"ハジマリ"と"オワリ"と"コレカラ"
主たる創造者は7つの"種族"を創造した。
主たる創造者は7つの種族間の争いを嘆き、ラグナロクを起こした。
主たる創造者は残った各種族の長に、7つの"耳飾り"を創造し、与えた。
主たる創造者はそれぞれの種族の力の差をなくした。
主たる創造者が与えた耳飾りは新たなる争いを生んだ。
主たる創造者は悲嘆の声を上げた。
主たる創造者は自身が想像した世界を見捨て、空の彼方に消えた。
主たる創造者が消えたことによる悲しみ、重圧からの開放によるさらなる争い。
新たなる創造者の降臨。
新たなる創造者は一つの種族を生み出した。
新たなる創造者は新たなる種族に自身の"血"を与えた。
新たなる創造者は消えた。忽然と。
「"黒"く塗られた"嫉妬の耳飾り"を与えられし"魔族"」
「"赤"く焼かれる"憤怒の耳飾り"を与えられし"竜族"」
「"白"く渇望する"怠惰の耳飾り"を与えられし"神族"」
「"金"色に焦がれる"強欲の耳飾り"を与えられし"ドワーフ"」
「"銀"に輝き謳歌する"傲慢の耳飾り"を与えられし"人間"」
「"翠"に浅ましく"暴食の耳飾り"を与えられし"サハギン"」
「"躑躅"に卑しく"色欲の耳飾り"を与えられし"エルフ"」
そして新たなる創造主の血液をあたえられし"巨人"
世界は栄華を極め、栄華に溺れ、栄華に散った。
7つの種族と1つの種族は争い、絶え間なく血が流れた。
"神族"・"巨人"・"人間"を除く5つの種族は、その皮肉な耳飾りとともに歴史の彼方に消えた。
やがて3つの種族は争いをやめ、ともに生きるものが現れた。
しかし、芯にあるのは争いの性。
主たる創造主、及び新たなる創造主は "戻らなかった"