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第46話 噂話

 遅くなりましてすみません!

 「迷宮都市〜光と闇のアヴェスター」本編の続きをご覧下さい!

 夜の帳が下り始めた(アンガウル)に一人の男が現れた。

 使い込まれた外套(フード)の下には鋭い眼光が潜み、その足取りはほとんど足音を立てない。

 月明かりの下では北部一の都市が夜を知らぬかのように人々を飲み込んでいく。

 その闇に滑り込み、男は大柄な体躯を他の酔客たちの目から上手く逸らしていた。

 武装もしているだろう。武人らしい風格が窺える男だった。

 その足が止まったのは、或る店の前であった。

 吸い込まれるように、男の影が店内へと進んだ。


 「火と水に調和を。よく来たな、ガルフ」


 通り沿いにある酒場(イン)のひとつ赤煉瓦亭に屈強な男達が集まっていた。

 いづれも名のある者達であるのか、それぞれ身に纏う空気が違った。探索者達がよく集まるという店内には、強面の者も多い。しかし、先程からテーブルに集う面子にはそれだけでは済まない雰囲気があった。


 「火と水に調和を。先日以来か。しかし、ザナドゥよ。わざわざ氏族会議(こんな場所)に呼び出される覚えは無いぞ?」


 黒狼族の戦士がテーブルの前で立ち止まる。集う男達の顔に緊張が走った。


 「そう言うな。お前に会いたいと言う者達がいるのだ」


 泰然として席に座るガルフを見る者達の目に、背に負う双剣が眩しく映る。

 彼の実力と武功の現実性を示すものだ。設えられた柄はまだ新しく魔物の革で巻かれていた。


 「先ずは一杯」

 「俺も暇ではないぞ。用向きは手短に頼もう」


 キン、と二つの杯が澄んだ音を立てた。

 杯に満たされた火の酒は、芳醇な香りと強い酒精が調和した上質なものだった。其れを二人の男が揃って口にした。

 集まっていた周囲の男達が注目する。店内はまだまだ序の口だと言う探索者達が賑わいを見せている。

 楽しげな喧騒に紛れた込んだ男達だけが、違う空気を吸っていた。


 「変わらん奴だ。叔父上から戻って来いと言われておらんか?」

 「そんな昔のことは忘れた」


 食えん奴だ、とザナドゥが豪快に笑う。


 「まずは先日の件(・・・・)について礼を言う。お前のおかげで多く部族が助けられた。よくやってくれた」

 「俺一人の功績ではない。まったく、頭の固い連中に伝えておいてもらいたいものだ」


 豪快に笑うザナドゥの態度は、ガルフに対して腹に一物というものではない。

 かつて共に戦った戦友。立場は違えど信頼できる間柄、という関係が目に見えていなくとも分かるものだった。


 「変わらんのは理解した。だがな、あの(・・)人族の殺し屋(ダナ・ピジン)に誰もが手を焼いていたのは事実だ」


 誰であれ礼ぐらい言うさ、とザナドゥが笑う。

 その背後で数名の男達が立ち上がった。ガルフの目が男達を捉える。

 値踏みするのは戦士としての価値か。緊張感が高まる中、一人の男が外套(フード)を頭から外した。

 赤茶色の毛並みは剛毛らしい太さを誇り、鍛え上げられた体躯は筋肉の鎧を纏っている。赤熊族と呼ばれる氏族だ。

 有力な氏族。それも屈強な戦士とあれば身のこなしにも他とは一線を画する雰囲気がある。武装を解いているのか得物らしい物も持たずに赤毛の戦士は言った。


 「ガルフ殿。初めてお目にかかる。俺は赤熊族のロウ。貴殿には、先日から我等の仲間を救い出していただいたこと、心より感謝する。この場に来れぬ者に成り代わり御礼申し上げる」


