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無関心な恋愛ライフ~陽気な人々~  作者: 航作裕人
第三章 高校生活は大変!
8/8

真司と恋愛の彼女

 午後の話しになるが、真司と俺で一緒にいると、例のあの子がやってくるのだ。


「和孝君は真司君と幼なじみですよね?」

「そうだけど。もしかして、どういう子だったかって知りたいという感じかな?」

「なぜ、わかったのですか?」

「顔に出てるよ」


 睦美むつみはかわいげな顔を横に振り、大丈夫と言う顔でこちらを見ている。


「あら、どうしてでしょうね。私ったら、そこまで真司君のことが好きなんて、恥ずかしい」


 と言いつつも、言葉に出している時点で恥ずかしくはないのだろう。ただの芝居に過ぎない。俺はそんなことなどわかっている。それでも突っ込みたくなってしまうのである。


「何で恥ずかしいとか言っているんだ? 普通に考えて、言葉に出さなんだろう」

「そうかもしれないけど、あくまでも芝居よ」

「それ、人に行っても大丈夫なせりふなのかよ。どうみても、マジックでタネを明かしているのと同じことじゃないのか?」

「そんなことないもん。私は別に真司君のことが好きと言うわけではなく、男性として好きなの」

「それはどう見ても、愛してるってことだろうがァ――――」


 あまりにも頭の働きが鈍い睦美は、普通の人では言わないことを言い放った。俺はそれを見ても、頭を抱えるほどひどいものであった。それを見ていた真司は俺に一言言い放つ。


「あいつ、俺のことが好きなのかよ。まさか、俺なんかに好きと言う人がいるなんて」

「まあ、そうかもしれないけど。あいつは正真正銘、お前のことが好きだぞ。だって、自分で本音を言っているみたいなもので、ただ、ツンデレみたいなところがあるだけだと思うぞ」


 俺が行った言葉に同意した真司だが、乗るきではないらしい。もしかしたら、タイプではないのかもしれない。雰囲気からして……。



 放課後になったというのに、近づきたくってしょうがない睦美。チラチラとこちらを見てきている。


「なんだろうな? あいつは俺らを見てるぞ」


 真司は気になって仕方がないようだ。遠くからとはいえ、ジロジロ見られれば、変な気分にもなるだろう。


「しょうがないだろ。あのような性格なんだから。内気なんだよ。素直じゃないだけ」


 どう見ても、ストーカーのように隠れて、ストーキングをしている時点で、素直じゃないくらいわかる。恥ずかしくって、自分の言葉で伝えることができない奴だということだ。まあ、女子だからわかることだけど。

 それでも、周りの目が痛い。俺らを見ている睦美に目線が行き、恥ずかしそうに隠れている。あまりにも哀れとしか言いようがない。


「もうそろそろ、出てきたら?」


 真司が優しい口調で睦美を目の前へと誘き出すことにした。このままつけられても迷惑だと感じたのだろう。


「別に、ストーキングなんかしてないけど……」


 睦美は自分から真実を述べてしまった。確実におかしい人にしか見えなくなってきた。やったことを白状しているみたいなものなのに。それを気にしないのがあまりにも天然なのか、ただのバカなのかはわからない。


「どう見たって、していたよね? この目で、はっきりと見てるんだけど」

「…………」

「どうした? 俺の質問に答えてくれると助かるんだけど―― 。それにいきなりテンションが上がる和孝がいるしな」

「どういう意味だ」

「なんか、照れてるのかなって」

「いや、そんなことはないけど。こいつがいるから突っ込みどころが多いからだよ」


 なぜか、俺がいつもと違うように見える真司だ。


「別に上がってないけど……。それより、どこか行こうか?」

「こいつ、話を変えやがった。根性がねぇ――な」

「いいじゃないか。俺はこういう話に興味がないんだ」

「嘘だろ? 本当は気になって仕方がないくせに、意地をはるなって」


 真司には俺が考えていることなんかわかってしまうみたいだ。本当に狂的なのである。こいつを敵に周った時点で終わりになるだろう。

 


 何もしないまま、学校帰りにワクワクナルドに寄った。自動ドアを通り、カウンターへと向かうと、学校帰りの学生で店内はいっぱいだった。


「この量はすごいな。やっぱり、うちの学校のほかに高校がいくつかあるからだな。駅も近いし」


 このワクワクナルドは荒川都市駅の駅前にあるドライブスルーがあるもので、たまに通るときに思うのが、制服を着た高校生が多いということだ。この辺には、センタッキがなく、ワックしかない関係もあるだろう。近くにコンビニがあっても、飲食できる場所や話をする場所とかがないという理由からだろう。

 人が多い場所を通りながら、並んでいた。


「ここって、カップル通しも多いし、女子だけも結構いる」

「男子はあまりたまらないんじゃない。すぐに帰りたいやつとかもいるし」

「なるほどな。そういう理由か! それより、睦美とかもこんな感じで学校帰りにワックに寄ったりするの?」

「比較的にはね。今までも女子とかと一緒に行くね。男子とは行きづらい。彼氏といるという感じでみられるから」

「なるほど、女子はそういうのが大変なんか。付き合っていないのに、そんな風に言われるのか。きついな」


 睦美はうなずいていた。だとすると、俺と真司の二人と睦美一人だと、二股に見えたりするんじゃないかなって、おせっかいを焼こうか考えていた。


「それじゃあ、三人で行くことにしようかっ!」

「で……でも、その――――」


 睦美は何かを言いたそうであったが、内容までは行くことはなかった。テンションが高くないまま、ワックへと行くことになった。

 睦美にはあまりにもよくない環境の中であった。

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