Murder Circus
だってあの人は言ってたもの。
今日の朝食は特別だって。何かを混ぜてるって。
だから少し濃い味がしたのよ。
あの少女の姿が見当たらないし。
朝食を食べ終わって暇になった僕たち8人は居るはずの少女を探しに出た。
そもそも島だし脱出は困難だろう。
ボートがあるなら...あるいは...。
かくれんぼじゃないんだからとっとと出てきた貰いたいものだ。
昼飯誰が作るんだよって話だ。
8人は8方位に分かれた。
それぞれ端まで行き外周を周った。
彼女の姿はなかった。
そういえば後一人足りないな?
てっきり9人で過ごしていたと感じていた。
僕は独り館へ戻ることにした。
サブターゲットの少年は独り、自室でジャグリングをしていた。
意味もなく、独りで遊んでいる。
部屋には鍵がかかって無かった。全く気楽な奴だ。
にしてもサーカスでもする気だろうか?
色々な物資がある。
僕は少年の部屋を出て4階へ上がった。
そういえば此処は何階建てなのだろうか?
外から見れば2階建ての洋風な館なんだが。
少女の部屋の前に着いた。
僕は2回程ノックをしたが返事はなかった。
返事と言えるのは響いた音のみだ。
無礼ながら扉を開けた。
鍵がかかってないのは共通だ。
そして僕が見たものは天井から垂らされた縄。
散乱した机。倒された椅子。バランスボール。鞭。悲しい魔彩光のライト。
そして操り人形のような姿をし、吊るされた少女。
僕は唖然して6分程度立ち竦んでいた。
恐怖からではない。これがサーカスに見えたからだ。
その内、僕は背後に気配を感じた。
振り返るとそこにはあの少年が立っていた。
僕を見ているというか彼女を見ている。
そして少年は教えてくれた。
これが「殺人サーカス」という劇ということを。
また1人、犠牲者を出すだろうと。
少年は僕に助太刀を頼んだ。
折角だから面白いサーカスにしたい。餌を撒いてほしいと。
僕は連れてきた張本人だ。残りの7人も簡単に乗ってくれるだろう。
単純で興味深い人たちの終わりはもうすぐだ。
7人だし、一週間で公演は終わりだ。
僕はすぐ外に散らばってる犠牲者を呼び集め彼女は居ないと嘘をついた。
昼飯を食べ、夜飯を食べ、就寝をした。
別段、今日はなにもなかったのだ。
朝日が眩しい朝。
僕はまず少年の部屋へ行き今日の犠牲者を籤でひいた。
今日はこの中で一番幼い人だ。
彼をどうやって芸術的に殺すか。小さいからには周りの演出を控えめにしなければならない。
彼自身を目立たせるのだ。
僕は一階から斧を持ってきた。
そして斧を彼に持たせ薪割りを指示した。
彼は小さいながらも力はあった。だが何故薪を割るのか?という想像力が足りなかったようだ。
僕は背後から忍び寄った。
少年は今、演出の準備中だろう。
僕は一気に跳びかかった。
斧は彼の頭、身体を両断した。脆い骨だ。
緑色の草原に赤色の血飛沫が舞った。
幸い僕の服には着かなかったが。
少年が降りてきてすぐさま照明、他の道具やらを用意した。
僕は詳しくないのだが。
彼の右半身は棺へ、左半身は棺の上で十字架を作りだした。
周りの血は美しく黒塗りの棺桶を染めていた。
斧は序でに棺の上へ刺しておいた。すこし髪に触れた感じがしたが気にすることはなく
今日のサーカスは終わった。




