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私立魔法学院の日常  作者: 月兎
合唱部の日常編
3/10

第2話・いざ美術部へ




「ここが美術部の部室、美術室よ。」

そうやって俺らが案内されたのは、正に芸術は爆発だ、という言葉がピッタリそうな、絵の具が爆発しているドアの前。

「な、なんか、見たらすぐに美術部って分かりそう…っすね…ってか汚い((ボソッ。」

「っ!ここで汚いは禁句よ、耕平!」

「え、なんでっすか、桜先輩」

俺が先輩に問いかけると同時に、バタンッと勢いよくドアが開いた。

「誰だ…汚いって言った奴…。」

「っちょ、え!?」

な、なんなんだよこいつ。

扉の向こうには、恐ろしい魔物…

「魔物じゃないよ、アタシは。」

もとい、サトリがいました。

ってか、めっちゃくちゃ怖いんすけど!

「ああ"?」

「ひぃっ…」

「ま、まあまあ、落ち着いてよ、二人とも?」

「…って、あんた桜じゃない!久しぶりだね!!」

「た、態度が一変した…!?」

俺以外の他の二年も、緊迫から一瞬で解き放たれて、何がなんだか分かんなくなってる。

ほんとに、この人一体何者だ?

「わぁぁぁぁ!!!桜!すごい久しぶりじゃん!!」

「うん!元気してた?」

「あったりまえ!」

会話が弾丸のように飛び交ってて、もう俺には聞き取れねぇや。

桜先輩、ほんとヤバイくらい強いわ…

「せ、先輩…?」

俺の後ろから、如音が恐る恐る声をかけたのと、

「あぁ!この子達が桜の後輩なのか!」

美術部の先輩がこっちを向いたのが同時だった。

その時、俺ら二年の心はひとつだった。

(先輩怖い…!それと向き合える桜先輩って素晴らしいっ!)

そして、俺らの先輩信仰は一層深まったのでした。おしまい。

「終わらせてどうするのよ耕平!」

「って!ひっぱたくなよサチ!」

「楽しそうねぇ、あんたたち。」

そうだ、まだ先輩の目の前…あれ?

「改めて紹介するわね。こっちは、美術部の部長、向井真紀。」

「よろしくな。」

にこっ、と笑いかけられると、全く怖くない。むしろ、すごく人懐っこそう…に見える。

「真紀、ごめんね?私がちゃんと言ってなかったせいで…」

「いいって!人それぞれの感性だからな!んで、さっき言ってた用事って?」

「そうそう、それなんだけどさ…」


「あの先輩…私達と同じような人だ…。」

「雫、どうかしたの?」

「わ、わかんないけどね、サチちゃん。あの先輩、怖いけど、私達と同じオーラが感じられる…。」

さすが元占術部。オーラが魔法使わずに見れるなんて、やっぱすげぇわ。

「同じって?」

「う、うーん…」

そりゃ、簡単にわかったらすげ…

「そうね、同じよ。」

「え、桜先輩!?」

エスパーかよ!俺らの話盗み聞いていたんじゃ?

「ふふ。」

「すごーーく意味深なんすけど?」

「ま、桜の特殊能力だから仕方ないよ。」

「へぇ…って、桜先輩能力持ち!?」


特殊能力とは、魔法使いの中でも一握りの者に、天から授けられる贈り物、いわば、才能みたいなもんだ。

努力ではなんともならないし、誰に発現するかもわからない。

だから、多くの能力者はその才能を隠してるんだ。


「まぁ、ここで立ち話もなんだし、中入れば?」

「うん、そうさせてもらうね。さ、行きましょうか。」

桜先輩に促され、そして、いつのまにか後ろに回り込んでた真紀先輩に半ばビビりながら、俺たちは部室のドアをくぐった。


そこには…

俺達の想像を遥かに越えた創造物が並んでいた。



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