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一緒に居る望み

暖かい微睡みの中から、少しずつ意識がはっきりとしていく。


今俺は、桜ちゃんと一緒にベッドの中だった。


やましい事はしていない。桜ちゃんの背中に抱き付き彼女のうなじの辺りに顔を埋めている。

彼女の首筋をよく見ると、昨日つけた痕がくっきりと見えている。


「桜ちゃん、もう朝だよ。起きて」

「ふぁ……おはようございます……」


まだ眠そうに目を擦りながら桜ちゃんは目を覚ました。お互いの顔を見合って笑いながら洗面台に向かう。


「あ、痕ついちゃってます」

「……ごめん、嫌だった?」

「いえ、私から……望んだ事ですから」


そう言って彼女は幸せそうに首筋を撫でる。その姿に改めてドキッとさせられた。今の彼女は物凄く官能的だ。


……朝から何を考えてるんだ俺は。


その後、一緒にキッチンに立ち朝食を作り始める。フライパンで簡単に目玉焼きとハムをを焼いて、トースターでパンを焼くだけだが。


「朝食を一緒に食べるなんて新鮮です♪ それまでは一人でただ食べてるだけだったのに……」


桜ちゃんはとても楽しそうに目玉焼きとハムをのせたトーストを口に頬張る。

一人で食べる朝食か。あれは虚しいもんだ。どことなく味気なく感じるしなぁ。


でもこの後朝食を済ませたら帰らなきゃならない。楽しい時間は、幸せな時間はとても早く過ぎていく感じがする。


どこか寂しさを覚えながら帰り支度をする。荷物を持って玄関に向かおうとした時、俺の裾を引っ張る桜ちゃんがいた。


「桜ちゃん? もう帰らないと……」

「また、また泊まりに来てくれますよね?」

「……寂しくなったら、電話でも、メールでも良い。いつでもしておいで。さっ、と駆けつけるからさ。学校でも会えるんだ。それに……俺も桜ちゃんに会えないと寂しくてどうしようもなくなりそうだから」


今、俺の生きる望みは彼女と一緒に過ごす時間だけだ。その為なら何だってしよう。


全ては可能だ。彼女との幸せの為なら。どこまでも一緒に過ごしていたい。

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