第9話 ユマニチュードの原則 その② 「話す」
さて、読者のみなさんは認知症の方にどのように話しかけていますか?
そもそも、会話が成り立っていますか?
認知症の方と話すのに一苦労しておられる方は多いと思われます。
まあ認知症を発症しておられる方は、年齢的に耳が遠くなっておられる方も多いので大変ですよね。
でも大丈夫。
「反応がなくても話しかけ続けることが大事とよ!!」
ユマニチュードではたとえ反応が返ってこない方に対しても、積極的に話しかけましょう。
前回取り上げた「見る」を活用するのです。
こちらの顔、特に目線や表情、口の動きが見える距離で話しかけることです。
あなたの顔を見て相手の方は、たとえ何を話しているのか聞こえなかったとしてもあなたの伝えたいことを感じとられます。
ぜひ笑顔で話しかけましょう。
ケアを行う時は、「今から~しますよー」「今は~をしていますよー」というように自分が行う動作を「実況」しましょう。
相手が驚かない、慌てないテンポを保ちましょう。
そうすることで、あなたのケアは単なる「作業」ではなく愛情のあるケアとなります。
※具体的にコミュニケーションを取りたいときには。
認知症の方とのコミュニケーションで問題となるのは、やはり「難聴」ではないでしょうか?
そのような場合わたしは「筆談」「コミュニケーションボード」の活用を行いました。
ありきたりですが、小さなホワイトボードを使って筆談することで口頭で会話するよりもスムーズに対話できる方もおられます。
ただしこの方法は、ある程度理解力が残っておられる方には有効ですが、読むことや書くことができないほど症状の進行されている方には難しいものです。
そのような時は、「コミュニケーションボード」を活用しましょう。
これは表現したい事を「絵」で表してるものを用います。
例えば、トイレに行きたいかどうか確認するときはトイレが描いてあるボードを見せます。
それにうなずかれたり、指を差されたりしたらこの方はトイレに行きたいのだと分かります。
あくまでもこの方法が有効かどうかはケースバイケースですが、あらゆる方法、工夫を凝らしてみる価値はあります。
苦労して、やっと意志が通じ合ったときの喜びはなんとも言えないものであります。
皆さんはどのような方法が有効でしたか?