表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始・STAGE2 of player  作者: 泉 碧惟
4/7

03話 最高の相棒


『人間を確認…完了しました。』




『使用許可を確認…(ゆかり)を確認しました。』




『続いて指紋を確認…前世が"ヴィクト"である為、USLウルトラスキルレベルを最大のLv5に引き上げます。』




『よってUSLの知識を全て注入…成功。』




 え?え?

 ちょいちょい何言ってんの?


 なんかヴィクトって言うのもバレてるし。

 ちなみにヴィクトってのは俺の前世の名前だ。


 そんな事も分かるんだ。最新(多分)の技術ってすげーな。


『これにて終了しました。』


 あーあ。終わっちゃった。


『聴こえますか?』


「うおっ!?」


 なんだなんだ。さっきと同じ様な女性の声が聴こえたぞ。


 とりあえず返事をしなきゃダメだよな。


「はい聴こえています。」


『そうですか。』


「……………………」


『……………………』


 いや自分から聞いといてその返事かよ。


『すいません』


 あ。言葉にしなくても聴こえているのね。


『勿論です』


 もち…ろん?


 自信満々ってほどでは無いが、即答するお方。


 あなたは誰なんですか?


 『私は我が君特有のこの世界にたった三個しかないUS(ウルトラスキル)の一種です』


 ?????


 順を追っての説明を頼む。


 『? 了解しました。まずUS(ウルトラスキル)についてですが、先程も言った通り、この世界にたった三個しかないスキルランクのことを示します』


 確かに言っていたな。たった三個のなんとかかんとかって。

 にしても、なんで俺が今それを獲得したんだ?


『封印を解いたからです』


 封印?俺なんかしたっけ?


『はい。指を当て、封印を解きました』


 あー。あの指紋認証みたいなやつのこと?


『その通りです』


 なるほど。それで?


『その後、私が前世を調べました』


『我が君が神殺しと名高い()()()()であった為、USL(ウルトラスキルレベル)を最大まで上げました』


 人聞き悪いな。俺は神がどーしても許せないだけなのに。

 てか俺まだ一人も神殺してないよ?なに名高いって。煽りですか?


『否』


 ……………。

 俺は小馬鹿にされているような気分になったが、水に流すことにした。


 それで?US(ウルトラスキル)の三個には何があるの?


『一つ目はその今手に持っている筒状の剣の所有権です』


 封印を解いたやつね。

 2つボタンがあったから1個は封印解くやつとして、もうひとつ気になってたんだよね。


 ポチッと



 ブォーン

 


 銀色に輝く持ち手から紫色の光線が走っている

 

 これあれだな。ビームソードとか呼ばれるやつだ。

 めっちゃ軽いし、剣を持っている気にならないな。

 これ、強いの?


『切れないものはありません』


 へ?まじ?

 でも漫画とかだと何でも切ってるよね。

 試しに岩でも切ってみるか


 真横にあった自分の身長ぐらいの高さの岩は真っ二つにきれた。

 ()()()はずるずると言いながら()()()から落ちてしまった。


 ガチモンだ。これ。

 これが一つ目ってことでいいんだね?


『はい』


 こんなようなのがあと二つもあるのか。恐ろしいスキルだこと。


 『二つ目は《創造神(クリエイター)》です。』


 『この世に存在する魔力という魔力を自由に創造できます』


 分かりづらすぎるだろ!

 なにか例を出してくれ。


 『了解です。剣を想像したとしましょう。そうすると空間中にある魔素という魔素がその願いを届けます。』


 なるほど。わからん。

 まあ百聞は一見にしかずっていうしやってみるか。


 えーと。剣を想像してっと。


 おー!


 まさに俺の思い描いた剣が右手にあった。


 魔力で創ったからかは知らないが、とてもギラギラしていて眩しい。


 右手にあるのは剣は手に持つものと考えていたからであろう。


 なあ。剣の色って変えること出来るの?


 『可能です』


 どうせ想像すればいいんだろ?


