第34話 砂塵の残党
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康の部下達が動いている頃、圭流達はなにもしていない。
「そうか。黒ガマ達は勝利したか」
勝利を知って圭流は喜んでいた。
「戦闘しかできない者達はこういう時、役に立ちますね」
側近達は戦闘が嫌いな上流階級なので黒ガマ達を見下している。黒ガマ達は仕事なので圭流達のために戦っていない。
「黒ガマはバカなやつだ」
黒ガマがなにも知らずに戦っているので圭流はバカにして笑った。
「自分の故郷を滅ぼしたお方を知っている私に仕えて、よく働いている」
圭流達は黒ガマの故郷を滅ぼした者を知っており、その支配下にいることを隠していた。
「砂塵の残党が動くので康と黒ガマを片づけてくれます」
側近達は悪い笑みを浮かべた。まだばれていないが、ばれると大変なので黒ガマも殺そうとしている。
「早く康と黒ガマの首を見て安心したい」
康と黒ガマが死ねば殿坂家は安泰なので圭流は二人の死を望んでいる。
黒ガマは味方が殺そうとしていることなど知らずに敵と戦闘をしている。しかし、この部屋には星奈が放ったクモヒトデが隠れており、圭流達の話を録音していた。
◇
圭流達が洋館で話をしている頃。殿坂家の近くにある荒野。カーキ色の盗賊のような者が集まっていた。
「殿坂家のピンチだ!! 敵を倒して、黒ガマを殺すぞ!!」
頭の男がいるが、盗賊とは違う感じと武器だった。
この連中が砂塵の残党で殿坂家の戦力ではない。黒ガマの故郷を滅ぼしたお方が配置した部隊で殿坂家ではどうすることもできないことが起きた時、動くことになっている。
どこの所属でもないゴロツキということになっており、悪い仕事をさせてもばれない。
今回は黒ガマが康を殺したら、彼女も殺して手柄を横取りしようとしている。
「いくぞ!!」
砂塵の残党は移動した。荒野の砂だけでなく砂埃を出す能力があり、砂埃で姿を隠している。
「なんだ、あいつは?」
進んでいると虎夏と陰子がいた。陰子が巨大ミノカサゴに変身して飛び、虎夏をここまで運んだ。
「ぶっとばしてやる!!」
康の命令で砂塵の残党を倒しにきたので虎夏は突っ込む。
「敵だ!! 攻撃開始!!」
自分達の邪魔をする者は敵と判断し、頭の命令で移動しながらマシンガンを連射する。
「砂埃がすごい!! 砂が口に入って目も痛い!!」
砂埃で視界が悪いが、マシンガンの弾を弾きながら進んで敵を殴った。体を破壊するパンチなので、くらった相手は死んだ。
「おのれ!!」
敵は砂埃を出して姿を隠しながら剣や槍で攻撃する。視界が悪くても敵がくるので、かわしながら殴りとばして減らしていく。
数が減って砂埃がなくなっていき、周りが見える。
最後の敵を殴り倒し、砂塵の残党は全滅した。パンチだけで全滅させ、壊れた死体が転がっている。
虎夏が戦闘をしている時、陰子は巨大ミノカサゴに変身して、砂塵の残党のアジトを探していた。
アジトを見つけた巨大ミノカサゴは口を大きく開けて、アジトを壊しながら吸い込む。口を閉じると爆発し、アジトはもう使えなくなった。
虎夏と陰子はこの荒野を確保するために待機した。新しい敵や援軍がきたら対応し、殿坂家への攻撃に移ることもできる。
砂塵の残党は攻撃されたことを連絡していないので圭流達はなにも知らない。
砂塵の残党はゴロツキのフリをしている無所属の秘密部隊です。
「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「非正規団員の小事件集」も連載中です。
 




