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猫は七度死ぬ  作者: ぶらっく3だ
2章 楽園編
14/24

14 オーディション

 卵を薄く延して焼き、米と少量のネギを油で炒めてたものがレンゲに極少量盛られて試食の列を作る。

「ふう。素人の料理なんて審査する方は苦行なのね、知らなかったわ。

 ああ、ネコのハンドラーの作った炒飯は絶品だったわ。えも言われる香りと独特の後味、それでいて何杯でも食べられる絶妙のものだったわ。

 それに、比べて・・・・・・」

 脂がべとべとする、こっちは焦げてるし、何よこれ火が通って無いじゃない!


 東条斎酒(ゆき)の今日のお仕事はある番組の進行司会だった。

「さあ、第一回南鳥島移住審査『料理人の部』の審査結果が出たようです!

 はい、では審査員長の章梦柔チャン・モンロー様から発表していただきましょう」


 ぎろり、章の瞳に怒りの炎が幻視した視聴者も多いだろう。

「今回は残念ながら南鳥島に受け入れるほどの逸材はいませんでした。皆さんの真摯な努力は買いますが結果が伴わないことには社会では評価されません。

 よって、今回は合格者無し!」

「ああ、なんということでしょうか。栄えある第一回南鳥島移住審査『料理人の部』の合格者は残念、なし子ちゃんでした。

 皆さん炒飯という課題を難しく考え過ぎたのでしょうか。

 あんなもの、卵とネギとご飯を油で適当に炒めて隠し味にコオロギの粉末でも混ぜといたら良いだけなのにねぇ、審査委員長どぉうぞ!」

 司会しながら、調理場でいつのまにやら仕上げた炒飯をにっこり笑って章に差し出す斎酒。

「え?何かへんな材料を口走っていたけど。いい匂い、辛抱たまらん。

 うんまい、合格よ!斎酒、あなた島に来て料理人やりなさいよ。

 これで、妙な審査委員長なんてやらなくて済むし」

「それは、どうでしょうか?各種分野で一芸に秀でた若者を発掘しなければ南鳥島の明日は無いのですよ」

「そ、そんなの聞いて無いわ」

『それはそうだよ。勿論、そんなこっちに不利になる内容を承諾前に言うはずが無いだろう?』

 居眠りしていた体で、三毛猫が当然そうに嘯く。

『因みに、農業、工業、漁業、狩猟、戦闘などの分野は早急に揃える必要があるね』

「う、うう・・・・・・」

 悔し気に握り拳を震わす章であった。


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