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第2話 兄の勢力

 団員達は止まり偉そうな三人の男がいた。


「康」


 短い黒髪の青い団員服姿で温厚な冴えない感じの中年男性がゴスロリ男の娘を見ていた。


「遅かったな、兄上」


 彼の名前は魚安うおやす 春也しゅんや。名門貴族 魚安家の長男で康の兄だ。


「今頃きても、もう敵はいないよ。私達が片づけた」


 遅れてきた兄と部下達をバカにして笑う。


「そ、そうか。さすが我が弟だ」


 春也はバカにされたのが面白くなく生きている康を見て嫌な顔をし、団員達は怒りを我慢し康を睨んでいる。


「まあ兄上には家庭があるので、あまり無茶はできないな」


 弟と違って兄には妻と子供がいる。


「そういえば、お前達、息子にひどいことをしたな」


 冴えない顔から怒りの顔になり康と霞を睨んだ。身分が低い霞はなにも言わず顔を背け、康は嫌な顔になった。


「ひどいことって躾だよ。あの可愛くないクソガキが部下達を使って霞になにかしようとしたので私が叩いただけだ」

「クソガキだと!?」


 家庭を大事にし、息子を愛している春也は息子を叩き、侮辱して悪いと思っていない弟の態度で怒りが増した。

 春也の息子は次期当主の康をよく思っておらず彼と仲がいい霞を痛めつけようとした。康が駆けつけて息子を叩き、霞は部下達を攻撃し恐怖を与えた。部下達は生きているが二度と動けない寝たきりのダメージを受け殺意に満ちており息子の康への憎しみは大きくなった。


「兄上もちゃんと息子の躾をしてくれ。私に従えば親子仲よく幸せに暮らせるようにしてあげるよ」


 いくら兄でも次期当主なので部下のように扱う。自分だけでなく息子まで当主になれないので屈辱だった。


「まだ康様が当主になったわけではありませんので春也様にそのような態度をしない方がよろしいですよ」


 青い団員服姿の鬼のような強面の中年男性が話し、ゴスロリ男の娘を蔑むように睨んだ。

 彼の名前は磯木いそき 銀知雄ぎんちお。魚安家ほどではないが磯木家いそきけの当主で春也の忠臣だ。春也に忠誠を誓っており康のことを嫌っている。


「そうだ」


 銀知雄のそばには短い水色の髪の若い男性団員が見下すような態度をとっており、スタイルがいいイケメンが台なしだった。

 彼の名前は磯木いそき 要七ようしち。銀知雄の息子で磯木家の次期当主だ。親子で春也に仕えており父と同じで康を嫌っている。

 康が産まれなければ春也が当主になっていたので主の妨げになっている彼をよく思っていない。康とは仲が悪く仕える気などなかった。


「腰巾着親子が。私が当主になることは絶対だ。そうなったら、お前達は僻地に送ってやるから覚悟しておけ」


 康は春也の時以上の嫌な顔をして磯木親子を睨み侮辱した。次期当主ではない兄に仕え兄を当主にしようと嫌がらせをする磯木親子を実兄以上に嫌悪しており当主になったら真っ先に刷新しようと思っている。


「なっ!?」


 銀知雄と要七は怒り腰の刀に手を伸ばそうとし霞は康を守ろうとした。二人は春也を見て我慢し刀を抜かなかった。


「この無礼者ども!! お前達の顔など見たくない!! 目障りだ!! 私の前から消えろ!!」

「こちらもこんなところにいたくないので失礼します!」


 ゴスロリ男の娘に怒鳴られた二人は不愉快になり康から離れるように移動した。


「兄上。息子だけでなく部下達の躾もちゃんとしてくれ」


 呆れながら春也にいった。


「あ、ああ。すまない、康。それじゃあ私達も失礼する」


 すまないと思っていない表情の兄はこれ以上弟と話したくないので団員達とともに移動する。兄達のことなどどうでもよく嫌いな相手がいなくなったので二人の表情はよくなった。


「霞はこれからどうする?」

「海を泳いで哨戒をして親父のなわばりの港や寿司屋を見るよ」


 霞の父はこのへんの海関係を治めている富豪で彼女は海を泳ぎ、巨大害魚や密漁船を探し、なわばりの港や店の働きなどを調べている。


「そうか。私は街の哨戒をして婚約者のところへいくから別々だな」


 康は陸の哨戒をしようとしている。


「それじゃあ!」

「ああ」


 二人は別れ、霞は海へ走り跳びこんで泳いだ。泳ぐのが得意な彼女はとても速く、見えなくなった。


「私も哨戒だ」


 ゴスロリ男の娘は移動し停まっている大きなメロンの馬車へ向かった。メロンの馬車に乗って座ると機械の馬が歩いて馬車を引く。機械の馬が自動で街へ向かい歩くので康は優雅に哨戒ができる。次期当主の彼を狙う者もいるのでメロンの馬車は頑丈で中にいれば安全だ。

 魚安家の兄弟は最悪の仲で周りも仲を修復するという無駄なことはしなかった。それによって今夜、最悪なことが起こった。

 春也の名前は鰆と出世魚。銀知雄と要七の名前はイソギンチャクと腰巾着です。

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