新たな仲間と襲撃
「……行っちゃった」
オルレイは陣地から出て行ったロテナ達を見ながら途方に暮れた。
「おい!」
すると声を掛けられて後ろを振り向くと、黒髪の少年、茶髪の三つ編みの目立つ少女、水色髪に不思議な雰囲気の服装をした少年が立っていた。
「お前戦えるのか? ここは戦場なんだ! お前みたいな足手纏いはいらないんだよ!」
すると黒髪の少年がオルレイの胸ぐらを掴んでそのまま地面に突き飛ばした。
「うっ」
そのままオルレイは地面に転がる。
「行くぞ雨! こんな戦場の知らねー奴と関わりたくもない」
「……はぁ分かったよ」
そう言って黒髪の少年と雨と言われた水色髪の少年はそのままテントの中に入って行った。
「……はぁすまないな。 あれでもあいつなりの優しさなんだすまない」
すると茶髪三つ編みの少女が声を掛けて来た。
『私は六夜雷月』
「うん?」
聞いた事がない言葉でオルレイは首を傾げた。
「ああすまん。 つい刀国語で喋ってしまう。 まだこちらの国外の言葉は慣れんな」
「国外? とうこく?」
「ああ、ここから東にある国が刀国と言ってな私はそこで生まれたからまだこちらの言葉がよく分かってないんだすまない。 改めて私はロクヤ・ライゲツよろしく頼む」
すると今度はちゃんとした言葉で返って来てオルレイはその言葉を飲み込んだ。
「えっと私はオルレイ・プリジスよろしく」
「よろしく頼むオルレイ。 さっきはすまないなノヴァが乱暴にして」
「えっとロクヤさん? ライゲツ? ライゲツちゃん?」
同じ年齢としては堂々とした態度なのでオルレイは距離感を詰める事が分からず疑問を口にする事しか出来なかった。
「ライゲツでいい家名は嫌いだ」
するとライゲツがゾッとした声でオルレイに声掛ける。
「えっとさっきの男の子達は?」
「黒髪のがノヴァ・アース。 水色髪のがリン・アメって言うんだ」
「そうなんだ」
二人の少年の名前が分かりオルレイが頷くと笛と爆発音が鳴った。
「な,何!?」
オルレイは笛の音と爆発音に驚いて辺りを見回した。
「……まずい敵襲だ」
「えっ?」
オルレイが気がつくと目の前には十人ぐらいの男達がいつの間にか現れており、地面には恐らく灰の放狼団の人物と思われる人達の死体が転がっていた。
「ヒュウ。 上玉じゃねーか」
そう言いながら男達が剣を抜いて舌舐めずりしながらオルレイ達を見ていた。