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社畜が送る異世界デスマーチのすすめ  作者: Maskwell
二章 小さき心に意思を!
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十三話 悪魔オーカの筆記試験!

簡単な読み書き。ナナカはそう言った。


「それでは、はじめぃ」


俺は問題を見る。


お、本当に簡単だ。


そりゃ5歳から受けられるんだから当然か。


俺はすらすらと問題を解いていく。


この世界で使われている紙代わりの布は、質感的に元の世界の紙とそんなには変わらない。


インクで書いても滲まないし、手に吸い付く独特の「ぬめり感」もある。


結局、こういったものが使いやすいものなんだろう。


まぁ、紙として使える布を研究していったらこういう風な発展をするのかもな。


簡単な問題なので、そんなことを考えながら筆を進める。


ついでに筆は羽ペンである。


ただ、おそらく魔獣の羽なのだろう羽柄からは、勝手に黒い物質が出てくる。非常に便利だ。しかも羽の色で残りがどれくらいかまで分かる。


こうして異世界に来てみると分かる。如何に俺がいた元の世界が恵まれていたのかということを。


生活の細部にまで工夫と発展がされており、生活の質を知の力で押し上げてきた。


しかし、この世界では根源に「神」がいて、悪魔や天使といった「エデム」は魔法によってある程度不自由なく精神的にも満たされてきた。


だから、文明は決して低くはないものの前世とは全く異なる発展を遂げたに違いない。


最後の問題「エイディンは何故このような発展を遂げ、今後どのような未来を迎えるべきか、自由に論じよ。」という問題を解きながら考える。


もちろん、俺の前世の話は伏せている。


あとはそーだな。


俺にとってのこの世界の唯一の欠点。ヒト「ヒュルム」の扱いか。


いずれは平等に暮らせる世界がくればいいのだが。




ポトン。と俺の問題用紙(まぁ、布だけど)の近くに折りたたまれた布が降ってきた。


ん?アルカが問題に悩んでると思って回答でも渡してきたのか?


俺は丁寧に折りたたまれた布を机のしたで開ける。


「トーカ大丈夫?大好きだよー(^ ^)」


おい。


何だこの全く役に立たない愛の塊は……。


これでカンニングになった日には俺は姉のことが少しだけ嫌いになるかもしれない。


まぁ、試験監督の悪魔は教壇で本を読んでいるので全くこちらのことなど見ていない。




しばらくして、試験監督が終わりの合図をして問題用紙は回収された。


「次は実技試験なので私についてきてくださいな」


そう言われ俺たちは教室を出て、試験監督についていく。


俺は試験監督の肩から生えた樹木を見ていた。


捩じれた樹木の先には青い果実がなっている。


って、なんか顔みたいになってる。


自分が悪魔に転生してから悪魔に対する嫌悪感はほとんど感じられないが、さすがに少しビビる。


「オーカ、試験大丈夫だった?」


アルカが俺に声をかけてくる。


「うん。大丈夫だと思うよ。いつもナナカねーさまが絵本を読んでくれているからかな」


「それなら良かった。次の実技試験の方が配点が高いとナナカが言ってた。頑張って」


そうなのか。まぁ、あの筆記試験じゃ点数差はそんなに出ないだろうしな。


俺たちは校庭へと出る。


別の会場で受けていた受験生もいる。


やっぱそこそこ人数多いな。


ナナカの姿は見えない。ってことは今は別の試験中か。



「それではこれより実技試験を始める」


校庭の中心に立っていた。デカい女悪魔が声を張り上げた。




さて、ここからが本番ですよ!

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