

 

 






お客様が登場させられなかったですが、キリがいいのでこの辺で。

次は確実だと思います!

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