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無関心な恋愛ライフ~陽気な人々~  作者: 航作裕人
第三章 高校生活は大変!
6/8

春休み

 高校入試を終えた俺は、合格を待つのみになったが、見事に合格をした。

 そして、レベルが高い常磐商業高校へと入学することになった。

 現在は、中学を卒業して、春休みになっている。なんというか、いつも以上に長い休みなので、いろいろとできる。勉強も。

 進学校の高校であるため、宿題と言うか、課題が山積みになるくらい出た。と言っても、簡単な問題ばかりで、英語だけは一日で終わってしまったが……。

 でも、ほかの教科は意外と難しかった。

 たとえば、数学や社会、簿記なども予習としてやらされた。大変難しいようで。

 本当に嫌になるほど、勉強漬けの毎日になりそうだ。

 俺は誰もない家の中の自分の部屋にこもっている。世間ではニートとかいうんですかね。勉強するだけでニートとはふざけんなと言いたいくらいですけどね。

 だけど、言われてもしょうがないかもしれない。いつも家にこもっていればそういわれてもしょうがない。だって、出かける場所がないのだから。

 俺は世間から見れば、悲しい人間なのかもしれない。

 


 勉強と言っても、五教科だけじゃないことに感謝。頭をリフレッシュできる。それにしても、簿記は勉強してみたかったところなんだよなと思う。

 すると、玄関のチャイムがなる。誰か来たみたいだけどね。玄関まで行くのがだるいの。

 これこそ、ニート的な発想かもしれない。どうなのだろうか。俺はニートなのかと疑問に思う。

 玄関からのチャイムは連続でなる


 ――近所迷惑もいいところだ。


 と言っても、俺のせいなのだけどね。てへっ。男子がやっても、キモいだけ。

 頭がおかしいのかもしれない。


「さてと、玄関へと行かないとうるさいのでね」


 自分の部屋のドアを開けて、一階まで下がり、玄関へと向かう。ドアを開ける。真司が普通に入る。おかしいだろ。


「おいっす。いつも通りだな。その格好」


 俺の格好について、真司はケチをつけてきた。

 でも、しょうがないことだ。おれの格好はそこらじゅうのおっさんにみたいなのだから、白いTシャツに黒のパジャマのズボン。ケチをつけられるわけだ。


「それにしても、お前はいつもそんな格好でもしているのか? もしかして、制服だけが私服とか言わないよな」


 どう見てもバカにしている発言だ。俺はそこまでひどくない。


「そんなわけあるかァ――。どこを見て話しているんだ」

「どこって、顔」

「そ……そうか」


 何も言えない自分が哀れだ。言い返せよと言いたい気分。自分の心にね。


「おい、何も言えなくなってるじゃないか。おれが見てたのはTシャツだ。そこだけでも、着替えろよ。もしかしたら、高松裕香たかまつゆうかが来るかもよ」


 と言われても、どうすればいいのわからない。

 

 高松裕香は、俺の中学の友達と言えばいいのか。よく同じクラスになり、勉強などを教えてもらったりした。だから、中二の時に勉強ができるようになったのは、この女子のおかげだ。意外とおっちょこちょいで、それに巨乳と言うことで、制服がもっこりしているのを見られている。いつも恥ずかしそうだけど、勉強になると全然気にはしない。おれにだって、普通にくっついてきても、例の物が当たっていても、気にはしないというすごい人物だ。

 


 真司は勉強を教えに来るとか言っているけど、簿記とはどうなのだろうか。あとは、マーケティングやプログラム作成などの勉強を教えられるのかと思ってしまう。

 教えに来ると言うのだから、来るのだろう。

 そして、裕香は私立東京開門学園大学付属高校へと進学をした。私立の中ではトップクラスの学校だ。おれには行けないだろうけど。

 そんな人が教えにくるだと、俺の勉強よりも自分の勉強をと言う前に、玄関のチャイムを鳴らす音が聞こえて、開ける。その場に行ったのは、まさに裕香だった。

 裕香は、いつもポニーテールで、目がクリクリしている。まるで、犬の目みたいな感じで、とてもかわいい。体も、胸が強調されるくらい胸だけでかい。男の理想がそのまま入っている。最高な女だと俺は思う。

 だけど、好意は抱かない。

 なぜなら、俺には勉強と言うもの以外は何もない。だけども、こいつには負けてしまうだろう。何でもだ。何かしら、得意なものを作るべきだというのはわかっているけど、なんと、興味がある分野がないという異常事態。

 何もないのは残念なことだけども、そこまで活躍できるまでの実力はつかなくてもいいかと思う。このすべての人間が、実力と才能を発揮できているわけでもない。一部の人は何もない人ばかりなのだから。

 そして、真司はいつの間にか姿を消していた。幼児でもあったのかもしれない。それか、俺と裕香を二人にするために、邪魔だと思って消えたのかはわからない。

 


