第31話 奇跡の生き残り
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先行部隊がやられた後。トランプの騎士隊と雑兵蟻が無力化されたので康達は進行をやめていた。
「あの女傭兵か。なかなかやるな」
先行部隊がやられたことを知って、康は怒りながら感心している。キャンプ用のテーブルと椅子があり、赤のジョーカーと黒のジョーカーも座っていて、月理は三人の前に飲み物を置いた。
「あのようなことを思いつくとは。康様。まともに戦闘をしても同じようにやられるので策を考えて攻めた方がいいです」
赤のジョーカーは敵のやり方に感心しており、進言した。
「そうだね」
ゴスロリ男の娘は冷静になった。康と赤のジョーカー、黒のジョーカーは作戦会議をした。
「殿坂家のまともな戦力は傭ヘドロと黒ガマとかいう悪党だけだ」
この二人の活躍で先行部隊がやられたので康はそれ以外の戦力はどうにでもできる。
「傭ヘドロは元玩無身で無数の能力を持ってる実力者ということは分かってるけど黒ガマは情報不足だ」
戦闘をしたことがある傭ヘドロのことは分かっているが、初めて戦う黒ガマのことは分からないことが多い。
「黒ガマのことを調べてきました」
黒ガマのことを調べていた星奈が現れた。
「よくやった。どんなことが分かった?」
康達は彼女が手に入れた情報を聞く。
「情報が少ない人物で調べるのが大変でしたが分かりました」
情報が少ない人物で調べる情報がなかった。しかし情報が少ないという特徴があったので、そこから調べて分かった。
「黒ガマの本名は刀堂 油刃。つくしばにあった隠れ里の出身で生き残りです」
「つくしばにあった隠れ里。忍者などを育成していたところ」
ゴスロリ男の娘は隠れ里のことを知っていた。荒場木の中心地 つくしばの山奥にあった隠れ里で謎の敵に滅ぼされた。
隠れ里の出身なので黒ガマの個人情報は少なくて、秘匿されていた。
「隠れ里が滅んで黒ガマは殿坂家に拾われて仕え、生活のために働いています」
「そうか。黒ガマは故郷が滅んだ理由を知らないようだな。知っていたら殿坂家に仕えないはずだ」
星奈の情報で黒ガマのことが分かり、彼女の故郷が滅んだ理由を知っているので、笑みを浮かべた。
「傭ヘドロとは戦うことになるけど黒ガマは殿坂家から離すことができる」
少し恩があって忠誠心がない黒ガマなら故郷が滅んだ理由を知れば殿坂家から離れるだろう。
「殿坂家に教えてやる。周りから削られることを」
康は力攻めをやめ、力を温存して策略で攻めることにした。そのために部下達を呼び、それぞれに仕事を与えた。
いくら傭ヘドロと黒ガマが優秀でも全体を把握するのは無理だった。その仕事をする圭流と側近達は無能で負けている。
油刃の名前はガマガエルと油です。
「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「非正規団員の小事件集」も連載中です。
 




