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ボクと彼女の空想日記  作者: ぱすたば
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本日も電車内にて 2019/10/31

今日も仕事が終わって帰宅途中。


急行でも各停でも大して帰宅時間が変わらないようなので、各停の電車に乗る。


思った通り座れはしたけど、隣で爆睡しているおじさんにもたれかかられながら電車に揺られるハメになった。

こういう時、とかくイライラする事なく肩を貸してあげるのがボクの優しいところだ。人間がデキている。


「君が隣に座っていれば、この役目を代わってもらう事も出来たんだけどね。」

「その言葉が出てくる人間のどこがデキてるっていうのよ。」


それでも舌打ちしながら肘鉄を食らわせる人間よりは大分マシではないだろうか。

ちなみに、ボクは帰りの電車で何度もそれをやられている。


「まぁ疲れてる時はお互い様だと思ってるから別にいいんだけど。おかげでボクも居眠りする事なく、こうして日記を書けているわけだし。」

なんでも前向きに捉えることが大切なのである。

こういう思考回路こそ、人生を生きやすくするのに大切なものだと思う。


「しかし始めて二日目なんだけど、早くも書くネタがないんだ。君との会話形式だったら、適当にやってても大丈夫だろうと踏んでいたのに。なかなかどうしてうまくいかないものだね。」

それみたことかという顔で、鼻から深くため息をつかれる。

ボクの前髪が彼女の鼻息でふぁさふぁさとなびいた。気がした。


「こんな調子でこの先やっていけるの?」

「やっていけない事もないさ。とりあえずこんな風に、文章自体は綴れている訳だし。昨日も言ったように、とにかくどんなレベルであれ続けるってことが大事なんだ。そもそもほぼ週五日で朝から晩まで仕事しているような人間が、毎日書くネタに困らないなんてことがある訳がないだろう? そういう状態でも手を動かす事が出来るという状態に持っていく事が、今は肝要なんだよ。」


まぁそれもそうか、と電車の中吊り広告を興味なさげに眺めながら彼女がつぶやく。

ここら辺でともかくも、とりあえず今日のノルマを達成する程度の文章量にはなった気がする。


「とりあえず、記念すべき二日目おめでとう。明日で辞めたら晴れて三日坊主に昇級ね。」


最初のランクは一体どれぐらい低かったのか。

その答えが出ないまま、気づけば家の最寄駅についていた。

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