 頭を下げる大柄な男にガルフも鷹揚に応えた。内心は舌打ちしたくなるところを唇を引き結んでガルフは堪える。

 余計なことを抱え込みたくない彼にとって、この赤熊族の申し出は意に染まないものであった。

 部族間の駆け引きなど、元より興味は無い。戦士として生きた半生が彼に実直な心根を育ませる結果となっていたからだ。

 だが、蛇神の使い(パキラキス)の件を持ち出されては否定しようがない。何よりユウが関わっている以上、無視する訳にはいかなかった。


 「大したことではない。礼には及ばん」

 「何を言われる。生命を助けられた御恩は何よりも重い。我等はいつでも貴殿に協力するつもりだ」


 おそらく部族を代表して来た男なのだろう。その態度、その言葉は一切の嘘偽りを許さぬ真摯なものだった。

 ガルフの手が、おもむろに中空で決められた典礼印を切った。


 「我等の出会いに感謝を。赤熊族に神々の恵みがあらんことを」


 部族への敬意を示してガルフが謝意を伝えた。

 それを見た赤熊族の男が満足した顔つきで頷いた。


 「良かったではないか! 他の部族から受ける武勇の誉れほど栄誉なことはない!」

 「うるさいぞ、ザナドゥ」


 素っ気なく返すガルフに、むしろ外野である赤熊族のロウが助け舟を出した。


 「そう言われるな、ガルフ殿。貴殿に助けられた男は、実は我等の部族長の玄孫(やしゃまご)なのだ。貴殿に生命を救われ、本当に感謝しているのだ。他意はない」


 つまり赤熊族からの直訴を受けてザナドゥが場を設けた。赤熊族としては部族長の血族を救った彼への礼を欠いては面目を保つことができないということだろう。


 「森の参与たちへも礼状を回している」


 じきに連絡があるはず、とロウが告げた。

 本当に舌打ちしたくなるのをガルフはグッと堪えて対応した。


 「俺一人の功績ではないと言ったのだがな……」

 「噂に違わぬ方だ。貴殿の手柄と主張して何ら問題はないというのに」


 ロウの茶眼がガルフを見る。その姿は一流の戦士の其れだ。

 獣人族には鍛えあげた己の武勇に酔い痴れ、他人の功績を奪ってでも名を上げようとする者もいる。それもひとえに彼等が敬意を払う森の参与たちに拝謁の機会を賜るのが常に一人と決められているからだ。

 森の賢者と名高い彼等の眼鏡に叶うのは獣人族にとって最大の名誉となる。

 その功労者の座を狙っている者は多い。


 「頭の固い連中は、何処にでもいるものだな」

 「やっと悟ったか? 早く身を固めて皇都へ帰れ。叔父上殿が首を長くして待っておろうが」


 口を出すな、と睨むガルフの殺気の篭る視線を受け流してザナドゥは豪快に笑った。万事憎めない男なのだから仕方ないとガルフも憎まれ口は叩かなかった。


 「ところでガルフよ。面白い小僧を育てているそうだな?」

 「ザナドゥ」


 不意に質問を浴びせられたガルフが獅子王を舐め付ける。


 「隠すな。隠遁していたフリッツバルトを引っ張り出してまで面倒を見ているそうではないか?」

 「さて、何のことやら……」


 手にした杯を飲み干してガルフが卓に置いた。


 「とぼけるな。今では“火の魔術師”として一目置かれるとか? どこで見つけてきた?」


 件の少年のことを言っているのだろう。ユウの保護者役たるガルフにとっては旧知のザナドゥの意図を探るハメとなった。


 「俺に探索者仲間を売れと? 願い下げだ」

 「儂にも言えんか?」


 沈黙が流れる。わずかな緊張感が旧知の二人の間に生まれていく。


 「フム……。なら話題を変えようか。最近、儂のところにも(みやこ)の情報が入ってきてな」

 「ほう?」

 「覚えておるか? 御典医ファムニール様のことだ。あの方には御家族がおられなくてな。その分、昔から姫様のことを我が子のように思われ、姫様からも頼りにされておられた」


