第30話 復活封じの石化
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次の日になり、康は殿坂家を攻めるために移動している。戦艦で移動せず、トランプの騎士隊と雑兵蟻達とともに地上を移動し、朝になって活動している領民達に恐怖を与えていた。
「先行部隊!! 敵がくる前に陣地を確保しろ!!」
敵の陣地で戦うので陣取りを行うために先行部隊をいかせる。
「「「はい!!」」」
康の命令でクラブのトランプの騎士隊と少数の雑兵蟻が先行した。康と本隊は休みながら、ゆっくり進む。
殿坂家は池や沼、森が多く、先行部隊は陣地になりそうな場所を探す。警戒していると突然、沼から大きな黒いガマガエルにまたがった黒ガマが出てきた。
「敵だ!!」
トランプの騎士隊は驚き、マシンガンを構えた。
「いくぞ、ヘケト!! 大変化!!」
黒ガマが巻き物をヘケトに押しつけると体が金属になり、機械の黒いガマガエルになった。
「撃て!!」
クラブの一の命令でマシンガンを連射し、雑兵蟻達は光線を発射した。
黒ガマは背中の黒い刀を抜き、ヘケトは跳んでかわした。トランプの騎士隊と雑兵蟻達は攻撃しているが、跳びながら移動しているので当たらない。
跳んで移動しているヘケトから落ちないように乗っており、敵を斬っていく。
斬られたトランプの騎士隊は復活し、雑兵蟻達は卵を産んだ。
「面倒な敵だ」
傭ヘドロから聞いていたので冷静な彼女は倒しても意味がない敵達を攻める。
トランプの騎士隊はマシンガンをしまい、剣を抜いて構えた。しかし、ヘケトで移動している黒ガマの刀攻撃で一方的にやられている。
ヘケトは雑兵蟻にかぶりつき、口でつぶしながら食べた。
「でかい虫はヘケトの好物だ」
機械の体でも食べることができ、消化できる。お腹の中で卵を産んでも一緒に消化するので雑兵蟻を減らすことができる。
「うわあ!!」
雑兵蟻だけを食べるのは無理なのでトランプの騎士隊も食べた。食べたトランプの騎士隊は外で復活した。
「こいつらは消化しても減らない」
雑兵蟻と違い、トランプの騎士隊は死ねば外で復活するので減らすことができなかった。
「ヘケトですべてを喰うのは無理だな」
いくらヘケトでも雑兵蟻をすべて食べて減らすことはできない。
「傭ヘドロ!! 作戦開始!!」
「了解!!」
沼からヘドロが出て、傭ヘドロになり、黒ガマは倒しても意味がない敵をけちらしていく。二人はここで待ち伏せをしていて、傭ヘドロはトランプの騎士隊と雑兵蟻に対抗する作戦を用意していた。
「石化多!!」
手の平から水色の光線を発射し、敵を石化した。
「なっ!?」
クラブの一は石化した味方を見て驚いた。マシンガンや光線で攻撃しても傭ヘドロにダメージはなく、黒ガマが攻撃して妨害した。
石化能力でトランプの騎士隊と雑兵蟻達は石になり、動けなくなった。
敵をすべて石化したので傭ヘドロは笑みを浮かべた。
「死ねば復活し、卵を産む敵なら死なないように動きを止めればいい」
石化能力で敵を生かしたまま無力にする作戦だった。冷凍能力だと凍死して復活してしまう可能性があるので石化能力を採用し、調整した。
作戦はうまくいき、トランプの騎士隊と雑兵蟻達は復活できず、卵を産むことができない。
「よし!! 出てこい!!」
傭ヘドロの命令で団員達が出てきた。二人だけでなく、団員達も隠れて待機していた。
「こいつらをコンテナの中に入れろ!!」
このまま放置しておくと石化を解除されてしまうので傭ヘドロは団員達に命令した。
戦闘ではない荷物運びの命令なので団員の中にはむかついている者もいるが、慎重に運んだ。
「壊さないように運べ!!」
壊れると死ぬのでトランプの騎士隊が復活するかもしれない。壊してはいけない恐怖があり、団員達は隠していたコンテナの中に石化したトランプの騎士隊と雑兵蟻達を入れた。
コンテナに全部入れて閉め、団員達は周りを警戒し、コンテナを守る。
「またきたら同じように石化してやる」
傭ヘドロの作戦勝ちで先行部隊はやられてしまった。この方法が広がり、勝利したので殿坂家の戦力は恐怖がなくなった。
先行部隊の敗北を知って、康は怒り、トランプの騎士隊はクラブがいなくなった。
状態異常でリスポーンなどを封じる作戦です。
「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「非正規団員の小事件集」も連載中です。




