十八話 試されているのです!
短いです。
第一パート完結です。
時間あればこれからもう一話書きます。
「てか、広いなやっぱ……」
これだけ大掛かりな仕掛けを何個も用意しているとは、さすがは王立学園といったところか。
結界を抜けてすぐに石畳の道に出た。
先を見ると前世で見たコロッセオのようなドームが見える。
「あれが、ゴールか」
ようやくゴールが見えたことに安堵する。
石畳を駆けていくと、違和感を感じる。
この石畳、微量に魔力を吸ってやがる!
石畳自体には別段魔力の流れを感じていなかったせいでわからなかった。
おそらく上空も同じだろう。
吸われている魔力量は大したものではない。
魔力を吸い尽くすような仕掛けではない。
じゃあ、何のために?
作成者の意図が読めない障害に俺は戸惑いながらも、先へと進む。
「……こんどはなんだ?」
突然の轟音とともに、地面が揺れる。
目の前で石畳が隆起すると、短いトンネルが現れる。
長さは5mほどのため、出口は見えている。
「あやしい……が、これも障害なら通るのが道理か」
念のために魔眼アルマスへと力を込める。
魔力量はまだ余裕があるが、魔眼へと送る魔力は「警戒レベル」。それほど多くはしない。
トンネルをゆっくりと通っていく。
このままトンネルが地面に沈んで、生き埋めになるトラップとかじゃないよな?
俺がそんな不安に駆られていると、変化がおきた。
「お?なんだこりゃ?」
トンネルの壁からでた魔力の流れが俺へと流れ込む。
今日は、初めてのことばかりで戸惑ってしまう。
そういや、前世でも急なトラブルにはそこまで強くなかったし。
これはあれか?
疑ってかかってトンネルを通らなくてもいいが、素直にトンネルを通った者は魔力を回復してもらえるってことか?
それとも、通過順位で回復量とかも変わるのか?
トンネルを抜けるころには、ほぼほぼ魔力は回復していた。
ここで魔力を回復するってことは……。
「次は相当しんどい試練になるのかね……やだなぁ」
俺は重い足取りで闘技場へと向かう。