エピローグ 晴れた日の一同
夏の訪れで緑が美しかった。木々の若葉が太陽に彩られ、反射してキラキラしていた。さっき、父上と母上、そして妃と食事を終えた。ルクサが慌ただしく新聞を手に入って来ることはもうなかった。これから王座の間へ行かねばならない。仕事があるのだ。
部屋を出るとき、妃があいさつした。
「陛下、行ってらっしゃいませ」
「うむ。行ってくる」
家来が扉を開け、そこを出ると、今日からまた新しい一日が始まる。政務は日常だが、今日からは新しく感じられた。
余は王座の間に入る。
「陛下。おはようございます」
大臣ルクサの声がする。
「陛下、おはようございます」
大臣メロオスの声がする。
「陛下、おはようございます。いっひっひっ」
誰だ?
「やっ!ピンクではないか?なぜここに」
そこには白のバスローブを着た魔人ピンクの姿があった。
「今日から家来として仕事のお手伝いをさせていただきまする。何なりとお申しつけを」
「……そうか、わかった…頼んだぞ」
王座に腰を下ろす。臣下一同が階下に見えた。
「陛下、おはようございます!」
「うむ!おはよう、みんな。適度に肩の力を抜いて頼むぞ。太平の世が続くには寛容さも必要じゃ。貴族の威厳などよりも庶民の立場に立って、真面目に楽しく仕事をしようぞ!」
臣下たちは一斉に言った。
「ははあっ!」
その後、魔人が付け足した。
「陛下。仕事終わったらカラオケ行かね?」
さあ、今日も余の一日が始まる。
(終わり)