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【漫才】熊を撃退

作者: 紫生サラ

ボケ・ツッコミ「どうもこんにちは〜!」


ボケ「聞いてくださいよ、実はこの前山登りにいったんですけどね」

ツッコミ「えっ? インドア派のあなたが山登りとは珍しいですね!」


ボケ「いや、運動不足解消のためにね、健康のことを考えて最近色々運動をはじめているんですよ」

ツッコミ「ああ、いいですね。やっぱり運動は体にいいですから」


ボケ「それでね、山に行ったら驚いたことに熊に遭遇してしまったんです」

ツッコミ「熊に!? それは大変だ! よく無事でしたね! ああ、そうか、熊に遭遇したと言っても遠くの方にいる熊を見つけたということですね?」


ボケ「いえいえ、熊と私との距離3メートル」

ツッコミ「3メートル!? どうしてそこまで気が付かなかったのか不思議の領域!」


ボケ「そのうえ熊と目が合って」

ツッコミ「目が合うの!? 3メートルの距離で! 熊と!? もう危険しかない!」


ボケ「そしたら熊はおもむろに立ち上がる」

ツッコミ「ええ!? もう臨戦態勢じゃないですか!」


ボケ「もう逃げるわけにはいかないじゃないですか。もし背中を見せようものなら、その爪でバッサリ! エナジードリンクのロゴみたいな爪あと残されて、翼を授かり昇天確実」

ツッコミ「エナジードリンク好きだな」


ボケ「熊の右手が振り上がる! 逃げることもできない私は、その手を見ながらふと家に全巻揃っているボクシング漫画を思い出す」

ツッコミ「えっ、まさか!? ここで熊にボクシングで?」


ボケ「いじめられっ子がボクシングに出会って、強くなっていくあれ、うーんタイトルなんだっけかなぁ?」

ツッコミ「その流れのボクシング漫画いっぱいあるよ!? っていうか、タイトル思い出してる場合じゃないでしょ!?」


ボケ「そう言えば、ボクシング漫画に影響を受けて、家で一人シャドウボクシングしったっけ」

ツッコミ「ジムに通ったんじゃなくて?」


ボケ「そう、こんな感じでワン・ツー、ワン・ツー! あれ、ワンの時は左だっけ? 右でよかったんだっけ?」

ツッコミ「どうでもいいわ! 今その疑問はどうでもいい!」


ボケ「熊の前で練習をしてから……」

ツッコミ「熊の前で!? ないない! 時間ないよ! 熊はもう右手を振り上げているんでしょ!?」


ボケ「いえ、最初の攻撃は私の華麗なスウェーバックで躱しています」

ツッコミ「スウェーバックで!? あのボクシングとかで上体を反らして躱すテクニックの? すごいじゃん!」


ボケ「まあ、避けすぎて思わずその場に座り込んでしまいましたけどね」

ツッコミ「それ、ビビって尻もちついただけでしょ」


ボケ「ぼやぼやしていると二撃目が来る。濡れたズボンを気にしながらすかさず立つ」

ツッコミ「うん? 雨でも降ってたの?」


ボケ「いや、雨は降っていないし、地面も濡れてはいなかったんだけど、なぜかズボンが濡れていて」

ツッコミ「ビビって漏らしてるじゃんか!」


ボケ「もうあとには引けない、私は殺傷力の高い必殺の殺人パンチを、いや必殺殺熊パンチを繰り出そうとファイテングポーズをとる」

ツッコミ「もう『殺』が多いよ、何回殺す気なの?」


ボケ「私の鬼気迫る様に恐れをなしたのか、熊は逃げていったんです」

ツッコミ「はあ、まあよかったですね」


ボケ「ええ、少しアクシデントがありましたけど、無事に撃退することができました。それにしても熊なんてネットの画像でしか見たことがなかったんですけど、本物はやっぱり迫力がありますね。これ、戦意を喪失して逃げようとする熊の写真です。記念に撮影しておきました」

ツッコミ「ふーんって、これ、たぬきですけど?」


ボケ「えっ? 熊でしょ?」

ツッコミ「いやいや、顔とか、体つきとか全然違うし、そもそも大きさが全然違でしょ?」


ボケ「大きさ? いやでも、ネットの画像検索で見ると同じくらいに見えますよ?」

ツッコミ「アップになっている画像を見てるからだよ! インドア派もたいがいにしとけ! もういいよ!」

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