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オルレイ戦記  作者: 宅間晋作
旅立ち編
6/34

妖精死神

「えっ?」


「オルレイ。 逃げろこいつら骨の悪人の魔術師部隊だ! この十人隊に他の傭兵団は五十は滅ぼされた!」


 ライゲツがクナイをいつの間にか両手に持って敵に向かって投擲。


「やれ! お前ら!」


「「「ゴジュ!」」」


「ぐぅぁ!?」


 だがそれは悪人の骨の魔術師達の一斉同時詠唱の炎で溶かされてライゲツも爆風に巻き込まれて倒れる。


「う、うぁ?」


 意味が分からない。

 同じ人間なのになんでこんな事を行う必要があるのだろうか。


「げひひ。 いいなぁこのまま本陣に連れて帰って……あん?」


 男が剣を振おうとしたが右腕がなかった。


「たく本陣荒らすんじゃねぇよ?」


「全くだよ僕達の家なのにさぁ?」


「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 思わず男が叫んで右腕を押さえて叫んだ。


「あばよおっさん」


 そう言って言っていつの間にか魔術師隊を壊滅させた後、黒髪の少年ノヴァが男の首を斬って命を奪った。


「え?」


 オルレイは目の前の光景に開いた口が塞がらなかった。


「言ったろ戦えない奴は死ぬって」


「あっ、ああぁぁぁぁぁぁ」


 オルレイは目の前の死の恐怖に飲み込まれて発狂した。



「おいおい死体だらけだぜ?」


「……こ、こんなの」


「まじか?」


 ブリットとリーゼが戦場を駆け巡ると既に骨の悪人のメンツは死んでいた。

 首も腕も命もない数は五百はいたはずだが全て致命傷の一撃で死んでいる。


「一体何があったんだこりゃあ」


 ブリットは目の前の光景に戦慄を覚える他なかった。






「こ、これは!?」


 一方ロテナが骨の悪人の本陣に到着すると既に死体の山が積み重なっていた。

 さらに今回自分達灰の放狼団を雇った雇い主も殺されていた。


「ああ、やっほーこんにちは」


 エルフだ。

 エルフがいる。

 ロテナは生まれて初めてエルフを見るが黒いコートにとても大きな戦鎌、エルフの長耳に銀の十字架に銀髪、銀の瞳。

 銀づくしの美形であった。


「お、お前は何者だ!?」


 ロテナは冷や汗を掻いて武器である長杖をエルフに向ける。


「ワタシはカルマコロネ。 しがないエルフだよ?」


「お前がこいつらを全滅させたのか?」


「うん」


 ロテナがカルマコロネに質問するとコロネは首を縦に振って肯定した。


「な、何が目的だ?」


「目的? この石。 特別にいい物見せてあげる」


「なっ!?」


 カルマコロネが綺麗な灰色の石に魔力を込めると石が光を放ち形を帯びて一人の少女が生まれた。


「……ここは?」


 少女は全裸であった。

 十二歳くらいだろうか。

 灰色の髪に金と銀のオッドアイとても美しい顔立ちである。


「おはようございますラティリオネ様。 アデュース様が待っていますよ?」


「アデュース久しぶりね元気かしら。 ……その顔立ちはリオナの子孫ねリオナは死んだの? アルミアお母様は?」


「リオナはワタシの祖母です。 あの赤髪クソ野郎に殺されました。 アルミア様はあなた様双子を産んで死にました」


 カルマコロネは傅いて報告する。


「……そう。 案内してあのクソッタレの赤髪野郎を殺しに行きましょう」


「はい」


「ま、待て!? 骨の悪人をなんで皆殺しにする必要があった!? なんで雇い主も殺す必要があった!? そしてなんなんだお前達は一体」


「はぁ狼の獣人さん今回の事は忘れてくんないかなぁ。 たかが傭兵一団が世界の命運の戦いなんてだるいでしょ? まぁいいや、ばいばい」


 そう言ってカルマコロネは謎の少女と一緒に消えてしまった。


「……なんなのだこれは?」


 ロテナはありえない光景に思考を止める他なかった。




 



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