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異世界を渡りし者  作者: 山田 隆行
火の精霊編
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第54話 学園ギルド

異世界定番ともいえるギルドの登場です。

授業を終えた俺はマリアとルシアを連れて、先生に教えてもらったギルドへと向かった。


「楽しみですね。前々からギルドには興味があったんですよ」

「私には、そんなにはしゃぐほどの物じゃないと思うけど?」

「まぁまぁ何事も経験が必要だし、物の試しとして行ってみようじゃないか。」


俺は両脇で口喧嘩を始めそうな勢いの2人を宥めながら、教室を出て5分後にはギルドに辿りついた。


「よぉ少年!両手に美女をはべらして何の用だい?」

「ちょっとギルドで小遣い稼ぎをしてみようかと思いまして。」

「見た事のない顔だが新入生か?ギルドの説明を聞いていくかい?」

「はい。お願いします」

「なら、一度しか言わないから良く聞いとけよ? 

この学園のギルドは他の街にある一般的なギルドとは違い、討伐依頼はない。

此処のギルドランクはA~Eまでの5段階で構成されていて、依頼をこなす度に報酬とポイントを手渡すから、そのポイントが一定量溜まったら次のランクにランクアップするという訳だ。」

「ポイント制なのね・・・。面倒くさそう。」

「おいおい嬢ちゃん、此れは一般的なギルドのルールと違ってランクアップしやすいと思うぜ!?」

「それで、登録したらどのランクの仕事でも請けれるんですか?」

「それは今から説明するさ。初めて登録した者はみんなEランクから始める事になるんだが、EからDに上がるには10ポイント必要だし更にCに上がるには20ポイントが必要というように、最終的にBからAに上がるには40ポイントが必要という事になるんだが、ギルドには決まりがあってEランクの者は同じくEランクの仕事しか請けることはできない事になっている。DランクになればDもEも受ける事は出来るがな。」

「つまり最終的にAランクになれば、全ての依頼を請ける事が出来るという訳ですね。」

「その通りだ。詳しい事はこの紙に全て書かれてあるから、よく読んでおいてくれ!」


俺たち3人はギルドの担当者から用紙を受け取った後、四つ折にしてポケットへ捻じ込んだ。


「それで如何するんだい? 登録していくのか?」

「はい。その為に此処に来たんですし、俺は登録します。マリアとルシアは如何する?」

「私も登録するわ、今まで家が貧乏で御小遣いなんて貰った事なかったし、いい勉強にもなるしね。」

「私も・・・。仕事をするかは別にして登録する事にする。」

「決まりだな、オジさん俺たち3人とも登録するよ。」

俺が担当者に3人の代表として声を掛けると、オジさんは何故かプルプルと震えだした。

「如何したんですかオジさん?何処か具合でも悪いんですか?」

「オジさんオジさんと連呼するんじゃねぇ!! 俺はまだ22歳だーーーー!」

「・・・オジさん御免。」


ルシアもノリが良いのか、とどめの一言を担当者に浴びせかけた。


「だ・か・ら、俺はお兄さんだ!! そういえば自己紹介が遅れたな、俺の名はタリスだ。気軽に『タリスさん』とでも呼んでくれ」

「・・・宜しくタリスおじさん。」

「ンガーーーー!!」

「まぁまぁルシア、悪ノリしすぎだよ。」

「まあ良いさ、おい!登録するなら学生証を手渡しな、ギルド登録の証を刻んでやるから」


俺たちは3人とも洋服のポケットに手を突っ込むと、学生証を取り出しタリスさんへと手渡した。


「少し待ってろ。 直ぐに済むからな。」


手渡してから10分が経過し、タリスさんから各々に学生証が返却された。

何も変わってない様に見えたが、裏面の何に使うか分からなかった空白部分に文字が書き込まれていた。


「これで登録は完了だ! 次からは依頼を受けて成功するたびにポイント数を此処に書き込んでいく。

もしも途中で学生証を紛失した場合は、登録しなおす事になるから注意しろよ?」

「その場合はランクやポイント数はどうなるんですか?」

「当然、Eランクの0ポイントで再スタートという事になる。」


そうなった場合は面倒くさい事になるな・・・。

しかも学生証の再発行時には罰金と理事長先生の小言付だからもっと訳が悪い。


「それで如何する? 早速依頼に挑戦してみるか?」

「私は今日はやめておきます。 時間も遅いですし、お腹も空きましたし・・・」

「私も。さっさと帰ってお風呂に入って寝たい」

「俺は如何しようかな?」

「ミコトさん、寮で一緒に御飯を食べませんか?」

「そうだな、そうしようか。 すいません、俺も今日は止めときます」

「分かった。何時でも気が向いたときに依頼をこなしてくれよな。待ってるぞ~~~」


俺とルシアとマリアはギルド担当者のタリスさんに一礼すると、踵をかえして寮への道を歩き出した。

学園を出てから20分後に寮に辿りついた頃には周囲は暗くなっており、寮の食堂で昨日と変わらない量の食事を平らげた俺とマリアはその場で解散し部屋に戻った。

食事を終えた俺は部屋で寝るまでの暇つぶしと称してギルドで貰った紙を読む事にした。


「えっと何々・・・。ギルドの説明書き!?そのままだな。」


その説明書きによると


1.ギルドのランクにはA~Eまでの5段階があり、Aに近づけば近づくほど難易度は上昇する。

2.ランクアップするには依頼書に書かれているポイント数がある程度溜まる事により可能になる。

3.ランクアップの必要ポイント数は以下の通りである。

 E⇒D 10ポイント  D⇒C 20ポイント C⇒B 30ポイント B⇒A 40ポイント

4.学園ギルドの依頼内容は主に学園敷地内の草むしりや先生方の手伝い、建物の清掃になる。


「なるほど、マリアやルシアには危険な依頼を受けないように言っておかないとな。」


俺は説明書も元通り四つ折にすると机の上において眠りについた。


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