俺の部屋へと上がりこみ、部屋の真ん中あたりで座る。

 そして、俺に問いかける。


「そういえば、学校はどんな感じなの?」

「学校内では、上位にいるけど」


 裕香はニヤリと笑った。


「そうなんだ。和孝がねぇ――。信じられない」

「そうか。俺的に、頑張っているということだよ」

「そうですか。私よりも上と言いたいのかな?」


 俺にはそんなつもりなどない。ただ、頑張っているということを伝えたいだけないのに、素直に伝えることができないのは、俺の悪いところだ。


「別に、そんなこと言ってないだろ。まったく」


 俺も素直ではない。それに、裕香もだ。


「あっそ。私のことなど、なんても思ってはいないのだろうね。悲しいわ」


 裕香は少し意地を張った。おれと同じように。

 どうしてだろうか。素直には慣れないし、普通にも接することができない。この気持ちはなんだろう。


「それより、商業の勉強はついていけるのかな?」

「ついていけるよ」


 つい、意地を張ってしまった。さっきよりも、完全にわかりやすい意地だ。勉強のことになると、いつもこうなってしまう。

 と話している間に、相当な時間が過ぎていた。

 


 勉強を始めることにした俺たちだけども、なかなか進まないのが現状だ。

 だけど、頑張るしかないのだ。

 裕香はなんか知らないが、俺のことをジーと見てくる。


「なんだよ。俺になんかようでもあるのか?」

「いや、別に。頑張ってるなって思っただけ」


 俺には、用があるようにみえたのだが、裕香は何でもない的な感じでいるのだ。

 もしかしたら、意地を張っているのかもしれない。どうなのかはわからない。

 俺はどうすればいいかがわからなくなった。

 そして、勉強だけに集中することになったが、裕香が話し来てたのだ。


「ねぇ、今回は勉強会なのに、和孝だけが勉強しても意味がないじゃないの」

「確かにな。じゃあ、どうする? 教えあいでもするか?」


 と言った途端、裕香は顔を真っ赤に染めていた。

 俺は不審に思ったが、俺が聞く前に相手から言ってきたのだ。


「わ……あたしに、勉強以外のことを教えてほしいの?」


 ――勉強以外でかぁ。無理だろ、それ。おれだって、最近のことはいろいろと知らないのに。も……もしかして。


 俺もなぜか、顔を真っ赤にしていたことに気付くのは、裕香が指をさしたときだった。


「俺にどうしろと言うんだよ」

「それは、あんなことを教えてほしいの」

「どんなことだよ」


 あまりにも、危険な方だということに気がついた俺は、頭を悩ます。


「なぜだ? 俺にそんなことを聞くのは?」

「なぜって、私は言われたの。勉強以外で、保健関係のことで興味がないのかとね」


 俺は一瞬、言葉を失った。進学校でもあるんだということに……。


「それで、なぜ俺なんだ?」

「それは、和孝とだとできそうだから」

「何がだよ」

「そ……それはねぇ――」

「まてぇ――――い。その先は言うな」


 あまりにも危険な答えが返ってきそうで、おそろくなったので、やめることにした。

 俺は普通におかしかったのかもしれない。保健と言っても、保険だ。国民保険とかの制度のことについてだった。


「なんだと思ったのよ」

「それは、下ネタの方」

「和孝って、実は変態だったのね。じゃあ、今ここであんなことやこんなことを……」

「しねぇ――――よ」


 と即答した成果、少ししょんぼりしていた。自分の体に自信でもあったのかと疑うほどだ。

 俺はこのときにふっと時計を見た。

 

 ――十六時。

 

 完全に夕方になっていた。勉強は全然進まなかった。でも、裕香のドジと言うか、何かが見られたように感じた。

 その時、俺は部屋の真ん中に机をだし、二人で一緒に座っていた。裕香は立ち上がると、服の襟あたりが緩んでいる服装だったので、中の丸いもんが見えた。俺は、それに見とれてしまい、裕香が何かを見ていることに気づき、恥ずかしそうに隠すのだ。


「何見てるのよ、変態。もしかして、私の胸は大きくって気持ち悪いとか、顔がキモイとか思っているんじゃないのでしょうね」


 いきなりの暴言と、自分をけなすのはよくないと思うんですけど。さすがに、そこまで言われると、何とも言えませんけど。恥ずかしかったのだろう。


「そんなこと思ってねぇ――よ、別に。男の本能で、見てしまっただけだよ。あまりにも大きいからな」


 裕香は真っ赤に染まったリンゴのようになってしまった。そのうち、熟してしまうのではないくらい。

 俺的には、そこまでのことを言ったのかと思ってしまうほどだ。


「裕香。大丈夫か。熱でもあるのか?」


 俺は自分の手を、裕香のでこへとあてると、


「きゃっ」


 と悲鳴を上げた。俺はあわてて手をどける。

 俺は軽く、裕香に声をかけて、謝る。


「ごめんな。そんなにも嫌だったのか? 悪かったよ」

「別にそんなわけじゃないけど。それよりも、和孝はずるいよ。女には優しいんだから」


 いきなりの涙には対抗できない。初めて泣いたのを見た。

 裕香は今まで、泣いたところを見せたことがない。それに、泣きたくっても泣けなかったのだろう。それほど、つらい日々を過ごしてきたことが俺には感じ取れた。

 今まで以上に悲しい日々が続くかもしれないのに。

 ここで泣いたことを後悔するなと、俺は心の底から思っている。

 裕香の気持ちは、俺には理解できないところもある。

『女には優しんだから』と言われても、普通に接しているだけ。だけども、女の子は優しくしなさいと言われたことがある。誰にかはわからないが、それが今はよかったのかもしれない。

 いつも以上にいい、一日であったことをこのときふっと思った。

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