勇者様は勇者じゃなかったんだ
好評だったら良いな・・・・
むかーし昔、魔王と勇者が居た時代。
魔王が存在したことにより魔族が進軍し人々は死んでいく....
だから人々は魔王を倒す為に勇者を召喚することにした。
だが、これは人族の都合の良いように上の立場の人族が下の立場の人種に洗脳しているだけなのだ。
本当は人族が魔族の土地を奪って行ったことで戦争が起こっているだけなのだ。
否、これにはルールと言うモノが無いから戦争とは言えない。
種族の運命を掛けた殺戮なのだから....
勇者は全てを知り、平和というモノの為に戦ったソレを後悔した。
なんの為に戦っていた?
平和の為。
だが、違った。
魔王にも家族が居たようだった。
魔王が死んだあと、小さい子供が魔王の亡骸の元へ行き、お父さん!お父さん!と泣いていた。
その子は親の仇である勇者を睨んだ。
それは勇者にとって今までの戦いより痛い、精神的な痛みだった....
魔王城をでても一緒だ。
先程、戦いをしていた魔王軍の兵の亡骸に抱き付き泣く人々....
勇者は胃が痛み始めた。
少しずつ勇者が拠点としていた国へと向かう....
その間、勇者は悪夢に襲われていた。
着いても同じだ。
いや、もっと酷い....
人々に怪物など言われ、怖がられ、逃げられ、石を投げられる....
勇者は国の中を勝って歩くのを禁じられていたのを思い出した。
――あぁ、俺って何の為に戦っていたのだろう....
怪物は思った。
――守ろうとしていた人々にも嫌われ....
怪物は城へと向かっていく....
怪物は魔王を倒せば、元の世界に戻すと王に言われて頑張っていた。
そして城に着いた怪物に王が言った。
姫と結婚しろと....
姫に嫌われていることを怪物は知っていた。
だから――
――話が違う
と言った。
彼女の未来の為にも、自分が戻る為にも....
それが気に入らなかったのか、それとも最初から決まっていたのか。
王は言った。
――そのかい、いや、勇者を処刑せよ!
この王は完全に怪物としてソレを見ていた。
――もう帰れないのか....
特に思い入れはないが親、友人との別れを告げたかったな。
怪物は全てを諦めた....
全てを諦め、目を瞑った。
そんな時だった。
――大丈夫ですから、何があっても私は勇者様の味方ですから....
その声はとても綺麗で、良く知った人物の声だった。
ゆっくりと目を開けていくとそこには彼女が居た。
薙刀を持ち、髪と同じ色の銀の鎧、そしてきれいな長い髪。
この国の姫であった。
――今まではあんな態度ですみませんでした。
貴方が居なくなって分かりました....
――貴方が好きだと....
怪物と姫は逃げ、人が居ない平和な土地を見つけましたとさ。
「おわりなの?」
「いいえ、まだまだ続きますよ?そろそろかしら」
「ただいまー」
「私達の勇者様が帰ってきましたよ?」
「うん」
「「お帰りなさい」」
現在進行形で物語は続いていましたとさ。