 ザナドゥが注がれていた杯の酒を呷る。火の酒を飲んだ男の顔は満足そうだ。

 彼の顔を見ながらガルフは酒を勧めた。


 「そのファムニール様が、このところ北の神殿に通われておる」

 「!?」


 「お前も知ってのとおり、以前から姫様(グラン・ドリナ)の所在と無事の確認は獣人族(われら)の喫緊の課題だった。それが上手く行かぬまま、悪戯に時間を浪費しておった。そこに、この話だ。いったい、誰がファムニール様のことを呼びつけている?」


 あの方は目先の利益で動かれる方ではない、とザナドゥが告げた。

 静かな緊張が二人の間にわだかまる。降り積もるような感情の澱が月夜に霜が降りるごとく重なっていく。


 「王都の魔術館に面会を申請しても門前払いだったというのに、姫様(グラン・ドリナ)のためと決して諦めなかったあのファムニール様が、まるでそちらのことなど眼中にないかのように足を向けておられるそうだ」


 ザナドゥが注がれた火の酒を呷った。飲み方まで豪快な男は胃の腑を焼く酒精に気を良くしていたかに見えた。


 「もう一つ、王都で或る噂(・・・)が広がっていてな。魔術館で不自由な生活(暮らし)に難儀されているはずの姫様(グラン・ドリナ)が、我等のことを気遣ってくださっていたと、まことしやかに囁かれておる」


 初めてガルフの表情を読むような視線でザナドゥが尋ねた。ギシリ、と丈夫な筈の木製の椅子が軋んだ。


 「お前ならどう見る? 同時期に起こった二つの事象は関連があると思うか?」


 降り積もった澱は流れず男達の間にあった。内に秘めた魂の熱量を感じさせるほどザナドゥは質問に回答を求めた。


 「いったい誰が、あの宰相(ボノ)を説き伏せた? 人間至上主義の塊のようなあの男を誰が改心させたのだ? 儂はそれほど影響力のある者など聞いた事がないわ!」


 ダン、と勢いよく杯がテーブルに戻される。


 「落ち着け、ザナドゥ」

 「言葉を選べ、ガルフ。ことは皇統の存続(道導の星)に関わる大事。此処は協力してもらうぞ!」


 図らずも圧を強めるザナドゥの威圧にガルフは涼しい顔で惚けてみせた。


 「知らぬと言ったら?」

 「腕ずくでも」


 有無を言わさぬザナドゥの迫力にガルフは冷静な目で応じた。

 彼等の懸念していることは、ガルフにも理解できているのだ。


 「王国は姫様(グラン・ドリナ)に召喚魔法を強いたな?」


 核心をつく質問に、ガルフはザナドゥから目を逸らさない。


 「黒目黒髪など、目立つ容姿を持ちながら誰も素性を知らぬ。しかも人族でありながら、獣人族に何の見返りも求めず協力するだと? 小僧、儂が御使いの伝承を知らぬとでも思ったか?」