 んー何色にしよう。さっきのビームソードの色紫だし紫にしよーっと


 うぉー。さっきと同じ色だ。


 太陽のようにギラギラ光っていた剣が、落ち着いた紫色の剣になった。


 あのー。もしかしてなんですけど、これも何でも切れます?


 『可能です』


 ………………。


 このスキルやべぇな。

 つまり、元々多少ながら操れる魔力をもう自由自在にドンパチできるってことか!

 待てよ待てよ。()()するんだよな?

 てことは何も手に持っているだけじゃ勿体ない


 飛ばせるじゃないか!


 魔力を集結して創る玉とかどっかの元〇玉みたいだな。


 んで、それは何でも貫くと。


『正解です』


 クックックック面白いことになってきた。

 あとはー。あ!ビームも出せるじゃん!目から出してやろうかな。


 ……。最強のバリアも創れる!貫けるということは何よりも硬いってこ


『体の皮膚に結界を創ります。』


 む。遮ってまで言うものか。有頂天だったのに。



 あれ。なんか体が浮いている気がする。

 痛みはない。感触だけがある。下から突き上げられている感触だ。


 …。心当たりがある。入口に居たデカい蛇である


 よっと。宙に浮いた体が地面に着いた。


「やっぱりそうじゃねぇーか」


 そこには見覚えのあるデカい蛇がいた。

 

『結界がなければ致命傷でした』


 声に感情は乗っていないが、ものすごくドヤ顔しているのがわかる。


 すいませんでした。


 謝ったことだしこいつを倒すか。


 どうやってこの蛇倒そうかな。

 やっぱりビーム?それとも元〇玉?


 ビームにしよっと。なんかそっちの方がかっこいいし。


 手のひらを相手にかざし、ビームを想像する。

 手のひらは要らないだろうが、そっちの方がぽいのである。


 ズドーン


 あら。木っ端微塵に弾け飛んでしまった。

 恐ろしい。

 さっきまでいたデカい蛇がいなくなってしまっている。

 …。わるい。スキルの話の途中だったよな。

 何事も無かったように振る舞うことにした。


『はい。そして最後の三つ目のスキルはこの私、《イア》です。』


 『これらは我が君の願いから造られたものであります』


 あなたイアって言う名前だったんだ。


 イアってことはIAで、反対から呼んでエーアイってか。

 まあ人工知能みたいだもんな。


 そんでもって願いだぁ?なんか俺願い事したっけ?


『はい。神を殺したいという願いです。』


 なるほどな確かに俺はいつでもそう願っている。

 

『信念は強いですがそのままでは神に勝つことは到底不可能でしたので。』


 いらないだろその言葉!


『すいません』


 ったく。


 でもUSLは最大Lv5なんだろ?なんで三つしかスキルがないんだ?


 『Lv2とLv4は休憩みたいなものです』


 『そのためこれと言ったスキルは存在しませんが、体力や攻撃力といった身体の飛躍的向上ななどがあります』


 ってことは俺走るの早くなってる?


『はい』


 よし。これで目的地に着くのも早くなっているはずだ!




 思わぬものを収穫したな。

 きっと今での人生及び今世の日頃の行いだろう。



 とりあえずこの洞窟から出よう。


 結局この洞窟の()()()()がなんだったのかは分からない。

 イアに聞こうとしたがやめといた。知ってるわけないかと思ったからである。


 外に出るとあたりはもう真っ暗だった。

 随分(ずいぶん)と長く中にいたらしい。


 身体能力の向上見してもらおうじゃないか。


 バヒュン


 え?え?


 はっや!


 瞬間移動じゃん。軽くソニックブーム出てるんじゃないの?


 これは本気で走るのはやめておこう。


『…。』


 ん?どうした?


 そう言えばお前理性あるの?


『無いです』


 …。いや絶対あるだろ!俺でも分かるわ!


『無いです』


 あー。はいはい。そうですね。

 俺はもう諦めた。この言い争いに勝てる気がしないからだ。

 あってたとしても別に問題ないしな。

 あ。でも隠し事はやめてくれよ?


 『そんなことは()()しません』


 なんだ多分って!ホントにしそうで怖いよ。


 そんなことを話しながら目的地までの荒野をありえないスピードで駆け抜けていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