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呪詛の解放者  作者: 三脚 巴
0章 Player1 暗黒騎士テスカ
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冒険者テスカ

 冒険者の手続きは淡々としたものだった。

 冒険者カードという名の身分証明書は簡単に作成できた。

 水晶玉に手を乗せて名前と職業をカードに読み取らせるとものの1分もかからなかった。

 発行手数料は無料。

 後は少し書類にサインを書いて血判を押して手続きは全て完了した。

 カードを手に取ると名前と職業、住所、年齢、ランクの文字が浮かび上がり表示される。

 本人以外が持つと反応しないというのだからすごい技術なのだろう。


 5年に一度はカードの更新に来ないといけないことと犯罪を犯すと没収や罰則もあるといった簡単な説明を受ける。

 なんか運転免許証みたいだ。

 別に長期間クエストを受けなくても冒険者カードを破棄や停止はないそうだ。

 それを聞くとやっぱりなんだか運転免許証みたいだ。


 カードに家の住所が記載されているのを見て気づく。

 住所不定だと作れなかったのかもしれないと。

 だからルトアは初めに家を買ったのか。

 借りるじゃなくて買うところにセレブリティを肌で感じるけど。


 初めのランクはGランク、クエストをクリアし実績を積むことでランクは上がり、ランクが上がると高収入の高難易度クエストを受注できたりもする。

 失敗には違約金も発生するが大抵の場合、冒険者ギルドが斡旋している職場でキチンと真面目に働けばすぐに返済できると受付担当の人が熱弁していた。

 このような取り組みは国によって違うらしいがこの国は色々と手広く手がけているように見える。


 中でも目を引いたチラシがあった。

 冒険者ギルド主催の集団合同訓練なるものを定期的に開催しており、F~Gランクが主として参加し、元・冒険者たちが講師となって冒険者としての心構えや魔物、動物の解体手順、そして戦い方などを教わることができる。

 さらには賃金がでる願ったり叶ったり潤ったりみたいなので機会があったら参加してみようと思う。


 それにしても色々な種族がいる。

 人族に獣人、龍人、ドワーフやエルフ、褐色のエルフもいた。

 首輪を付けた魔獣がいたこともびっくりした。

 ……魔族はいないようだが。


 冒険者ギルドを一通り視た感想として、とても大きな建物だけあり大規模な組織に見えた。

 冒険者カードを持っていれば上限額はあるものの少しお金を預かってもらうこともできるみたいだ。

 冒険者カードの新規発行、クエストの受注や報酬の手続き。

 イベントや催し物の企画、手紙や荷物の配達、伝言を言付けることも有料でできるらしい。


 便利すぎない?

 カード発行は成人していないと駄目みたいだけどメリットが多い気がする。

 年齢制限があったなんて運転免許証みたいだ。

 ランクが変わるとカードの色も変わるらしい。

 うん、運転免許証みたいだ。

 ゴールドを目指そう。


 カードを紛失した際は再発行もできるみたいだが銀貨1枚の再発行料がかかるのでアイテムボックスに入れて肥やしとなってもらうことにした。


 ルトアも冒険者カードを発行していた。

 見せてもらうと職業は魔術師となっていた。

 今度、魔法を教えてもらうことにしよう。

 透明になったり透視できたりする魔法が使いたいですはい。

 年齢のところを覗こうとすると頬を優しく抓られた。

 笑顔の裏が怖い……


 あんまりにも早く用事が済んでしまったのでルトアとクエストかお店を散策するかで話し合い、今回はクエストを諦め、雑貨や必需品の買い足しをすることにした。



 商店街で買い物を済ませ家に帰る途中、興味を引かれる建物が見えた。


「これは……もしかしてもしかすると――カジノでは?」


 大きな店の前にバニーガールが……いやあれは兎の獣人だな。

 かわいいがいた。(低い語彙力)


「そのようだな、私は賭け事が好かぬのでああいった類のものには興味はないが。テスカはギャンブル好きなのか?」


「たった今、好きになりそうではあるな。一緒に覗いていかないか?少し気になることがあって試してみたいんだ」


「そうか、うむ。あまり羽目を外さないようにな。で、何を試すのだ?」


「あぁ、それは自分のスキルがどれほど優秀なのかテストしてみたくてね。それと我侭ついでにルトアに手伝ってもらいたいこともあるんだ、上手くいけば面白いことになるかもしれない」


 そういって俺はにこやかにはにかんだ。

 この異世界にきて初めて笑顔をしたかもしれない。


「悪い顔だな、始めてみる表情だ。わかった、手を貸すよ悪大将」


 俺のゴーストが囁くんだ、そろそろ俺様の力が見たいだろう?と主張してくるスキル達が。

 

 「さて、試合に負けて勝負に勝てるといいんだけど――」


 そう言って乳房がこぼれ落ちそうなバニーなガールのお姉さんに声をかけた。


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