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魔術の適正な使用に関する法  作者: よしよし
6/6

異世界等からの転入者の魔術使用に係る対応について(事務連絡)

異世界転生者等に対する法の運用例


×年×月×日

魔術省適正化啓発局長 ×× ××

各警邏担当部局長殿


   異世界等からの転入者の魔術使用に係る対応について(事務連絡)


 各警邏担当部局には、日頃から標記についての御協力をいただいているところです。

近年、異世界等からの転入者が、転入直後に、本省の許可なく魔術を行使するケースが増加傾向にあり、中でも大規模な特殊魔術の行使が深刻な社会問題となっています。

 つきましては、下記について今一度貴局所属職員に周知いただき、転入者の魔術行使前の保護に御尽力いただきますようお願いいたします。


                    記


1 目的

 異世界等からの転入者が連合国の許可を得ない魔術を行使する前に接触することで、転入者の近隣区域及び近隣住民の保護を目的とする。


2 対象となる転入者

 連合国内において、以下に該当する者

  (1)他の世界で生を受け、引き続き肉体を有した状態でこの世界に転入した者

  (2)他の世界で生を受け、精神体のみこの世界に転入した者

  (3)この世界で生を受け、連合国の成立前又は解体以降の時代から、引き続き肉体を有した状態でこの時代に転入した者

  (4)この世界で生を受け、連合国の成立前又は解体以降の時代から、精神体のみこの世界に転入した者

 ※(3)(4)については、連合国民としての住民登録を受けていない状況であることから、転入者として取り扱うものとする。


3 対応

 転入直後に対象者へ接触し、魔術の適正な使用に関する法の趣旨説明及び身柄の保護に努めるものとする。ただし、2(2)及び(4)のうち、こちらの世界の生命体に寄生した者については、同居家族等との関係に十分配慮して対応をすること。この場合、必ずしも即時の身柄の保護は必要ないものとする。

 ※なお、2(2)及び(4)のうち、精神体のみ転入し、かついずれの生命体にも寄生しなかった者については、連合国の住民登録に関する基準に満たず、法の適用対象とならないことから、勧告のみに留める。


4 留意事項

 (1)転入者の性質によっては接触直後に交戦状態となる恐れもあることから、対応者は必ず魔術道具(魔力キャンセラー)を携行すること。

 (2)転入者と関わりのある者に対する、転入した旨の情報開示は、転入者自身の意志に基づき行われる。対応者の行動により転入者の周囲に露見することのないよう、注意すること。

 

                            以  上



=====転入者への説明用リーフレット 一部抜粋=====


この世界には、あなたたち「人間」のほか、あなたたちが「亜人」と呼称する存在も生き生きと暮らしています。※1

また、一定の知性及び社会性※2があり、共通言語での意思疎通が可能かつ、寿命と共に活動を停止する肉体を持つ全ての種族※3は、居住地の自治体への住民登録が義務付けられます。


全ての住民は納税の義務を始めとし、法律、条例等に基づいた様々な義務を負います。


この魔術の使用に関する法律も、魔術を使用する全ての住民が履行すべき当然の義務の一つなのです。



※1 「亜人」は「人間」を基準とする世界の価値観ですので、この世界では通常どちらも用いません。

※2 「住民登録に関する基準」により、その種族が住民と認める一定の知性及び社会性を有しているかを判定します。

※3 不死の者、肉体を持たない者、肉体が朽ちた後に意思だけ残った者等については、住民と認めません。また、交換可能なパーツを整備することにより、理論上生存が可能となる、肉の器を持たない者については現在住民とは認めません。しかしこれらのことは、国際機関から意思ある者の権利を拡充する旨の勧告がされたため、今後の検討課題です。

法に基づく技術的助言がされている設定ですが、残念ながら当該事務連絡作成時点では技術的助言に関する法整備がされていない(未執筆)という。

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