 バキバキと指を鳴らして拳を固めるザナドゥが好戦的な覇気を放つ。


 「さあ! お前は何を知っている? 言わぬなら身体に聞くが?」


 暴力的な言葉にテーブルにいた男の一人が慌てた。


 「先代。お待ちください! あくまで話し合いで臨まれたはずです!」

 「喧しいわ!」


 豪腕が宙を切り裂き、随行の者が弾かれるように飛んだ。吹き飛ばされる男を視線で追いもせず、ガルフはザナドゥを見据えたままだ。

 すわ喧嘩かと店内がザワつき始めた。


 「待たれよ、ザナドゥ殿! 交渉の席と聞いていたはずだ!」


 赤熊族のロウが見かねて立ち上がっていた。

 その戦士然とした姿にザナドゥが吼えた。金獅子族の族長を務めた男の咆哮に居合わせた者達が身を竦めた。


 「黙れ、小童(わっぱ)! この生意気な小僧(ガルフ)は皇都防衛の要職を担う男の後継者よ! 生半な肝の座り方などしておらぬわ!」


 威圧感を前面に押し出してザナドゥが吼えた。集っていた男達がたじろぐ。周囲の客たちが慌て出す。

 それでもガルフは冷静な態度を崩さない。


 「姫様(グラン・ドリナ)に何かあってからでは遅いのだ。知らなくとも聞かせてもらうぞ!」


 客たちが慌て出す頃合いを見て、ガルフが口を開いた。


 「確かに最近は新入り(ニュービー)のお守りばかりで腕が鈍っていたところだが……」

 「最近は骨のある(やつ)が少なくてな。久しぶりに血が騒ぐわ」


 完全に周囲の状況を忘れたザナドゥに溜息をもらしてガルフが立ち上がる。

 その腹を重い拳が捉えていた。

 目にも留まらぬ踏み込みを見せたザナドゥが拳を振り抜いていた。

 店内に悲鳴が上がる。

 飛ばされたガルフの身体が壁に激突して崩折れた。壊された食器や家具の違いが甲高い音を立てた。


 「立て! 次はお前の番だ!」


 真正面からの殴り合いをするつもりでいるのか、ザナドゥが倒れたガルフを呼ぶ。

 半ば呆然とした店員たちが、かつての部族会議議長の姿を認めて言葉を失う。


 「おいおい、喧嘩かよ!」

 「おい、ヤベェぞ! ありゃザナドゥ様だ」

 「はあ? ザナドゥ様に喧嘩を売ったのか? 相手は馬鹿じゃねぇのか!」


 獣人族の探索者達が騒ぎ出した。

 その傍らから倒れたはずの黒狼族の戦士が立ち上がってきた。背中の双剣を脱ぎ捨てるように外し、ロウへと放る。

 突然、装備を渡されたロウが目を見開いていた。


 「おい、相手は“双剣(ガルフ)”だぞ!」

 「こりゃ豪勢な喧嘩じゃねぇか。見ろよ! あの筋肉、すげーぞ!」


 怖いもの知らずの探索者達が二人の成り行きを見守る。一般の客たちは逃げ出し、店内は別の喧騒に包まれた。


 「まったく、どうして獣人族とはこうも喧嘩っ早いのか……」


 黒狼族の戦士は誰に聞かせる訳もなく呟いた。

 立ち上がった彼に金獅子族の元戦士長が告げた。


 「小僧、とっととかかって来んか!」


 此れに全力の踏み込みでガルフも応じた。

 一瞬で間合いを詰めたガルフの拳がザナドゥの頬を殴り飛ばした。

 大柄な体躯を誇るザナドゥが一歩後ずさる。ギラつく眼がガルフを睨め付ける。


 「軽いぞ。もっと肉を食え、小僧(ガルフ)

