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アリス荘の不思議な馬鹿たち  作者: 弥永エイジ
第一章 鬼の巫女
3/8

迷子の迷子の……

要点は一通り纏めた。

まず、この学園の実績が全く紹介されていない部分。

次に学園の制度とかをもっと紹介すべき部分。

そして………


「理事長の気持ち悪さだよね。」

「それはどうにもならんから……ていうか酷いなお前。」


取り敢えずこれを放課後にでも言いに行くとして、まずは面倒くさい授業を消化するために教室に向かう。

というか理事長の命令の方が面倒くさい。


「そういえば今日あいつらはどうしたんだ?朝早く出たみたいだけど。」

「あぁ……多摩場君がまた女の子を口説いてたみたいでね、セクハラ騒動になったのよ。その弁解をしにね。」 

「その付き添い人としてあの二人がくっついて行ったのか。」


そんな会話をしているうちに教室の前へ。

中からは今話題の問題児の声が聞こえてくる。

あまり近づきたくない。


「あ!!おはよう二人共。聞いてくれ僕の勝訴が決まったんだよ!!!」

「何が勝訴よ!!」

「全くだ。」


金髪でイケメン、高身長で朝から騒いでるのがナルシストの多摩場サトシ。

ツインテのちっちゃい女の子が柊木ミライ。

その横の眼鏡をかけた優等生ぽいのが早木マサヒロ。

皆、俺の同居人だ。


「たく……ナンパなんかすんじゃねぇよ、何回言えば治るんだ、サトシ?。」

「その呼び方で呼ぶのを止めろと言うのも何回言えば治るのかな?我が友よ!」


面倒くさい。

だが、このナルシストは本当に面倒くさい。

俺の友人であることが悲しい。

いつか更生してやる……。


「サトシ、私がいるでしょう!!私で我慢しなさいよ!!」

「ふふぅーん。僕の好みはね、年上のお姉さん系なのさ!あぁ……ミユキさん、何故セクハラなんて言うんだ。」

「キィーーー!!!」

「まぁ落ち着け、柊木。俺はお前みたいなのがタイプだぞ。」

「それはそれで気持ち悪い。」


それぞれの面倒くさい所を先に挙げておこう。

西条アケミ、天然ドS。

多摩場サトシ、ナルシスト。

柊木ミライ、ガキ。

早木マサヒロ、ロリコン。


はい、面倒くさい。


「あぁそういえば聞いたかい、我が友よ。」

「何を?」

「今日、僕達の寮に新たな入居者がやって来るそうだよ。学年は僕達と同じ、高等部1年。8号室だってさ。」

「おぉ!マジか。」


寮の部屋は全部で10室。1、2号室は先輩の部屋で、後の7号室まで俺達が埋めていた。

新たな入居者は喜ばしい事だが、面倒くさくもある。

色々とな……………はぁ。


「はぁー⤴⤴!!どんな娘が来るのか楽しみで仕方ない!!!」

「女なのか?」

「そうみたいよ。」


気の毒に………。率直にそう思った。

こんな変態集団の中に入れられるとは。


「さてと………」

「あれ、もう行くのか?」

「いいなー。私も授業サボりたい!!」

「彼は単位が取れてるからね。仕方ないよ。」

「流石は我が友。」

「じゃあな、しっかりやれよー。」


俺は皮肉を言いながら教室を後にする。

俺は幼稚園からこの学園にいるのもあって単位が取れてるものが多い。

なのでその授業の時はサボったりもする。


「ねむい。」


今日は月曜日。

毎週日曜日は管理人の酔っぱらいタイムに付き合わされるため、大体寝不足。なので、授業をサボって俺は昼寝もとい朝寝をしに行く。

場所は中庭。

ベンチがあり、日の光がいい感じに当たる俺の癒やしの場所。


「ん?」


だが、その癒やしの場所に誰かいる。

地図っぽいものを広げて首を傾げてる。

明らかに迷子。


………やな予感。


「違う場所にでも……」

「ねぇ!!そこの人!!」


見つかった。


「なんでしょうか?」

「あなた、アリス寮って知ってる?」

「!!」


アリス寮。俺達の寮の別称だ。

てことは………


「お前が新しい入居者か?」

「えぇ……そうよ。」

「なら、こんなとこで何してんだよ?」

「迷ったのよ。」


こいつ方向音痴か。

面倒くさいとこ見っけ。あー早めに見つけれてよかった!!


「ついて来い。」

「えっ?」

「えっ、じゃねぇよ。連れてってやるからついて来い。」

「あなた授業は?」

「その説明はさっきした!」

「どういうこと??ねぇ!ちょっと!!」


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