殺したお前を殺したい
今回はちょっと趣向を変えて自分的読者の心得などを披露したいと思います。いや、そんなご大層なもんでもないんですけど。
他の方のエッセイ読んでると読者の感想がウザすぎる、というものがあります。なんかもう、ホンっっっっっっとーに、ごめんなさい! その気持ち、すごくよく分かります。いや、そのウザい読者の方の気持ちですが。
好みの作品に巡り会えた時の高揚感はよく分かります。作品世界に没頭するあまりそのスキスキエネルギーが暴走してしまうのはよくあることです。恋して相手をものすごく好きになってストーキングしちゃう危険性は誰しも持ってます。いや、自分だけかもしれんけど……
そうなると第2フェーズ。作品には自分の理想通りに動いてほしいという強烈な自己愛が芽生えます。もう危険な状態です。ここまでくると作品が自分の理想に反する動きを見せただけで我慢なりません。
主人公とくっつくはずのメインヒロインが敵の美形悪役に助けられただけで半狂乱。
当て馬ヒロインがメインヒロインより先に主人公とくっつくなど言語道断。
等々、読者の脳内の美しいイメージこそが正義となり、作者の用意した見せ場山場など眼中になくなるのです。すると第3フェーズ。
自分の理想とする展開に持っていくため作者にプレッシャーかましまくる行動に出る可能性が多分に考えられます。いや、これは自分の経験談ではなく、あくまで一般論であります。なろうの作者さんにこんな目に遭った人がいるかは知りません。そんな感想を目にしたわけでもございません。ただ、商業作品ではまま見られる現象らしいと聞いたことがあるだけです。
そこまではいかなくても途中で死んでしまう予定のキャラに「この人を死なせないで!」なんて声はよくあるらしいです。それが一歩進むと「生き返らせろ」重篤化すると「お前が死ね」とかいうほとんど脅迫じみたものに発展する場合もあるそうです。まあ、なろうの小説でそこまではいかないとは思いますが……
そこまでいかなくても読者としては読者の分を守りたいものです。作品のストーリーに関わる要求&お願い等は極力避けるべきです。まあ自分もまったくやってないと言い切れないのが辛いとこですが……ともかく、展開がとても納得いかないものであってもそこは読者としては受け入れるべきではないかと。そんな読者の声に安易に迎合するような作者はそうはいないと思いますし、万一、要求呑んでくれるノンポリな作者がいたとしてもそれで作品の質が落ちては本末転倒です。
例えば好きなキャラが死んでとても残念だったら、その気持ちを素直に伝えることをオススメします。そこまで読んでくれる読者がいると知れば作者も嬉しいでしょうし、なにか救済措置的な展開を用意してくれるかもしれませんよ。実力ある人なら。