青春
主人公の名前が不適切だと指摘がありましたので変更しました。
隆也となってますので確認のほどお願いします。
登場キャラクターにフリガナを当てましたのでそちらもここへ載せておきます。
有栖川経義
氷河雪代
三巳夏未
です。
つまらないと言うコメントもありますので今後とも面白い話になるよう精進いたします。
南の門はアクアが訪れた不気味な建物とは真逆の方角にある。
アクアは一応依頼で裏路地などは回っていたが大通りは人が多いと避けていたため、南側の街をしっかりと見るのは初めてであった。
それはユキも同じようで目を輝かせながらキョロキョロとしていた。
「ユキ、転ばないでくれよ。フブキと一緒なんだから」
二人は余程意気投合したのか、サイズ感も良く仲良く手を繋いで歩いていた。
アクアの手を離れてる時、決まってフブキは人混みの中心にいて巻き込まれるのだがユキと共にいるせいか、プレイヤーと勘違いされ特に集まってくることはなかった。
「大丈夫だよ!ね、フブキ!」
「キュー!」
すっかりゲーム内での口調の変わったユキに現実の凛とした姿を想像できるものはいないだろうとアクアもウシワカも後ろ姿を眺めながら思っていた。
「あんなユキ、初めて見たよ」
「そうか?普段は大人しいけどあんなもんだぞ?」
「さすがユキの理解者は違うね」
「お前より知り合ってる期間が長いだけで大して変わらねぇよ」
「アクアー!ワカ様!!ここ!きてきて!」
少し先のアクセサリー屋の入り口でフブキと共に手招くユキにアクアとウシワカは目を合わせ笑う。
好きにさせてあげようとユキ達の元へ早足で向かうのだった。
建物の中には色とりどりの宝石が散りばめられたアクセサリーがそこかしこに飾ってあった。
ガラスケースに入っているわけでもないので簡単に持ち逃げできそうなものだが実際盗めば街の出入り禁止になりかねないため盗む行為はそれなりの罪を背負うことになる。
ユキは手にとって眺めてはフブキに当てがったりと好き勝手に商品を触っていた。
NPCの店員は特に何か言ってくることもなくこちらをじっと眺めているだけである。
それが妙に警戒心を生み、ある意味盗難防止としては効果を発揮しているのだろうとアクアは目に付いたネックレスを手に取りながら考えていた。
「お、それ毒無効ついてるじゃん」
たまたま手にとったネックレスにはどうやら特殊効果付きだったようでそれを見たウシワカが背後から話しかけてきた。
「そうなの?でもこれ女物だから流石に俺らじゃ付けられないだろ」
「ユキなら付けられるだろ。プレゼントしてやったら?」
ニヤニヤとしながらウシワカがアクアに勧める。偶然手持ちもあるために余裕で買えるほどのお金は持ち合わせていた。
「お前、俺のお金事情してって言ってるだろ?」
「いんや。でもなんか買えそうな気がしたから」
「ってか別に俺じゃなくてもワカ様が買えばいいだろ。Lv5ならさぞかしお金は持ってそうだし」
「やっぱアクアはアホだった。俺が渡してもユキは喜ばないだろ。はい、買った買った」
無理矢理店員の元へ連れて行かれるとウシワカはアクアの手からネックレスを奪い取り、これください。と店員に話しかけた。
「ありがとうございます!25000イェンです!」
「はい…」
メニューから25000イェンを取り出して店員に渡す。それと同時にネックレスが自分のインベントリの中に入ったのがわかった。
「よし、ユキに渡しに行こー!」
「おぅ。ってかなんでプレゼントだよ」
「そりゃフブキの世話してくれてるとかなんでも理由はあるだろ」
言われるがままに付け替え人形にされてるフブキとユキの元へ行った。
「ねぇ!アクア!フブキがこんな可愛く!」
好き勝手されすぎてフブキは無表情で立ち尽くしている。その体にはネックレスやらブレスレットやらが体のあちこちに引っ掛けられてアクセサリーの飾り場のようになっていた。
「あー、ユキさん?フブキ固まっちゃってるから。もうやめてあげて」
言われて気がついたのか必死に謝りながらフブキに付けられたアクセサリーを外していく。身軽になるにつれてフブキも体を動かし始めた。
「ごめんね、フブキ」
「キュー」
抱きついて誤るユキに対してフブキが頭を撫でる、立場的に逆のような気がしたがお互い納得しているようなのでアクアも特に何か言うことは無かった。
「あー。ユキあとこれ。プレゼントなんだけどさ」
そう言って先ほど買ったばかりのネックレスを取り出して見せる。
「えっと…私に?」
「うん。フブキと仲良くしてくれてるし…その安物でゲーム内のアイテムだけど…」
「嬉しい。ありがとう!アクア!」
そう言ってユキはアクアへ飛びついた。
勢いあまって倒れそうになるがなんとか耐える。大きいフブキみたいだと抱きついてきたユキを受け止めた。
「まぁ良い装備が手に入るまでの気休めかもだけど」
「ううん。大事にする!」
仲睦まじい光景にフブキがアクアの足元へやってきてペシペシと翼を当てる。
嫉妬ではないが自分も抱き抱えろと言いたげな態度にアクアもユキも目を合わせて笑うのだった。
「お二人さん、仲良いことはいいんだけど…ハグしてますよ?」
ウシワカがそんな2人のことをにやけ顔で見ていた。
その言葉にユキが反応して顔を赤くし無理矢理アクアの手を離れる。
ゲーム内だから特に問題はないとしかアクアは思っていなかったがユキは違ったようで自分の大胆さにさらに顔を熱くした。
「感謝の意ですから!問題なしです!」
「お、おぅ」
ユキの勢いに思わずアクアは頷く。ハグではなくて感謝の表現ということにしたいのだろうとウシワカは察したがアクアはなんのこっちゃという表情であった。
その後もユキがやけにそそっかしくなっていたがアクアがネックレスをつけてあげると言うと大人しくなっていた。
「もうここはいいだろ?早く門までいこうぜ」
ウシワカがそわそわと急ぎたそうだったのを見てアクアもユキも謝罪して門へ向かうことにした。




