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世界最強だったボッチの俺が、幼女に敷かれる武器屋の看板娘に!  作者: うずはし
第一章 勇者の俺は武器屋の看板娘になる
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03 働き方改革の実だと?

誤字報告お願い致します。


 町の宅配業者から荷物を受け取ったおっさんは、張り紙に書いてあった文面を読み驚愕した。


「『一等当選おめでとうございます。

 この度は王制主催の(潰れそうな小売店を盛り上げよう)イベントの、懸賞にご応募頂きありがとうございました。

 厳正な抽選の結果、今回あなた様に一等の(働き方改革の実)が当選致しました事をご報告いたします。

 尚、本アイテムを有効活用しますと、顧客獲得活動を有利に行うことが期待できます。是非この抜群の効果をあなたの目で実感して頂きたいと願っております。

 詳しい使用方法については、同梱の取扱説明書をお読み下さい。

 また、本品は世界的にも大変貴重なアイテムとなっております。転売等の営利目的に使用されますと我が国の法律で処罰される場合がございます、お取り扱いには十分注意願います』……だとよ!!」


 潰れそうな……って言っている所に棘があるのだが、とにかく凄いアイテムをゲットできたようだぞ。


「すげえぜ、やったなおっさん! もしかしたらこれで売り上げ倍増とか出来るんじゃねえか?」

「チッ、転売出来たら直ぐにでも借金返せたのによ……」


 店主は大きくため息をつく。おいおい、滅多な事言うもんじゃないぞ。

 窓越しに外を見てみれば、警備隊の人達がこちらを監視しているみたいだしさ。

 そりゃあやっぱり、借金まみれの人は信用出来ないですよね。


「な、何言ってんだおっさん! 注意書きしてあるだろ、それだけは辞めとけって! それに、こういった代物は早めに使っちゃうのが一番だぞ。盗まれたらそれこそ大損だかんな!」

「わかってらあ……でも、ありがとう。これもケンゾウさんがオレの店を訪ねて来てくれたお陰だ!」


 うーん、それは違うと思うのだが。

 でもまあ、ミミがタダ飯頂いちゃったしね、それでチャラって事にしておこう。



 で、さっそくおっさんは開封して、箱からアイテムと取説を取り出した。


 あれ? 何か某悪魔の実っぽいのが出て来たけど……まあ、気にしない、気にしない。


 そして、真剣に取説を読み進めるおっさん。


「なあ、どうやって使うんだよそれ。教えてくれよ」

「まあ待て、慌てるな…………」


 今後の冒険の参考になるだろうから、『働き方改革の実』の使用方法と効果だけ確認して、この店を出る事にしようと思う。


 じつは俺、なぜかこの世界の文字が読めない。数字は何となく分かるが、文字が全くダメなのだ。

 一時、ひらがな的な簡単な文字を教えてもらった事もあったが、効果はゼロ。

 おかげで、道中の看板が判らず、命の危機に瀕したこともしばしば。


 良い子のみんなは、ちゃんと勉強しようぜ。



 おっと、食いしん坊のミミが『働き方改革の実』を狙っているぞ。

 それを食べたらきっとろくな事にならないと思うから、ミミの目の前から取り上げよう。


「これはおっさんの物だから、勝手に食べちゃだめだぞ!」


 ヒョイとミミから遠ざけると、恨めしそうに俺を睨む。

 イタタ、違う違う意地悪じゃない、これは食べちゃダメなヤツだって! 頼むから締め付けないでくれ。



 取説を読み終えたおっさんは、俺の目をじっと見つめている。

 え? なんでしょう?


「ケンゾウさん」

「は、はい」

「ウチで働きませんか? その『働き方改革の実』とやらをあなた・・・が使って」

「はい?」


 急にどうしたんだろう、この実っておっさんの為に使うんじゃないのかよ。


 店主の働く意識を変える、さもなくば店舗の雰囲気をがらりと変えるとか、そういった使い道のアイテムだと俺は思っていた。

 あー、武器屋ならレアな剣を取り揃えてくれるってのもアリかな。


 とにかく、俺が使うってどういう意味だろう。


「この実はねケンゾウさん、あなたが食べてこそ、その効果が発揮されるらしくてな」

「え? ちょ、ちょっと待って。おっさんが食っても駄目なんか?」

「おう、なんでもこの実はオレの店舗に合わせてチューニングってやつを施してある……と書いてある」

「へえ、そんなこと出来るんだ。王制ってすご!」

「ほんで、働き方改革ってのは、従業員や社員の為の制度だから、社長や店長には効果ありません……などとも書いてありやがる」

「ああ……確かに、俺の世界じゃあそんなような法律だったかもしれんなあ。詳しくは知らんけど」


 よくよく考えたら、店主一人しかいないこの小さな武器屋に『働き方改革の実』って普通ありえないでしょ。


 という事は、その従業員となる人物を探さなければいけない訳で。

 で、手っ取り早く従業員を決めるには、先程から就職活動している俺が目の前にいる訳で。


 やばい。嫌な予感しかしないけど……


 おっさんは満面の笑みで「ここは、人助けと思って」などと言いながら、俺にその実をぐいぐい勧めてくる。


 この後、俺は二つ目の呪にかかってしまうとは、夢にも思っていなかった。




ここまでお読みくださりありがとうございます。

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