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A グラインド √①
「……なんだ残ったのか、驚いた。てっきりあのまま出ていったと思っていたぞ」
そのわりには驚いた顔をしていない。むしろ私が残るのを確信していたみたいだ。
「はい、私に何ができるかわかりませんけど、よろしくお願いします」
宇宙機関に入ったはいいが、今までエイリアンと戦ったことなんてない。まったくの素人の私は、訓練も知識も経験もなにもない。
武器の使い方もみよう見まねくらいしかできそうにないから不安だなあ。
「所詮はウォルターが見える人間だけの寄せ集めだ……他にも戦闘とは無縁の生活を送っている奴等はいる。
まずは訓練室に行ってレーザーの使い方を学んでこい」
ふときになったが、彼にはウォルターの姿は見えるのだろうか。
ウォルターが見える条件は差だかではない。
戦える人が都合よく見られるわけじゃないだろうし。
まあ見えないと話にならないか。