 「御老体と思って手加減をしてやれば……。労わる必要は無いようだな?」


 ギチリ、と拳が鳴る。ガルフの筋肉が唸りを上げた。

 真下からの拳がザナドゥの顎を捉える。巨体が後方へと倒れた。


 「お、おやめください! ガルフ様! ザナドゥ様!!」


 お付きの金獅子族の男が悲鳴に近い声で叫ぶ。


 「……あの二人が相手だと俺もやりたくないが。まあ、嫌いではないしな」


 赤熊族のロウが二人の格闘戦を見て言った。その手にはガルフの双剣が大切に抱えられている。

 身体の芯に響くような肉を打つ音の連打に、店内は興奮の坩堝と化していった。

 見事な戦士の立会いに、観客は大いに盛り上がる。店の従業員たちだけが手を出すこともできずに頭を抱えていた。


 「少しはマシになったな、小僧?」

 「隠居の身で吠えるか、ザナドゥ!」


 ぬかせ、と重い拳が黒狼族の戦士を捉えた。店のテーブルが下敷きになって砕け散った。

 派手な立会いに探索者達は騒然となり、一発殴るたびに歓声が上がった。


 「やっちまえ!」


 怪我など顧みもせず黒狼族の戦士が巨体に挑む。全力で放つ飛び蹴りにザナドゥの身体が宙を舞った。


 「行け! そこだ!」

 「嘘だろ?! なんて馬鹿力してやがる!」


 さあさあ、滅多に見られるもんじゃないよ、賭けた賭けた、と店内にいる探索者達は博徒を中心に盛り上がっていた。

 獣人族同士の喧嘩に、周囲は誰も止めようとしない。いや、怖すぎて止められないのだ。

 見事な技術に裏打ちされた二人の喧嘩は、見応えのある戦いでもあった。

 結局、この騒ぎは(アンガウル)の警備隊が駆け付けるまで続いた。

 獣人族の男達による喧嘩は日常茶飯事である筈の警備隊は、この日初めて応援を呼ぶ騒ぎになったのは余談である。











 同じ頃、街の反対側では夜遅くに一人の訪問者が孤児院を訪れていた。

 黒っぽい外套(ローブ)を着た人物が手慣れた様子で建物の中へと入っていく。その人物の存在感は場にそぐわない感じがするというのに、その所作には迷いがなかった。

 扉を閉めるその人物が、振り向きざまに外套(ローブ)のフードを後方に落とした。見事な金髪の少年が顔を覗かせる。


 「あ、ユヌス!」


 夜分遅くだというのに訪問者を呼び止める声が聞こえた。

 呼んだのは十代の少女だ。その呼びかけに気付いた訪問者が歩み寄る。


 「やあ、コニー。こんばんは。もう仕事は終わったのかい?」

 「ええ、もちろん! 仕立て屋のおばちゃんからお裾分け貰ってるの。今度ユヌスも食べに来て。昼間に、だけど?」


 わかったよ、とまだ若い男の声が応えた。年の頃ならば十代半ば。整えられた金髪と明らかに労働を知らない特権階級の匂いがする少年だった。襟元から見える端正な服装も街の庶民が普段使いできるものではない。


 「でも、あまり夜更かししてはいけないよ」

 「もう子どもじゃありません!」


 頬を膨らませるコニーに笑いかけながら、ユヌスと呼ばれた少年が笑った。少女の膨らんだ頬が薔薇色に染まっているのは、恥ずかしさばかりからではないだろう。


 「遅くなったけど、僕に使いを出していたんだろう? 何があったんだい?」

 「丁度その話をしてたの。笑わずに聞いてくれる?」


 そう言う少女の頭には形の良い獣耳が揺れていた。

 この孤児院は獣人族の子どもたちを中心に(アンガウル)で捨てられた孤児(ストリートチルドレン)たちを保護していた。

 普通ならば人族の、しかも特権階級である貴族の関係者が寄り付くところではない。夜分遅くに訪問者が来るところではなかったはずだ。


 「それでね、その人は困っていたその姉弟を助けてあげたんだって。セスの商会に招かれてる探索者だって聞いてきたよ。ユヌス、会ってみたら?」


 少女が語る義に篤い人物にユヌスの興味は引かれた。


 「へぇ。僕以外にそんな変わった奴がいるなんてね」


 どこか楽しそうに笑う少年にコニーもこれは当たりだと思ったようだ。

 優しそうな笑顔を見せたユヌスがコニーを見る。

 貴族らしい少年の興味を引いた話とは、誰あろうこの(アンガウル)で黒狼族の姉弟を助けた黒目黒髪の少年の話だったのだ。







 知らぬ間に獣人族の世界に影響を与えるユウ。理不尽な現実に伍することなく己の正義を貫く彼に王国の一部が危機感を募らせる。画策される闇に翻弄されるのは誰なのか。

 次回、第47話「胎動」でお会いしましょう!

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