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第24話 奪取の斬首

 ◇


 針船長が破裂して、団員達が敗北した頃。波武は自分の館の広い部屋におり、椅子に座っていた。貴族を集めて演説などをする場所なので、かなり広い。


「針船長とバッカスルメはなにをしている! 朝になっても豊希を捕えた報告がないとは!」


 なんの報告もなく戻ってこないのでいらついている。海賊とクラーケンの肴は全滅したので報告することができず、波武は敗北したことを知らない。


「やつらは全滅したから戻ってこないよ」

「何者だ!?」


 波武は無礼な声に驚いた。ゴスロリ男の娘がゆっくり歩いて彼の前に現れた。


「康!!」


 敵が現れたので驚いて立ちあがった。


「なぜここに!?」

「お前の団員達を倒してきた。甘瓜家に送った海賊とクラーケンの肴も倒した」

「そんなバカな!!」


 信じたくないが、康がここにきて、海賊とクラーケンの肴が戻ってこないのが証拠で、敗北したことを知って波武は動揺している。


「やつらと同じようにお前も殺す。豊希を狙った報いを受けろ」


 春也を支援し、海賊とクラーケンの肴に指示を出した貴族連合の代表なので許さない。


「敵が侵入したぞ!! 康だ!! 討ち取れば好きなだけ褒美を与えるぞ!!」


 康を殺せば勝利と思っており、波武は見苦しく騒いだ。しかし、いくら騒いでもだれもこない。


「無駄です。あなたを助ける者はいません」


 月理と星奈が現れて、護衛の死体を見せた。月理が星奈を助け、一緒に護衛を片づけた。

 だれにも気づかれずに侵入したので館にいる他の者は主の危機を知らない。

 波武は悔しさで顔が歪んでいるが、このままでは殺されるのでひきつった笑みを浮かべる。


「待て、康」


 友好的な態度になり、命令するようにいった。面白そうなのでゴスロリ男の娘は彼の話を聞くことにした。


「私を殺しても、なんの得にもならないぞ。春也のように支援してやるから助けてくれ」


 降伏はプライドが許さないので命乞いのような交渉をした。


「お前が海賊とクラーケンの肴の代わりとなって働き、私が褒美を与える。それでいいだろう?」


 下になるのが嫌で康を部下にしようとしている。おめでたい敗者の戯言で月理と星奈は怒っており、康は呆れている。


「いいわけがない。お前を殺して、すべてを手に入れた方が得だ」


 どんなに命乞いや交渉をしても波武は殺すことにしている。生かしておく意味がなく、海賊とクラーケンの肴を動かした者なので死ぬ責任がある。


「名門 船堂家のこの私がこれほど交渉してるのに」


 交渉の余地がなく波武は怒り、屈辱で顔が歪んだ。


「戯言は終わりだ。死んでもらう」


 康の命令がなくても月理と星奈は察して、素早く動き、波武を捕えた。


「無礼者ども!! この私をだれだと思ってる!! お前達ごときが触れるな!!」


 女性二人でも康の部下なので喚いて抵抗する。身分だけの弱い貴族なので力がある彼女達を振り払うことはできなかった。


「ほざけ。これから処刑される愚者」


 勝者には敗者の処遇を決める権利があり、康が処刑を決めたので彼はもう貴族連合の代表ではない。

 ゴスロリ男の娘の前までつれていかれ、二人が押さえつけたので、ひざまずいた。

 康はスカートの中に手を入れ、剣を出した。


「待て!! 私が下になるのは無理だが対等ならどうだ!?」


 剣を見て波武はおびえているが、それでも康の下になるのは嫌だった。


「鮟鱇田のすべてを与えてやる!! ともに鮟鱇田を治めよう!!」


 対等な関係になって利用し、チャンスがきたら殺すのが分かっており、必死の命乞いを無視した。


「貴族連合は私に任せて安心して死ね」

「うわああああああ!!」


 ゴスロリ男の娘は笑って剣を振り、死ぬと思っていなかった波武は死の恐怖で叫んだ。

 首は斬れて床に落ち、うまく斬ったので血は出なかった。死んだので月理と星奈は体をはなし、体は倒れた。

 貴族連合の代表でも、どうでもいい小物を殺したので喜びなどない。


「これで私が貴族連合の代表になった。あとは鮟鱇田の貴族どもだ」


 康は貴族連合の代表になったが、波武に従う鮟鱇田の貴族達は知らないので教える必要がある。



 

 波武の名前は船頭と船長の名前です。

 「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「非正規団員の小事件集」も連載中です。

 

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