16 ファンクラブ
統治の仕方は人によって様々・・・・・・
古来支配者は、占い師、預言者等の王とは別の顔を持っていた。古代の王なども神の言葉を民衆に伝える神官の役割を持っていたというのが一つの例だ。
では、この南鳥島の支配者である章梦柔はというと、いわゆるアイドルであった。
伊達眼鏡を掛けた細身の女性がカウンターの列を眺めてげっそりしていた。
(な、なんで私が自ら下僕の登録作業とかしなくちゃいけないのよ。もうー)
「はい、お名前と特技と、やりたい職業をお書きください。もし、文字が書けないようなら代筆致しますので、ご遠慮なくお申し出くださいね」
「僕は、クルア・ケント。一年後は世界の救世主になる男だ。特技は早着替えと、空を飛べることかな。あと、仕事は仮の姿だけど新聞記者だ」
「はあ、新聞記者志望ですか?今のところ新聞の発行を誰も行っていませんのでご自分で記事を書いて、発行と配達をされるならすぐに職に就けますね。
まあ、空が飛べるならということなら配達人としてなら問題なくやっていけるでしょう。あと、ご質問はありますか?」
「ああ、章梦柔の独占取材を申し込みたいんだが。彼女にはどこで会えるんだい?」
「章さんは、何分お忙しいので当分取材を受けることはありませんよ」
「そこを何とか・・・・・・」
ばーん!
新聞記者志望の男は、受付嬢(仮)によってドアから放り出された。
「はい、次の方どうぞ。できれば、受付嬢希望の方を優先しますがおられませんか?」
「・・・・・・」
受付嬢(仮)の前に小柄な少女が立った。
「はい、受付嬢希望者ですか?」
「いいえ、違います。私は、世界の王に成りにやって来ました」
「では、お名前と特技、やりたい職業をお書きください。代筆は必要ですか?」
「いや、いい。婆や、記入してたも」
婆やと呼ばれた人物は、何処にも見当たらないが記入用紙は宙を舞い、しばらくして受付嬢(仮)の手元に舞い戻った。
「えーと、手品師なら今すぐ職に就けそうですね。ケサンドラ・テーダーさん、希望職業は王様ですか。あとで、戦闘能力の審査がありますのでお待ちくださいね」「はい、次の方・・・・・・」
『なんだか疲れたようだね、章』
「誰の所為で、疲れたと思っているのよ。結局、受付嬢の希望者なんていなかったんだから・・・・・・」
自室でぐったりとソファに沈んでいると、胡散臭い三毛猫が神経を逆なでしてきた。
『それなんだが、ようやく上に申請しいた許可が下りたよ。紹介しよう、ロボ婦警だ』
「なんで、私のファンクラブの受付嬢が婦人警官、しかもロボットなのよ!」
『君も承知の通り、人類は減り過ぎてしまったからね。昔は猫の手も借りたいと言っていたそうだが。今では、ロボットの手も借りたい程なのさ』
「ま、いいわ。その娘にしっかり働いて貰うから!」




