↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
96/195

死の森。お昼休憩。

 異世界通路、転移の部屋から出発して4時間経過。


 トレントとの戦闘で、カイトが軽い切り傷を負ったので、ナタリーが治癒魔法で癒していた。カイトは必要ないって言ってたけど、念の為ってナタリーが魔法をかけた。

 その後、遭遇した魔物は、ブラックボア×二頭、名前不明の狼っぽいやつ×1頭。そしてトレントが3本。

・・・トレントは、木だから一本、二本でいいんだっけ?


 トレントは動かない魔物なので、先に見つけてしまえば迂回したよ。なので、戦ってはいない。最初のは、ほぼ直下まで気付かずに近づいちゃったので手遅れだったけど。

 そういうわけなので、1時間に2回か3回は魔物に遭遇する。トレントは避けたけど、それでも出発から7回も戦闘している。

 もうかなり疲労しているよ。


「暑い・・・」

 鬱蒼とした森の中、日差しはたいしたこと無いんだけど。時間は昼過ぎ、さすがに気温が上がって来た。

「防具外したい・・・」

 木や草で怪我しないようにデニムの長袖装備。その上に革エプロン的な防具と、鉄板の肩パッド。肩パッドなんかはコンパクトなやつなんだけど、それでも通気性は悪いよね。

「暑い・・・」

 あと、お腹減った。水分はペットボトルの紅茶で補給していたんだけど、500ml飲み切っちゃった。


 何処かに自販機ないかな?(爆)


「もうちょっと行ったら、川に出るから。河原は少し広いから視界も開けるし、そこで休憩しよう」

 レナータが振り返って行った。

「うん、ありがとう」

 たぶん、私が一番、体力ない。6歳のナタリーよりも体力無いって情けないけど。


 河原へ出た。

 川幅は10メートルくらい。河原は岩がゴロゴロしていた。流れはけっこう早い。水の流れる音がドウドウと響く。

「休憩前に渡るのと、休憩後に渡るの、どっちがいい?」

 レナータが大声で聞いたけど、私は即答で「前!」と答えた。この川、渡るの大変そうだったから。もう出来るだけ早く休憩したかった。

「え?どっち?聞こえなかった」

 レナータが聞き返した。カイトがレナータに叫んだ。

「前だ、とよ!」

 いや、そういうのいいから・・・。


 ナタリーは川の水を保冷ボトルに入れていた。

「飲めるの?」

「飲めますよ。不安なら浄化魔法かけときますけど」

「じゃあ、私も・・・」

 ペットボトルに水を汲む。いちおう浄化魔法をかけてもらってから飲んでみた。

「おいしい!」

 冷たくておいしい。水道の水よりも味が濃い気がする。これは鉄分かな?なんだろ?

 半分くらい一気に飲んで、さらに汲み足した。


 「昼食にしましょう。周囲警戒のため、二人づつ食事を取るって感じでどうですか?」

ナタリーの提案にレナータが同意した。

「じゃあナタリーと都代が先に食べちゃって。私とカイトで周囲の警戒をするから」

「ごめんね、レナータ。先に食べさせてもらって」

「いいのよ、都代。あなた、かなり疲れてるように見えるもの」

 うん、確かに疲れてるよ。やっばいくらい疲れてた。


 森の中は普通に歩くのだって大変だ。

 森の中は草、蔦、藪が行く手を遮る。

 先頭のカイトが、メイン武器から草刈り用に格下げになったロングソードで道を切り開いているとはいえ、地面は平らでは無いし、登りもあれば下りもある。平坦な場所でさえ、落差は2メートルくらいある。

 トレッキングシューズは、すでに泥だらけだ。

 服も、ひっかいた後が何か所かある。


「ふう・・・あとどのくらいあるのかなあ・・・」

「正確にはレナータに聞かないとわかりませんけど、私の感覚だと、ようやく半分といったところですかね」

「まだ半分かあ・・・」

「これでもかなり早いペースだと思いますけどね」

「そうなんだ・・・」

「そうですよ」

 そう言いながらナタリーはアイテムボックスから何かを取り出そうとして、止まった。

「都代、お昼ご飯、何がいいですか?サンドイッチ?海苔弁当?チキン弁当?ピザもありますけど」

「え?選べるの?」

「ええ、アイテムボックス内は時間経過が無いので・・・スーパーで買ったものをレンジで温めた後に保管してます」

「温かいの?まじで?」

「ええ、温めてありますよ、控え目に、ですけど」

 うわあ・・・チート過ぎて涙が出てきそう!私は、当然、サンドイッチを頼んだ。

「はい、どうぞ。えっと、ホットクラブハウスサンド、ですね」

「うわあ・・・本当に温かいよ・・・」

 ビニールの包みだ。スーパーで売っているやつだ。賞味期限は5日前になってる。なってるけど、中身は新鮮そうだ。時間経過なし・・・おそるべし・・・。

 包みを開けてかぶりついた。

「うまあぁー!」

 トーストされたパンに、温められたトマト。口の中に広がる甘酸っぱさと、マヨネーズのハーモニー。ベーコンと鶏肉が一瞬遅れてやってくる。レタスの歯ごたえの中に肉の旨味。

「超うまーい。ナタリー最高。ホットサンド、最高」

 夢中で食べていたら、あっという間に無くなった。

「おいしかったー。ナタリー、ありがとう」

「いえいえ、どういたしまして」

 そう言ったナタリーも、同じホットクラブハウスサンドを食べていた。

 その様子を見ながら水を飲む。さっきより少しぬるくなって、最初の感動はない。うーん、冷たいままならいいのに・・・。あ、それでナタリーは保冷ボトルなのか!

「うー。こうなったら冷やしちゃる!アイススフィア!」

 氷の塊を作り出す。ちっちゃいやつ。手の平に集めてペットボトルの中に落とし込んだ。

 へへへ、これで氷入り。

「都代ちゃん、あんまり魔法を無駄遣いしないでくださいね?このあとも戦闘は避けられないんですから」

 マウリツィオ師匠にくぎを刺されちゃった。


 レナータ達と交代する。

 レナータとカイトにも同じホットクラブハウスサンドを手渡ししてナタリーが私の横に立つ。

「ホットサンド、何個入ってるの?」

「あ、4個です。さっきので最後です」

「あ、そうなんだ・・・」

 ちょっと残念・・・。

「そんな残念そうな声を出さないでください。アイテム管理が難しくなるので、基本食事に関しては4個単位にしてあるんです」

「ふーむ。リスク対策としては揃って同じものを食べるのは得策ではないが・・・」

師匠は、飲んでいたミルクから顔を上げてナタリーに言った。

「たしかに、マウリツィオさんの言う通りですね。でも日本のスーパーで売られていたものですからねえ・・・。気にしなくていいんじゃないですか」

「うむ、そうだよなあ。スーパーの食材を疑うようではキリがない」

「それに、万が一食中毒になったとしても、ヒールで治せますし・・・。いちおう、薬もドラッグストアで仕入れていますけど・・・正露〇とか」


 ナタリー・・・いくら容量無制限だからって、なんでもかんでも詰め込み過ぎなんじゃ・・・

もう、それ、ドラ〇もんだよ・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。