登校中
「うわー………見てて腹立つな。」
俺は携帯を横画面にして、学園の紹介映像を眺めていた。画面の中では白スーツのおっさんが気持ち悪さ全開の笑顔で学園の紹介をしていた。
「心なしか気分悪いな。」
それはきっと揺れているバスのせいだ。決して白スーツのおっさんが気持ち悪いわけじゃない。
そうに違いない。
「大丈夫?顔色なんか悪いよ??」
「あぁ……少し酔ったかもな。」
「朝から理事長の映像なんか見てるからじゃないの?」
「お前……俺が気を使って否定したことをあっさり肯定すんなよ。」
俺は今、寮から通学バスに揺られ、学園へと登校している最中である。
そして俺の横で心配してくれてるのが同じ寮に住んでいる4号室の住人、西条アケミ。
黒髪ロングの眼鏡っ娘。委員長気質のわりにノリもよく、おっぱいも大きい。なのでよくモテる。
関係で言えば幼稚園からの幼馴染だ。
「なんでそんな気持ち悪いの見てるの?」
「…………。」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない。」
ちなみに天然ドS。
「なんか俺達が入学してから3ヶ月の間に、入学者数と転校者数と転入者数のワースト記録を記録したらしくてな。」
「あー……ロシナント魔導学園に取られてるんだっけ?確か、『授業や校則は厳しいが、絶対的な将来を約束する』って断言したんでしょ??」
ロシナント魔導学園。
俺達の学園のライバル学園とされている学園だ。
今までこの2つの学園は拮抗状態にあったのだが、俺達が高等部に進学すると同時にあの宣言をした。
そのおかげでうちの学園からも何人か転校していったし、入ってくる数も激的に減った。
まぁ確かに、ロシナント魔導学園は実績さえ見ればいい学園だ。だが、その分自由を制限されるらしい。
俺だったら御免だな。
「そっ。そんで俺は『学園紹介のPVをもっとよくしなければ!!』って言い放った理事長に付き合わされてるわけ。」
「ホントにお人好しなんだから。」
「うるせぇ。」
その後、私も探すと言うアケミと一緒に映像を見ながら投稿時間を潰すことになった。
俺は右腕に当たる柔らかい女の子の象徴に感謝しつつ、窓の外に見える学園総統部をちらりと見る。
(ゼロの可能性をイチにする………か。)
本当にそんな大層な事ができるのやら。
あっ!修正点見つかった。