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森の生き物探し。

 青い空、その青が溶け込んだような湖、湖を囲む草原とその先には森の木々。初夏らしく日が当たる所は少し汗ばむ位の陽気だけど、木陰に入ると涼しくて心地良く過ごせる。そんな中をご機嫌でユーリは歩いていた。

 最初は自分の姿が確認し易いように、湖を覗き込んで魚を眺めていたが。日が昇るにつれて暑くなってしまったので、木陰に場所を移した。隠れてしまわないように気をつけているものの、森に来たなら見たい物があるので探していた。鳴き声はするのでいるはずなのだ、鳥が。他にもリスなどの小動物が棲息しているはず。鳥にも小動物にも魔物はいるらしいが、この辺りは危険な物はいないという。一応用心はしているけど大丈夫だろう。

 昆虫にも魔蟲という魔素を吸収する物や、植物にも魔素を吸収して役立つ薬草の他に危険な魔草もあるらしいけど。この森はそういった危険な物は排除管理されて来たそうだ。無闇に知らない植物を触るのも危険だからと言われているので注意はしている。

 薬草や無害な昆虫も気にはなるけど、ユーリの目的は鳥や小動物だった。前世から可愛い生き物が大好きで、触れ合うのが夢だった。家が洋食屋、飲食店では生き物は飼えなかったから特に。飼う余裕もなかったけど街で野良猫や散歩中の犬やスズメやハトなどの鳥にも癒されていた。

 魔法も楽しみだったけど、森なら何か生き物がいるかもしれないと思って朝食のロールパンをこっそりポケットに入れて持って来た。餌付けして、あわよくば触れ合う気満々なユーリだった。

 ちなみに小魚にパンをあげなかったのは、油分のあるパンなので水を汚さない為だ。ウズウズしたけど我慢した。


 ピピピチチチ、と鳥の鳴き声はするものの木の上の方にいるのか、小さいから葉に隠れてしまっているのか中々見えない。鳴き声に耳を澄ませて静かに探す。葉がカサッと揺れる合間に綺麗な青色がチラリと覗く。青い鳥は前世日本ではルリビタキやカワセミを見た事があったけど、それよりも深い青だった。けれど、チラリと見えただけだった。自然の鳥を餌付けするのは異世界でも無理なのかもしれない。

 前世では公園でダメだとは知りながらハトに餌付けしていた。その位しか生き物に触れ合う事は出来なかったから。割とマメに行っていたので覚えられたのか、ハトはその内に手や肩に乗るようになったし。スズメも寄って来て、手から餌を食べる事もありたまに肩に乗られていた。ヒヨドリは周りをチョロチョロして近寄っては来ないので、餌を投げてあげると空中キャッチするのが面白かった。異世界にも似た鳥はいるのだろうか。

 見失った青い鳥を残念に思いながらも、まだ探すだけの時間はあると希望を抱く。ただ意外と上を見ていた事で疲れを感じて、ふぅと息をついて木の下に座った。


 木の幹に背を預けて、湖を眺める。兄達は視界の右側にいる。離れた距離は大した事はなく、マーサと目が合ったので手を振る。マーサも笑顔で手を振ってくれた。

 兄はまだカッコいいポーズを考えているのか、手を前に突き出したり足を振り回したりしている。呪文は考えつかないのか「ふぁいあー!」と色んなトーンで叫んでいる。多分、そこに気力を無駄に使っているような気がしないでもない。先生は苦笑しながらも見守っている。体力を発散させてからの方がアドバイスを聞きそうな気もするからそれでいいと思う。男子は体を動かすのは大事だから。消耗しないと落ち着かない生き物なのだと思う。大人しい男子もいるけど、兄は典型的なヤンチャ男子だから。

 キラキラと光る湖の水面を眺めながら、木陰で心地良いそよ風に吹かれていると眠くなって来た。頑張っている兄には悪いけど、出来る事も無いので寝る事にした。

 3歳児だから仕方がない、と自分に言い訳しながらユーリは目を閉じた。

「なんでできないんだよぉ!」という兄の声、ピピピチチチという鳥の声が意識の遠くで聞きながら眠りに落ちる。

幸せな気分に微笑みながら、「しあわしぇ」と呟くと深い眠りに落ちた。

 多分、寝る子は育つ、はずである。きっと。

 




私も生き物好きなので、モフモフは出したいなと考えてはいます♪

1話が短いので10話になりました。

この先もチマチマ書いていけたらいいなと思っています☆

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